こともなし

晴。

ごろごろしながら iPad mini でネットを見ている。どいつもこいつも正しいことやまちがったことを言い、脊髄反射し、あるいは啓蒙し、考察説得し、正しい理由で正義としてめちゃくちゃに人を叩いている。どこにも共感できる言葉がない。わたしは、世界から切り離されてしまったかのようだ。すべてが他者だ、そしてそれはよいことだと知性はいうのだろう。お前も同じ穴の狢とでもいうのだろう。特に意味はないんだけれど、さよなら世界と、言ってみる。

37℃の夏。
珈琲工房ひぐち北一色店。いつもの店でコーヒーでも飲めるだけ、わたしはまだ幸せだ。
川端康雄『増補 オーウェルマザー・グース』を読み始める。政治的にのみ読まれてきたオーウェルを、文学的効果も含めて読み直す試みということか。川端さんのことはよく知らないが、日本の優れたオーウェリアンらしい。そのお仕事には恩恵を被っている。『一九八四年』は細部はもう忘れてしまった。新訳があるようだから、読み直してみるか。

肉屋。

NML で音楽を聴く。■バッハの半音階的幻想曲とフーガ BWV903 で、チェンバロスコット・ロスNMLCD)。■バッハのトッカータ ホ短調 BWV914、ニ短調 BWV913 で、チェンバロはピーター・ディルクセン(NML)。

 
育てているミニトマト。ほとんど最後のもので、大量に穫れた。すべて完熟で、宝石のよう。
20210719194151

夜。
暗闇の中のBGM。グリモーの弾くバッハ作品集コヴァセヴィチの弾く「告別」ソナタアラウの弾くK.310