2010-01-01から1年間の記事一覧

ジャン・ジュネ『女中たち/バルコン』/『フロッシー』/グノーの交響曲

この冬初めての、本格的な雪。昼前には止む。 ジャン・ジュネ『女中たち/バルコン』読了。待望の文庫化。訳注・年譜等、きわめて充実している。この頃、渡辺守章による翻訳がどんどん文庫で出ているのは素晴しい。 で、本書を読んだら疲労困憊してしまった。…

田辺元『哲学の根本問題/数理の歴史主義展開』/大澤真幸『生きるための自由論』

ぽつぽつと雨。 朝九時の開店直後にイオン。既に大変な人出で驚く。 カルコス。ここにも『高木貞治』なし。岩波新書の新刊が、かくも手に入らないとは。田舎だなあ。それとも大人気で売り切れたとか。希望的観測。 雨の中に椋鳥二羽。昼過ぎから霙。 # 田辺…

仕事納め

雨。 今日でようやく仕事納め。しんどい一週間だった。仕事場を掃除して帰る。 ここ何日か睡眠時間が足りなかったので、今日は早く寝よう。

加藤文元『ガロア』

霜。曇時々晴。真夜中、強い雨。 加藤文元『ガロア』読了。ちょっと腹の立つことがあったけれど、面白い本はすべてを許してしまう。日録に書く。ガロア―天才数学者の生涯 (中公新書)作者: 加藤文元出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2010/12/01メディア:…

与えられた2直線の間の距離について(主に3次元以上の場合)

ポータル・サイトの質問箱に、3次元(以上)の場合の「2直線間の(最短)距離」を聞いたものがしばしばあるので、前から気になっていた。3次元というのは、2次元ではこの問題は自明(交わるか平行しかない)だからで、3次元の場合は一般に、2直線はねじれて…

「都条例」とファシズム

東京の話だからあまり気にしていなかったのだが、ツイッターやブログを見ていると、例の「都条例」の可決で、出版界はそうとう混乱しているようだ。少女漫画などでも、ちょっと未成年の「性行為」が描いているだけで、単行本にできないといった対応になって…

絲山秋子『沖で待つ』

朝、霜で畑が真っ白。曇。 絲山秋子『沖で待つ』読了。すばらしい。日録に書く。沖で待つ (文春文庫)作者: 絲山秋子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2009/02/01メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 16回この商品を含むブログ (59件) を見る

上林暁『聖ヨハネ病院にて/大懺悔』/佐々木中『切りとれ、あの祈る手を』

日曜日。薄雲広がる。 仕事の空き時間に、上林暁『聖ヨハネ病院にて/大懺悔』読了。半分ほどは既読だった。私小説はあまり読んだことはないが、なんとも侘しくて貧乏くさい話が多いけれども、独特の世界を創っていることは認めねばならない。ブログで自分の…

西洋中世綺譚集成『妖精メリュジーヌ物語』

曇。結氷。雪がちらちら。 一日中仕事のクリスマス。途中、一時間ほど時間ができたので、久しぶりの自由書房EX高島屋店。さすがに今日は、高島屋も人でいっぱいだ。しかし、自由書房は岩波新書の新刊『高木貞治』がなかったし、思想地図βがなかったし、百年…

『ベンヤミン・コレクション5』

晴。時雨。 『ベンヤミン・コレクション5』読了。ベンヤミン・コレクション〈5〉 思考のスペクトル (ちくま学芸文庫)作者: ヴァルターベンヤミン,浅井健二郎,土合文夫,久保哲司,岡本和子出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2010/12/10メディア: 文庫購入: 3…

鷲田清一『悲鳴をあげる身体』

曇。 休日だが朝から仕事。とりあえず早く起きたので、リヒテルの弾くショパンをNCヘッドホンで聴きながら、ネットのチェックなど。Beethoven: Andante / Chopin: Op.34,31,60 / Debussyアーティスト: Sviatoslav Richter出版社/メーカー: Orfeo D'or発売日:…

大手証券会社の詐欺寸前の営業を実体験しましたよ

某大手証券会社の営業(若い女だった)が金融商品の売り込みに来て、母が同席してくれというので、一緒に話を聞く。投資資金の1%乃至2%が毎月配当されるとのこと。最低でも年10%ということではないか。複雑高度に開発された優れた商品で、決してハイ・リ…

松浦寿輝詩集

冬至。晴。 現代詩文庫の『松浦寿輝詩集』読了。松浦寿輝詩集 (現代詩文庫)作者: 松浦寿輝出版社/メーカー: 思潮社発売日: 1992/04メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (10件) を見る

青山七恵『窓の灯』

曇。寒い。夜雨。 朝から、下の一般相対性理論についてのエントリーをしこしこ書く。昨晩は物理書にハマッていて、夜更しだった。『趣味で相対論』が面白いのだもの。 青山七恵『窓の灯(あかり)』読了。表題作も、芥川賞を取った『ひとり日和』も性格の悪…

一般相対性理論を学んでみる

広江克彦の『趣味で相対論』とディラックの『一般相対性理論』を精読する。かたや泥臭いまでに丁寧であり、かたや最小限度にシンプルと、対照的な両者だが、それゆえに併読すると効果的だ。 さて、一般相対性理論というのは、究極的には二つの方程式に帰着す…

『のだめカンタービレ 25巻』/竹内淳『高校数学でわかる線形代数』

曇。 プール。アピタ。 二ノ宮知子『のだめカンタービレ 25巻』読了。これでシリーズ完結だそうです。これまで楽しかったな。読んでいて音楽が聴きたくなったことが何度あったか。CDも何枚か買いました(エルガーのヴァイオリン・ソナタなど、収穫でした)。…

