『ゴヤの手紙(上)』

日曜日。晴。

かつて村上春樹が「コミットメントとデタッチメント」ということを言っていたが、このところわたしがずっとやってきているのはデタッチメントなんだなということに気づいた。浅田さんは大昔に「スキゾとパラノ」と仰ったけれど、パラノがコミットメントに当たり、スキゾがデタッチメントに相当する。デタッチメントは解体へのベクトルであり、真の創造はデタッチメントではむずかしい。では、解体ということに意味はあるのか。わたしは大いにあると思う。けれども、解体だけでずっとやっていくのはなかなかにむずかしそうだ。禅などは一定点を超えたらデタッチメントでやっていくようにも見えるけれど、それはわたしの勘違いかも知れない。「脱構築」なんていうのは、いいとこ取りをしようということだな。
 コミットメントは何かを選択するということであり、一種の愚かしさである。ゆえに、『アミエルの日記』(いまではアミエルを知る人は稀だろう)では徹底してコミットが避けられる。その格好のドキュメントになっていたと思う。アミエルは愚かしさを恐れるあまり、生涯何にもコミットをすることがなかったかのようだ。わたしは林達夫さん経由でアミエルを知ったのだが、林さんもどちらかといえばデタッチメントの人だった。浅田さんも、たぶんそうだろう。

昼寝。あんまり長時間昼寝すると罪悪感を覚えるので笑、いいかげんにしておく。

ゴヤの手紙(上)』読了。岩波文庫らしい新刊だな。ふつうの厚さ(350ページほど)のように見えるけれど、これでいまでは税抜き1010円もするのか。もう長い間デフレなのに、文庫本だけはえらく高価になったものだ。

 
NML で音楽を聴く。■バッハのイギリス組曲第六番 BWV811 で、ピアノはヴィルヘルム・バックハウスNML)。

ベートーヴェンのピアノ協奏曲第五番 op.73 で、ピアノはエミール・ギレリス、指揮はジョージ・セルクリーヴランド管弦楽団NMLCD)。これはすばらしい。■フランクのピアノ五重奏曲 ヘ短調で、ピアノはアルフレッド・コルトー、インターナショナル弦楽四重奏団NML)。1927年の古い録音で、状態は何とか聴けるというもの。
Franck/Chausson/Faure

Franck/Chausson/Faure

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シュニトケピアノ三重奏曲で、演奏はアダストラ・ピアノ三重奏団(NML)。 
夜。
ゆるキャン△』第4話まで見る。