読書メモ

山本義隆『世界の見方の転換2』

曇。 音楽を聴く。■サン=サーンス:ピアノ三重奏曲第二番op.92(フロレスタン・トリオ、参照)。サン=サーンスは大したことないと云われそうであるが、僕は結構いいと思う。ちょっとフォーレっぽい感じ。巨匠たちが切り開いた道を、素直に歩んでいると云う…

中沢新一『緑の資本論』再読

曇。 うどん「恵那」にて昼食。 # 中沢新一『緑の資本論』を読み返す。表題作は「イスラームのために」とあるが、半分以上は西洋資本主義論。「モノとの同盟」からメモしておく。 こんにちの世界で、物質的な増殖はいたるところで、おそるべき速度と量をも…

澁澤訳の『荘子』知北遊篇からの断片

澁澤龍彦編の『オブジェを求めて』を読み返していたところ、『荘子』知北遊篇第二十二からの断章が格好良く引用されていたので、ここに録しておく。澁澤自身の訳と思しい。 東郭子が荘子にたずねて、「いわゆる道とはどこにあるものですか」と。荘子が答えて…

原発災害に関する山形浩生の記事に対する、ツイッター上における矢作俊彦の反論

原発災害に関する山形浩生の記事(参照)に対する、ツイッター上における矢作俊彦の反論(ここ以下):

ディラック『量子力学』メモ(4)

(前回)さて、量子力学のいちばん基本的な式は、一次演算子の「固有値問題」の方程式である。すなわち =a|P>">

ディラック『量子力学』メモ(3)

(前回)前に、一次演算子の「固有値問題」として物理的な量が決定されると述べたが、これも先走って云っておけば、そのとき、力学変数はじつは実数でなければならない。なので、実数の力学変数に対応する、一次演算子の条件を調べておこう。

佐藤肇『位相幾何』

晴。地面が霜で真っ白。 佐藤肇『位相幾何』にざっと目を通す。薄っぺらいが中身の濃そうな本。位相幾何作者: 佐藤肇出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2006/02/21メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る 位相空間論に必要な用語 位相幾何の本に…

安藤礼二『たそがれの国』/幸田露伴『天うつ浪 後篇』

曇。 安藤礼二『たそがれの国』読了。たそがれの国作者: 安藤礼二出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2010/09メディア: 単行本 クリック: 8回この商品を含むブログ (3件) を見る幸田露伴『天うつ浪 後篇』読了。未完。日露戦争が始まって露伴は、こうした閑文…

ディラック『量子力学』メモ(2)

(前回) ブラ・ベクトルとケット・ベクトルを導入しただけでは、何も始まらない。これに加えて、「一次演算子」が導入される。これもまた、天下り式であり、いまだ抽象的なものである。

ディラック『量子力学』メモ(1)

著名なディラックの教科書『量子力学』を、大学に入りたての学生のように読んでみるつもりである。そのための、ほんのメモを記すことにする。飽くまでも自分勝手なメモであり、これを読んでも量子力学がわかるようにはならない。また、この一回で止めるかも…

ヴェーユの哲学講義/中西進『日本人の忘れもの1』

日曜日。晴。 シモーヌ・ヴェーユ『ヴェーユの哲学講義』読了。「パスカルが深く感じとったように、『時間は存在が無であるという感情をうみだす源泉』です。人間に考えることをこれほどまでに恐れさせているのは、時間が逃れさるものだという事実です。『気…

オットー『聖なるもの』/北村薫『自分だけの一冊』

晴。 プールへ行ったら、またしても休みだった。今度は臨時修理。まぬけ。アピタ。 # オットー『聖なるもの』読了。新訳。本書の底流には、キリスト教こそ宗教の最高形態だという発想がある。このことは訳者も指摘している。 本書の根本的なねらいとは、諸…

鹿島茂『吉本隆明1968』

曇。 「恵那」で昼食。 鹿島茂『吉本隆明1968』(isbn:9784582854596)読了。日録に書く。書かなかったことで、ちょっと気になるところがあったので、引用しておく。 現在、日本のアカデミズムでは、学生確保のために、研究領域を、日本の漫画、アニメ、映画…

宮台真司『日本の難点』

宮台真司『日本の難点』(isbn:9784344981218)読了。宮台さんは愛国者で憂国者だなあ。 「そこ[ソーシャル・デザインしていかなければならないこと]には、重大な問題があります。それは『社会設計は基本的に人の手に余る』ということです。『カテゴリーの分…

河合隼雄『中年クライシス』

河合隼雄『中年クライシス』(isbn:4022641134)読了。 「ユングはこのような人々に会い、また自分自身の体験をも踏まえ、中年において、人間は大切な人生の転換点を経験すると考えるようになった。彼は人生を前半と後半に分け、人生の前半が自我を確立し、…

池澤夏樹

池澤夏樹『南鳥島特別航路』(isbn:4101318123)読了。日本列島の自然を訪ねて、普通ではちょっと行きにくいようなところへ行っている旅の記録。ここ暫く枕頭の書としていたもので、自然の香りが漂ってくるような本だ。本の題名にもなっている「南鳥島特別航…

戦国仏教

湯浅治久『戦国仏教』(isbn:9784121019837)読了。 「…戦前から戦後を通じて、ごく常識的に唱えられてきたこうした鎌倉仏教観は、現在、大きな修正を迫られている。それは古代以来の八宗(いわゆる南都六宗と天台・真言宗を指す)を中心とする顕密仏教こそ…