つぶやき

こともなし

日曜日。晴。 スーパー。 いわゆる「中心と周縁」は新しさを目指す。「至るところに中心がある」というのは、成熟と永遠を目指す。芭蕉の「不易と流行」でいうなら、前者は流行であり、後者は不易である。この統合がむずかしい。そして、この統合が壊れてし…

こともなし

曇。 ホテルのバーか何かで、店の人がなんとか金を使わせようとお愛想をいっているのに、こちらは口からでまかせのエーカゲンなことを口八丁手八丁でしゃべりまくり、結局一銭も使わずに出てくる夢を見る。店の人の凍りついたような笑みが気の毒だった。まっ…

こともなし

晴。 昼寝。ぐーぐー。 夕方、新書本でも買おうとカルコス。まずはちくま学芸文庫新刊にノーマン・コーンがあったので、購入。ノーマン・コーンは読んだことはないがなつかしい名前で、『千年王国の追求』の書名はかつてそれなりに見かけた。わたしは澁澤龍…

アイザイア・バーリン『北方の博士 J.G.ハーマン』 / ゲーテ『イタリア紀行(上)』

晴。 NML で音楽を聴く。■モーツァルトのピアノ協奏曲第五番 K.175 で、ピアノと指揮はゲザ・アンダ、カメラータ・ザルツブルク(NML、CD)。五十年以上前の演奏か。すばらしいものは時を経ても変わらないな。■ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第八番 op.59-2 …

暴力について / 山田稔『北園町九十三番地 天野忠さんのこと』

晴。 暴力的な夢で目覚める。どういう根かわからないけれども、かなり深い感じがする。個人的なものか、集合的なものか。 『鬼滅の刃』は全篇暴力で覆われているよね。『進撃の巨人』も『呪術廻戦』も剥き出しの激しい暴力に晒されている。この強度の大きい…

こともなし

雪。あっという間に積もる。 今日は特に寒いな。家の中でもぶるぶる震える。 昼になっても降り続けている。この冬一番の積雪になりそう。図書館へ行く予定だったが、とても無理だな。 昼寝。起きたら青空が出ていた。 NML で音楽を聴く。■ショパンのスケルツ…

モダンの安定性は幻想たること

晴。 NML で音楽を聴く。■ショパンの練習曲集 op.10 で、ピアノはマウリツィオ・ポリーニ(NML、CD)。わたしの出発点のひとつがこれであったことを考えると、果たしてそれがよかったのか、いまだと複雑な気分になるな。わたしなどはこのモダンの究極の到達…

「呪いの時代」

曇。 スーパー。 このところセキレイをよく見かけるな。 ごろごろ。 珈琲工房ひぐち北一色店。お客さんでいっぱいだったな。川端康雄『葉蘭をめぐる冒険』を読み始める。静かなよい本だな。外国文学者の文章をもっと読んでみたくなる。川端さんのオーウェル…

2021年極私的回顧

年末の「今年一年を振り返って」といっても、あまり思うことはないのであるが、まずは一年間のブログタイトルを Ruby で取得してみた。

モダンと知性による操作 / コンラッド『ロード・ジム』 / ねじめ正一『荒地の恋』

曇。「ポストモダン」というのは、モダンの枠の外へ出られないということである。モダンというのは、知性によって操作(マニピュレイト)可能ということだ。中沢さんは、ピカソの絵を例に挙げていたな。いまやモダンの枠の内部は、凡庸化・断片化され尽くし…

國分功一郎&千葉雅也『言語が消滅する前に』 / 高瀬正仁『評伝 岡潔』「星の章」

曇。時雨れる。 昨晩はダラダラとツイッターを見ていたり。別にこんなことをいっても仕方がないのだが、超絶かしこい人たちの底の浅さについて。(これは現代芸術の底の浅さと同根だろう。)何故深さが必要なのか? よくわからないが、我々の間の紐帯は底の…

こともなし

晴。自然、人間、環境、社会、作品、ネットなどに接しながら、心を調えていくのは一生仕事だな。しかし、そのことは忘れられている。スーパー。「マガジン9」で森永卓郎さんや雨宮処凛さんの記事を読んだ。部屋で何もせずごろごろした生活を送っていても、わ…

明恵さんの「あるべきようわ」 / ジョージ・オーウェル『空気をもとめて』

日曜日。晴。NML で音楽を聴く。■ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第四番 op.18-4 で、演奏はエマーソン弦楽四重奏団(NML、CD)。■バッハのパルティータ第三番 BWV827 で、ピアノはシャガイェグ・ノスラティ(NML)。Bach Partitas Bwv 825-830アーティスト:No…

共感可能性とロジック

日曜日。晴。スーパー。昼から、珈琲工房ひぐち北一色店。ウンベルト・エーコの『歴史が後ずさりするとき』を読み始める。エーコは昔からどことなく好きになれないところがあるのだが、読んでみるとやはり大知識人だなと思わずにはいられない。エーコが亡く…

『ゴールデンタイム』を見る

曇。NML で音楽を聴く。■リゲティの練習曲集第二巻で、ピアノはキャシー・クリエ(NML、CD)。雨。 昼寝。しかし、我々は殺すとか、殺戮するとか、虐殺するとかいうコンテンツが本当に好きだよね。わたしもそういうのが好きらしいが、どういうものだろうな。…

