2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧
曇。 高木仁三郎『市民科学者として生きる』読了。今回の原発災害に対して積極的に情報を出し、大きな影響を与えている「原子力資料情報室」は、著者によって発展させられたものである。読むだけで世界の見方が変ってくるような本だ。著者がいま生きておられ…
曇。昨晩は早く寝てしまったので、朝四時に起きる。 プール。アピタとその本屋。 ウルリヒ・ベック『危険社会』読了。危険社会―新しい近代への道 (叢書・ウニベルシタス)作者: ウルリヒベック,Ulrich Beck,東廉,伊藤美登里出版社/メーカー: 法政大学出版局発…
日曜日。雨。台風。 中野剛志『TPP亡国論』読了。TPPが徹頭徹尾アメリカの利益を貫徹するためのものであり、参加は論外というのはその通りだと思う。しかし、本書は経済学的な知見において、素人には納得できない点も少なくない。例えば、安い農産物の…
雨。 サミュエル・ジョンソン『幸福の探求』読了。副題「アビシニアの王子ラセラスの物語」であるが、もとはこれが原題。『カンディード』と比べたら、それはやはりヴォルテールの方が才気煥発に思える。ちょっとぬるい。でも、朱牟田夏雄氏の翻訳は、さすが…
曇時々雨。 『ニーベルンゲンの歌(後編)』読了。こんな悲惨な話だったとは。ニーベルンゲンの歌 後編 (ちくま文庫)作者: 石川栄作出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2011/04/08メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (9件) を見る雑誌「大阪…
曇。 散髪。 『ニーベルンゲンの歌(前編)』読了。石川栄作による新訳。岩波文庫版とは原典のエディションが異なるとのこと。ニーベルンゲンの歌 前編 (ちくま文庫)作者: 石川栄作出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2011/04/08メディア: 単行本 クリック: 2…
晴。 田中秀臣と上念司の共著『震災恐慌!』読了。副題「経済無策で恐慌が来る!」。従来のリフレ派の主張に加え、震災後の経済政策への提言を行っている。だから、主張の半分は目新しくはない(といっても、昭和初期との比較などは、自分には新鮮だった)か…
晴。 R・ブローティガンの詩集『チャイナタウンからの葉書』読了。池澤夏樹訳。これはいい。原詩も収録。チャイナタウンからの葉書 (ちくま文庫)作者: リチャード・ブローティガン,池澤夏樹出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2011/05/12メディア: 単行本 ク…
雨。 プール。アピタとその本屋。 原武史『鉄道ひとつばなし』読了。宮脇俊三を読んで鉄道が好きになった自分としては、いつかは読まねばならないと思っていた本である。世評とこちらの期待に違わず、何とも楽しい本だった。しかし、著者はすぐれた政治思想…
日曜日。昼前驟雨。曇。 J・L・ボルヘス『七つの夜』読了。日録に書く。みすず書房の本でも、文庫化があるのだな。七つの夜 (岩波文庫)作者: J.L.ボルヘス,野谷文昭出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2011/05/18メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 9回こ…
ポリーニの一九九九年録音のショパン、バラード第一番を聴く。ポリーニというピアニストを評価するのはむずかしい。録音を聴く限りでは、ポリーニの演奏スタイルには、二度の切断点があるように思える。ひとつは七〇年代と八〇年代の間であり、もうひとつは…
晴。 小坂井敏晶『増補 民族という虚構』読了。本書は名著と云ってよいだろう。「民族」は虚構であるが、虚構であることが重要である、という問題意識から、認知科学や認識論までが援用される、きわめて緻密でクリアな論述が展開される。認知論などは、それ…
晴。暑くなってきた。 いやあ、今日の中日ドラゴンズ(対西武戦)の試合はすごかった。九回表に五点差をひっくり返すとは。これまで十三打数ノーヒットだった佐伯が、決勝打を含む四安打。横浜を戦力外になってやってきたベテランは、ヒーローインタヴューで…
晴。 合田正人『吉本隆明と柄谷行人』読了。分ったような分らないような。第三章に関してだが、本書のように衒学的な理系用語の比喩で語るとすれば、シニフィエは微分構造=多様体であり、シニフィアンは接線=ファイバー・バンドルだと自分は思うのだけれど…
晴。 久しぶりに、自由書房EX高島屋店。 宮沢賢治『インドラの網』読了。初めて読んだ作が多かった。インドラの網 (角川文庫)作者: 宮沢賢治出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1996/04メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (7件) を見る
