2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧

岡本隆司『近代中国史』

晴。 このところ朝が早いので眠い。 # 岡本隆司『近代中国史』読了。経済史の知見を基にした、近代中国史である。先駆的な業績として、宮崎市定の著作は素人も目を通していたが、それとは比較にならないほど、記述のピントがシャープになっている。実際自分…

こともなし

晴。 今の子供たちの荒んだ会話を聞いていると、こっちまでダラーッとした気分になってくる。つい、こちらまで疲れたとか口にしやすくなる。言葉が軽い。子供たちは軽い気持ちで、たぶん表面だけのつもりでバカとか死ねとかお前かわいそうな人間とか言い合っ…

阿部和重『ピストルズ(下)』/谷崎潤一郎『人魚の嘆き・魔術師』

雨。 今日から暫くの間、早朝出勤。 # 阿部和重『ピストルズ(下)』読了。長大な小説なのだが、特にこれといったクライマックスはないように思う。まあ云ってみれば、本巻はずっとテンションが高いから、ことさらの盛り上げは必要ないかも知れない。――しか…

阿部和重『ピストルズ(上)』

日曜日。晴。 音楽を聴く。■R・シュトラウス:英雄の生涯op.40(カラヤン1959)。じつに面白い。カラヤンが大変な実力者なのは明らか。大胆かつ細部まで精緻。■ベートーヴェン:ミサ・ソレムニスop.123(カラヤン1966)。この曲を聴くのは初めて。最初の方…

吉田光邦『日本の職人』

晴。 吉田光邦『日本の職人』読了。五〇年代と七〇年代に、いわゆる「伝統工芸」に携わる、当時の職人たちをレポートしたもの。いずれも職人たちの手仕事の素晴らしさと、職人の衰退を記述している点では同じだが、五〇年代においては後継者不足が深刻である…

こともなし

曇。ウチは蝉時雨がすごいけど、周りはそうでもない。お宮さん(村の神社)はそうかな。夜、雷雨。 皮膚科。 # 受動性と能動性の中間地点。朗らかさみたいなのは、そこから生まれてくるのかも。総合的にみると、受け身なのだが。というか、状況という流れに…

レイモンド・スマリヤン『哲学ファンタジー』/岡崎武志『昭和三十年代の匂い』

晴。驟雨。 音楽を聴く。■モーツァルト:ピアノ・ソナタ第六番K.284(ピリス新盤)。 散髪。 # レイモンド・スマリヤン『哲学ファンタジー』読了。高橋昌一郎訳。本書は哲学で遊んでみせる本として面白いし、著者は相当な哲学者(論理学者)らしいが、その…

『中井正一評論集』

雨のち曇。 『中井正一評論集』読了。どうでもいいことかも知れないが、この人はどういう人なのだろう。哲学者。評論家。形容するに、どうもしっくりくる言葉がない。西洋哲学に深く通じていることはわかる。そのせいか、ギリシア語やラテン語のタームが頻出…

ハイデガー『存在と時間(二)』

晴。 大垣。BOOK OFF大垣バイパス店。 ようやく感覚が少しずつ戻ってきた感じ。 # ハイデガー『存在と時間(二)』読了。「覆いをはずす」こととしての真理。存在と時間(二) (岩波文庫)作者: ハイデガー,熊野純彦出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2013/06/…

こともなし

晴。 どうも今ダメだな。ハイデガーを読む。

赤坂憲雄『柳田国男を読む』

日曜日。晴。 午前中、参議院選挙の投票。午後からは昼寝が寝過ぎ。別に疲れているわけではないと思うが。 赤坂憲雄『柳田国男を読む』読了。柳田国男自体をあまり読んでいないのだよなあ。角川文庫で復刊されたのでも読むか。赤坂さんの文章は、どこか屈折…

吉本隆明『開店休業』/ホッケ『マグナ・グラエキア』

晴。 図書館から借りてきた、吉本隆明、ハルノ宵子『開店休業』読了。吉本隆明最晩年の、食に関するエッセイ集。これはその頃の吉本氏に多かった、聞き書きという形のものではなく、書かれたものであるという。全篇に、吉本氏長女のハルノ宵子氏によるコメン…

片岡義男『星の数ほど』

晴。久しぶりに空気がさらっとしている。 片岡義男『星の数ほど』読了。短篇集。片岡義男は初めて読む。僕が中高生くらいだった頃、片岡義男は角川文庫に大量に入って、ある短篇は映画にもなった。じつは二本立てか何かの一本で、それを見た記憶があるのだが…

豊田市美術館の「フランシス・ベーコン展」/山下達郎POPS講座「魔法をおしえて」

朝方、雨。 豊田市美術館へ「フランシス・ベーコン展」を観に行く。JR那加駅8:31から名古屋で乗り換え、中央本線へ。ここで、名古屋から高蔵寺経由で愛知環状鉄道に入り、岡崎まで直通という、不思議な列車に乗る。愛知環状鉄道は初めて。乗客は大学生らしき…

駒村康平『大貧困社会』/島田雅彦『彼岸先生の寝室哲学』

曇。 駒村康平『大貧困社会』読了。本書でも、日本が既に貧困大国であることが実証されている。本書では格差社会にも触れ、格差問題よりは貧困問題を優先すべきであると主張されている。これは確かにそうあるべきだろうが、実際問題として、格差問題に対応す…