息をつく / 種村季弘『詐欺師の勉強 あるいは遊戯精神の綺想』

曇。種村さんの『詐欺師の勉強』の続き。いったいどんだけかかって読んでんだよ。でも600ページを超えた。あと60ページくらい。 いまの時代において、希望を失わずにいられるのはむずかしい。空気がどんどん希薄になり、窒息しそうである。論理パズルを解く…

わたしという未熟者のおっさんは、ついムカついちゃう

雨。 ペイント弾を撃ち合う、サバイバルゲームの夢を見る。何だそれ。 昧爽起床。二度寝する。ごろごろ。強い雨。大きな亀が川から庭へ上がってきたのに老母が気づく。青いうちに落ちた柿の実を食べていたようで、そうして去っていった。ごろごろ。 あんまり…

肯定の思想 / 大井浩一『大岡信 架橋する詩人』

曇。自分は生きていて無価値無意味であり、孤立化したアトムとしてマスの中に埋没している。まったく何者でもない。誰も自分を一顧だにしない。しかしそのことと、自分が唯一かけがえのない存在であり、一顆の世界そのものであることは何ら矛盾しない。これ…

『ゴヤの手紙(上)』

日曜日。晴。かつて村上春樹が「コミットメントとデタッチメント」ということを言っていたが、このところわたしがずっとやってきているのはデタッチメントなんだなということに気づいた。浅田さんは大昔に「スキゾとパラノ」と仰ったけれど、パラノがコミッ…

中沢新一『アースダイバー 神社編』

曇。夜の間に雨が降ったらしい。 タナトス的な夢。生々しい夢だった。わたしはいまお気楽な生活を送っているが、毎日死へ驀進しているし、わたしの周りの人間もまたそうだ。いつまでもこの生活が続くことはあり得ない。ということだと思う。結局、人生とは常…

こともなし

晴。ごろごろしながら iPad mini でネットを見ている。どいつもこいつも正しいことやまちがったことを言い、脊髄反射し、あるいは啓蒙し、考察説得し、正しい理由で正義としてめちゃくちゃに人を叩いている。どこにも共感できる言葉がない。わたしは、世界か…

「制度設計」の時代

晴。夕方まで、一日中ごろごろだらだら。昨日のターナーの本ではないが、レヴィ=ストロースのいうところの社会は「冷たい」「静的な」もので悪であり、現代社会は「熱い」「動的な」もので善である、ということにどうしてもなっちゃうのだよなあ。ピエール…

言葉によって沈黙する / 『石原吉郎詩文集』

曇。朝、風呂を洗っていたら洗い場のプラスチックの排水口の蓋を踏み抜いてしまった>< ぶっ壊したので、大阪のメーカーの窓口に連絡する。岐阜の事務所はもう生きていなかった。 電話などして、ようやくネットで在庫の最後のひとつを見つけて注文する。疲…

「他者」がいないわたし / 高橋源一郎『「ことば」に殺される前に』

晴。NML で音楽を聴く。■ブラームスの「ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ」 op.24 で、ピアノはカルロ・グランテ(NML)。Complete Variationsアーティスト:Brahms / GranteMusic & Arts ProgramAmazon かかりつけ医。スーパー。■アーロン・アルターの「…

出発点ということ

曇。いまは変な時代だな、もし例えばベートーヴェンの後期ピアノ・ソナタとツンデレルイズを同一のパースペクティブに無理なく素直に収めることが必要な時代だとすれば。わたしは、ようやくそれがどういうことか、わかってきた気がするけれど。これが出発点…

イメージの商品化と深さの陳腐化

曇。種村季弘対談集『天使と怪物』を読み始める。高橋康也さんとのアリスについての対談がすばらしい。つっても、僕はアリスはそんなに好きではないのだが。アリスはやっぱり表層ではなくて、フラット、二次元的だが深層だと思う。というか、キャロルが深層…

キモいって、キモい方が悪いの?

晴。 kamiyakenkyujo.hatenablog.comここ経由で次の増田を見た。 女子大生だけどジジイに告白された(怒) 俺には好きな女と恋する権利すらないのかって? ないよ? あなたは、好意を打ち明けられたら気持ち悪いって、下手したら警察呼ばれるくらいの存在なん…

自分を否定することを肯定して生きる・続

曇。昨日書いたことの続き。 しかし、本当にそうか? わたしは自分に生きる価値がないことをそのまま肯定し得て、安定することができた。これは「自分を否定することを肯定して」いるといえないか。もっとも、安定は一時的なものかも知れないし、いずれにせ…

自分を否定することを肯定して生きる

曇。「人殺しの顔をしていない、人殺し」が、怖くてならない。 | Books&Apps だから、もっと人殺しの顔をしろ - 関内関外日記 やっぱり、もっと人殺しの顔をしろ2021 - 関内関外日記 ここでは様々なレヴェルの議論がごっちゃになって論じられている。「負け…

SF と「理想的ディストピア」

日曜日。曇。わたしは高校生のとき(80年代後半である)、SF が好きだった。古典的な SF はかなり読んでいる筈だし、それらを(ほぼ自由に予算の使えた)高校の図書室に導入してやったという成果をもっている。日本人では、神林長平が好きで、その頃ハヤカワ…