ヘーゲル『小論理学(下)』/ドゥルーズ編著『哲学の教科書』/一松信『数のエッセイ』及び三角形の面積について

日曜日。霜。晴。 カルコス。 夜、NHKで「坂の上の雲」。ああ、来週は戦争か。戦争は嫌だなあ。 # ヘーゲル『小論理学(下)』読了。小論理学 下 (岩波文庫 青 629-2)作者: ヘーゲル,松村一人出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1978/09メディア: 文庫購入: …

川端康成『千羽鶴』/J・シャルダン『ペルシア見聞記』

雨のち晴。 長いこと在った松が枯れたので、植木屋に来てもらう。伯母に関係のある樹だった。 川端康成『千羽鶴』読了。淡々ときれいな文章ではあるが、実は愛欲の縺れた世界だけを描いている。とんでもないノーベル賞作家だ。ラストはどういうことだったの…

ヘーゲル『小論理学(上)』/河合隼雄、吉本ばなな『なるほどの対話』

曇。 「恵那」にて昼食。天麩羅蕎麦1100円。暖まった。 ヘーゲル『小論理学(上)』読了。小論理学 上 (岩波文庫 青 629-1)作者: ヘーゲル,松村一人出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1978/09メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (6件) を見る…

アラン『プラトンに関する十一章』/保坂和志『プレーンソング』

曇。暖かかった今年の秋から初冬にかけてだが、さすがに冷えてきた。 アラン『プラトンに関する十一章』読了。プラトンに関する十一章 (ちくま学芸文庫)作者: アラン,森進一出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2010/12/10メディア: 文庫 クリック: 1回この商…

田辺元『懺悔道としての哲学』/川北稔『イギリス近代史講義』

曇。夜寒い。 田辺元『懺悔道としての哲学』読了。難解だが、刺激的だった。吉本隆明や、この田辺元といった人が、親鸞に深く打たれているというのは興味深い。自分の家はたまたま浄土真宗なのだが、そこの坊主を見ていると、浄土真宗というのは親鸞の精神と…

小林章夫『エロティックな大英帝国』

晴。午前中でも車の中は暑い。 大垣。この頃、車でひとりで遠出するとき、よくバッハの平均律を聴いている。今日はグルダのディスクだ。 BOOK OFF岐阜うさ店。11冊。 # 小林章夫『エロティックな大英帝国』読了。イギリス・ヴィクトリア朝時代を生きた紳士…

安永祖堂『笑う禅僧』/『澁澤龍彦 ドラコニア・ワールド』

曇のち雨。 プール。アピタとその本屋。「レコード芸術」誌の吉田秀和さんの連載を立ち読み。 安永祖堂『笑う禅僧』読了。大変な書。日録に書く。笑う禅僧─ 「公案」と悟り (講談社現代新書)作者: 安永祖堂出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/11/18メディ…

マッケン『白魔』/増田義郎『黄金の世界史』

日曜日。晴。 久しぶりにカルコス。10冊。やはり、ポプラ社の「百年文庫」は置いてない。「新潮」1月号の、坂本龍一と大竹伸朗の対談を立ち読み。篠山紀信などもそうだが、こういう人たちを超える若い才能が出てきていないなあ。 夜、NHKで「坂の上の雲」。…

ジョン・ロック『統治二論』

晴。時雨。 ジョン・ロック『統治二論』読了。古典中の古典の新訳文庫版。加藤節の訳文は読みやすい。完訳 統治二論 (岩波文庫)作者: ジョン・ロック,加藤節出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2010/11/17メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 102回この商品を…

川上弘美『あるようなないような』

霜。晴。 川上弘美『あるようなないような』読了。エッセイ集なのだが、創作と同じく、現実と異界が通底している。「こちら側」と「あちら側」との間の閾が低いのだ。こういうのを「才能」という。あるようなないような (中公文庫)作者: 川上弘美出版社/メー…

スダーン指揮のシューマン/ロゲルギスト『新 物理の散歩道(4)』/マリオ・リヴィオ『黄金比はすべてを美しくするか?』

晴。さすがに朝は寒くなってきた。昼から時雨。 皮膚科。 # ユベール・スダーン指揮、東京交響楽団のシューマン交響曲全集のCDが届いた。マーラーがオーケストレーションに手を入れたエディションで、マーラー版は以前から聴いてみたかったのだ。とりあえず…

青山七恵『ひとり日和』

晴。 青山七恵『ひとり日和』読了。二十歳の女性の日常を、細かい心理描写で坦々と描いたもの。たぶん、センスのよい小説なのだろう。主人公の女の性格はあまりよくもないと感じるが、そういうことは文学とは関係ないのかな。ひとり日和作者: 青山七恵出版社…

ヘーゲル『精神の現象学(下)』/プリーモ・レーヴィ『天使の蝶』/三浦展『下流社会 第2章』

曇。 ヘーゲル『精神の現象学(下)』読了。金子武蔵訳。精神の現象学 下作者: G.W.F.ヘーゲル,Georg Wilhelm Friedrich Hegel,金子武蔵出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2002/11/08メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見るプリーモ・レーヴィ『…

吉田健一『続 酒 肴 酒』/E.W.サイード『戦争とプロパガンダ2』

晴。今年の冬は本当に暖かい。車の中は暑いくらい。 プール。イオン。 吉田健一『続 酒 肴 酒』読了。続 酒肴酒 (光文社文庫)作者: 吉田健一出版社/メーカー: 光文社発売日: 1985/06/20メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見るE.W.サイード『戦争と…