曇。 大垣。BOOK OFF岐南インター店。最近「ブ」は不漁つづき。 荻上チキ『セックスメディア30年史』読了。荻上チキの新書なので、とりあえず買った。四十代までくらいの男性なら、相当面白く読めるのではないか。きちんとメディア論をやった人がこういうこ…
曇。 午前中にプール。愛岐大橋近くのラーメン「やまと」にて昼食。醤油チャーシュー麺+小ライス。取り立てて変ったラーメンではないが、バランスが取れていてとても美味しい。スープは鰹ダシが利いている。飽きがこないような感じ。 万代書店に寄る。 # …
日曜日。晴。 カルコス。 大江健三郎『個人的な体験』読了。佐々木中が言っている通り、ノーベル賞作家であるにもかかわらず、大江は日本では過小評価されていると思う。というより、読まれていない。「純文学」というのは我が国独特の用語だが、これほど純…
晴。 フレドリック・ジェイムソン『政治的無意識』読了。政治的無意識 社会的象徴行為としての物語 (平凡社ライブラリー)作者: フレドリック・ジェイムソン,大橋洋一,木村茂雄,太田耕人出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2010/04/10メディア: 単行本(ソフトカ…
晴。寝不足。 妹にもらった、けらえいこ『あたしンち 16巻』を読む。これ面白いね。あたしンち 16作者: けらえいこ出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー発売日: 2010/10/29メディア: コミック購入: 2人 クリック: 27回この商品を含むブログ (30件…
雨。 『荘子 第四冊』読了。完結。荘子 第4冊 雑篇 (岩波文庫 青 206-4)作者: 荘子,金谷治出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1983/02/16メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 8回この商品を含むブログ (6件) を見る藤沢周『愛人』読了。自分とはまったく違うけ…
雨。 『荘子 第三冊』読了。解説に拠れば、荘周が死んだのは紀元前三世紀の初めらしく、未だ仏教は中国に入ってきていない。仏典が漢訳される折、一部の語が「荘子」の思想から採られているという。また、「荘子」がとりわけ禅に近いのは、明らかである。「…
まとまった雨。 『荘子 第二冊』読了。外篇。孔子の全否定など、内篇に比べて過激であり、より自由を強調するが、却って自由を失っているようでもある。仏教で、意識の変容状態に固執することを、これも幻想に囚われているとして否定するのに似ているか。し…
曇。 大澤真幸『量子の社会哲学』読了。日録に書く。本書とはあまり関係ないかも知れないが、ちょっと量子統計を勉強しないといけないなと思う。量子の社会哲学 革命は過去を救うと猫が言う作者: 大澤真幸出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/10/08メディア…
日曜日。晴。 カルコス。 「すばる」6月号を買う。中沢新一の「日本の大転換(上)」が読みたかった。原発以前のエネルギーは、すべて電子の「媒介」による化学反応であるが、原子核反応は「無媒介」に原子核のエネルギーを取り出す。その意味でも、太陽圏…
曇。 佐々木力『科学技術と現代政治』読了。ちょっと古い本だが、左翼的な科学史家の立場から反原発を唱えている。自慢話も多いけれども、それはまあ愛嬌だ。著者は己をトロツキストと規定しており、それが現代においてどれほどの意味があるか、ということで…
晴。 川上弘美のエッセー集『ゆっくりさよならをとなえる』読了。それにしてもよく飲みますね。ゆっくりさよならをとなえる (新潮文庫)作者: 川上弘美出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2004/11/28メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 12回この商品を含むブログ…
休日。爽やかでいい天気。子供らが遊ぶのに丁度いい。 カルヴィーノ『アメリカ講義』読了。副題は「新たな千年紀のための六つのメモ」で、著者はこれからの文学に必要なものとして、「軽さ」「速さ」「正確さ」「視覚性」「多様性」の五つ(もう一つは書かれ…
休日。晴。 味噌ラーメン「麺屋壱正」にて昼食。 吉本隆明『源氏物語論』読了。源氏物語論 (ちくま学芸文庫)作者: 吉本隆明出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1992/06メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る# 寝る前に、井筒俊彦を読む。神秘主義…
休日。曇。 妹一家来訪。五日まで。 『柳宗悦コレクション3 こころ』読了。はからいのない、自由なのが美というのはわかるが、それにしても美醜美醜とうるさすぎるようにも思える。あまり美醜にこだわりすぎるのは、却って自由ではないと言ったら、叱られる…