こともなし

晴。 休脳日。 ちょっとブレていますが、月下美人です。 # 最近(ネットでもリアルでも)すぐ「死ね」っていうよね。言葉が軽いです。冗談で言っていても、言葉は現実化する傾向があるのに。人間にとって、言葉は本質的だということがなかなかわかられてい…

吉田伸夫『明解 量子宇宙論入門』

休日。晴。多少涼しい。 吉田伸夫『明解 量子宇宙論入門』読了。自分のように、専門的な素養はないものの物理が好きな人間には、著者の書く本はまことに面白い。本書も、学部学生程度の予備知識で、最先端の宇宙論の世界を垣間見せてくれる。例えば、宇宙論…

佐伯啓思『貨幣と欲望』/高山宏『目の中の劇場』

日曜日。曇。 カルコス。知らぬ間に、平凡社ライブラリーから種村季弘訳のホッケ『マグナ・グラエキア』が出ていた。このレーベルからは時々信じられないような本が出る。 # 佐伯啓思『貨幣と欲望』読了。「分裂症」と連呼されてうるさいことである。そもそ…

森永卓郎『庶民は知らないアベノリスクの真実』

曇。 音楽を聴く。■モーツァルト:ピアノ協奏曲第二十四番(ポリーニ)。 図書館。予約していた本を受け取る。 # 森永卓郎『庶民は知らないアベノリスクの真実』読了。どう書こうか迷う。まず、森永さんは長年のリフレ派である。本書でも、このことはまった…

土屋恵一郎『世阿弥の言葉』

晴。 土屋恵一郎『世阿弥の言葉』読了。世阿弥の言葉を現代人へのアドバイスとする、一種のビジネス本である。これは皮肉ではなくて、著者自身がそう云っているのだ。著者の専攻は法哲学で、ベンサムについての一著はじつにユニークなものだった。能にもとて…

映画「電車男」を観る/ケネス・B・パイル『欧化と国粋』/東浩紀編『チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド』

晴。 カルコス。森永卓郎さんの新書新刊を買いに行ったのだが、置いてなかった。平積みされているくらいかと思っていたのだが。仕方がない、またネットで買うしかない。出来るだけ地元の本屋で買おうと思っているのですがねえ。 # 今更ですが、偶々かの映画…

佐々木俊尚『レイヤー化する世界』

晴。 ラーメン「麺丸」にて昼食。まぜそば700円。開店とほぼ同時に行ったのだが、中は既に満員。その内待つ人も出始めた。注文してから品が出てくるまで50分くらい掛かったが、文句はまったくない。人気店になったなあ。今度は冷やしつけ麺にしよう。 # 佐…

久生十蘭『十蘭ラスト傑作選』

猛暑。アスファルトの上など、40℃だし。 久生十蘭『十蘭ラスト傑作選』読了。河出文庫の十蘭短篇コレクションも、この七冊目で完結。よくぞ出してくれました。快挙だな。本書のクオリティもまったく落ちることがない。処女作といわれる「蠶」が収録されてい…

エルンスト・ブロッホ『この時代の遺産』

晴。暑い。37℃超。今からこんなに暑くてどうなるのか。 音楽を聴く。■フォーレ:ピアノ五重奏曲第二番(エベーヌQ、アンゲリッシュ)。前にも書いたが、ピアノの音が汚い。出だしにこれではガッカリする。好きな曲であることは再確認。特に第三楽章の、後期…

こともなし

日曜日。晴のち曇。溽暑堪え難し。 カルコス。何となく怏々として楽しまない。読むつもりではあったのだが、分厚かったりして手に取っていなかった本も、読もうと思う。どうも、読みやすい本ばかり読んでいて、そのせいかどうか、気分が暗かったのは阿呆だっ…

鎌田道隆『お伊勢参り』

雨。 鎌田道隆『お伊勢参り』読了。江戸時代のお伊勢参りについての本。江戸時代にお伊勢参りは盛んだったが、庶民があまり金も持たずに、沿道の人々の支援を得て参ってしまうのには驚かされる。もっともこれは稀なことではなく、明治になってからでも庶民が…

こともなし

曇。溽暑。 脳みそ休養日。意図的にダラダラする。仕事だけ。 ニヒリズムの種子を潰していくということは、果して可能なのだろうか。虚無って何だろう。贅沢病か。我々は、自分らの生命力を底なしに吸い取っていく存在と、どのように付き合っていったらよい…

規制緩和について

上の本(『(株)貧困大国アメリカ』)を読んで一つ課題ができた。規制緩和についてである。規制緩和はマーケットに競争をもたらし、物の価格を下げて消費者の得になる、という議論がある。自分はそれは正しいと思っていたし、それ自体では今でもそう思ってい…

堤未果『(株)貧困大国アメリカ』

雨。 音楽を聴く。■ショパン:マズルカop.50, op.56, op.59(ルイサダ旧盤)。 イオンと図書館。図書館はありがたい存在なのだが、まだまだ不満も多い。自分としては、最近の話題の本よりも、最小限度のあるべき本を入れて欲しいのだが、田舎の図書館では無…

國分功一郎『ドゥルーズの哲学原理』/岡崎武志『読書の腕前』

雨。 「エスのあるところに自我をあらしめよ」という精神分析的な定言命法があるが、これはまさしくその通りである。そうでなくては、空疎なことを語ることになる。しかしこの時の「エス」は、仮に「無意識」だと翻訳すれば、それは相当に「浅い無意識」であ…