2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

北島万次『秀吉の朝鮮侵略と民衆』

晴。 買い物に行ったり、父がパソコンを買い換えたのでインターネットやメールの設定をやらされたりで、午前中が潰れる。 北島万次『秀吉の朝鮮侵略と民衆』読了。読んで損はない本である。自分はこのあたりの歴史研究の実情はまったく知らないが、相当多角…

大江健三郎『いかに木を殺すか』

晴。 大江健三郎『いかに木を殺すか』読了。相変わらず大江健三郎はエロい。本書に自分で書いているが、外国では「性と暴力」の作家として捉えられているとか。それが日本人らしく、じつに貧乏臭い印象を与えられるようなものだ。それから、出身地の四国の山…

泉鏡花『おばけずき』/石牟礼道子『苦海浄土』

晴。 プール。 各務原市では午後五時になると、防災無線でドヴォルザークの「家路」を大音量で流すのだが、いつもこれには閉口させられる。まあ、あんなものを気にするこちらが異常扱いされるに決っているので云わないが、あの人工音と云い、自分は野蛮な風…

『阿含経典3』/陸羽『茶経』

日曜日。雨。 『阿含経典3』読了。増谷文雄編訳。ブッダ入滅の様子を描いた経典を含む。大乗仏典の記述とはだいぶちがう。阿含経典の方が年代的には古いわけだが。阿含経典〈3〉中量の経典群/長量の経典群/大いなる死/五百人の結集 (ちくま学芸文庫)作者: …

山下達郎『OPUS』Disc1

買ったまましばらく放置してあった山下達郎の『OPUS』であるが、やっと Disc1を聴いてみた。感傷警報発令である。僕はほとんど感傷というものを感じないが、山下達郎の初期の音楽は(他に、松田優作の映像、開高健の文章なども)例外だ。聴いていた頃の情景…

村上勝三『デカルト形而上学の成立』

晴。 村上勝三『デカルト形而上学の成立』読了。高度に専門的。自分には難解だった。デカルト形而上学の成立 (講談社学術文庫)作者: 村上勝三出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/10/11メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見る仕事の空き時間に、…

竹内薫『ヒッグス粒子と宇宙創成』

晴。 ソニーのポータブルCDプレイヤーD-NE730落手。いま使っているのは、HARD OFFで中古で買ったD-NE920だが、もう壊れそうなので、生産中止になったD-NE730が新品で売られているのを某所で見つけたから、迷わず買った。CDが売れないので、いまでは高音質の…

シェイクスピア『じゃじゃ馬馴らし』/島田雅彦『カオスの娘』/シュヴァレー『リー群論』/中沢新一『大阪アースダイバー』/マゼール指揮「叙情交響曲」

晴。 シェイクスピア『じゃじゃ馬馴らし』読了。ドタバタ劇。じゃじゃ馬馴らし シェイクスピア全集20 (ちくま文庫)作者: ウィリアムシェイクスピア,松岡和子出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2010/08/09メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (…

こともなし

晴。 中華「龍園」にて昼食。炒飯480円+焼き餃子280円。普通にうまい。 長崎「福砂屋」のカステラを頂いたのだが、これおいしいですね。老舗らしい(参照)、って無知ですが。家の者に聞くと、かつて長崎観光の際に、ここでカステラを買ったことがあるらし…

飯田泰之『飯田のミクロ』

雨。 飯田泰之『飯田のミクロ』読了。新書版のミクロ経済学の教科書。自分にはまさしく、こんな経済学の教科書が欲しかった、という本になっている。基本中の基本から説き起こした本で、普通の経済学の本では(当たり前だとして)無視されがちな、経済学の前…

川合康三『杜甫』/古澤明『「シュレーディンガーの猫」のパラドックスが解けた!』

晴。 これまで利用してきた市民プールが長期閉鎖のため、県営の長良川スイミングプラザへ行ってみる。昼前に出かけたのだが、午後一時からとのこと。というわけで、近くのコメダ珈琲岐阜長良店にて昼食。まだ時間があるので、環状線沿いに、三洋堂書店長良店…

ブランキ『天体による永遠』

日曜日。晴。 TSUTAYA。カルコス。 何だか眠いです。山下達郎『OPUS』落手。 オーギュスト・ブランキ『天体による永遠』読了。革命家の筆になる奇書。書中に、ニーチェの「永劫回帰」を彷彿とさせるところがある。訳者解説によれば、ブランキが獄中で本書を…

原武史『団地の空間政治学』/エドモンド・ハミルトン『フェッセンデンの宇宙』/佐渡裕指揮のベルリオーズ「幻想交響曲」

晴。 原武史『団地の空間政治学』読了。題名どおりの本で、戦後史を考えるに「団地」というものに照明を当てたのは、着眼点が素晴らしい。恐らく、類書はほとんどないのではないか。『鉄道ひとつばなし』のシリーズの著者らしい視点も、本書の強みである。た…

ぴあMOOK『山下達郎"超" 大特集!』

晴。 ぴあMOOKの『山下達郎"超"大特集!』落手。id:SHADEさんに教えて頂いたもの。自分が聴いてきた中で、山下達郎はいちばん長く聴いている音楽家なので、とても興味深かった。達郎本人や奥さんの竹内まりやさんへのインタヴュー、「100問突撃」などが、読…

佐々木毅『よみがえる古代思想』/中沢新一『対称性人類学』再読

曇。 アクアの一箇月点検のため、ネッツトヨタへ。ここまでの燃費は、だいたいリッター23㎞ほど。ハイブリッドの燃費だが、多いのか少ないのか。車の自己診断だと、エコ運転としては普通の数字らしい。個人的な感覚としては、なかなかガソリンが減らないよう…

堀口大學翻訳集『詩人のナプキン』

雨。 堀口大學のフランス短篇翻訳集『詩人のナプキン』読了。格調の高い翻訳。新潮文庫に堀口大學の翻訳がたくさん入っていたが、今どれくらい残っているのだろう。「ブ」などでは、ちょっと気をつけることにしよう。詩人のナプキン (ちくま文庫)作者: 堀口…

町田康『権現の踊り子』

晴。 町田康『権現の踊り子』読了。町田康最初期の短篇集であり、まだ小説に慣れていないところもあるが、それにしても「ふくみ笑い」は、短篇ながら途轍もないエネルギーを蔵しているではないか。その混沌ぶりは、後の大傑作『パンク侍、斬られて候』を思わ…

大栗博司『重力とは何か』/上林暁『故郷の本箱』/『機動警察パトレイバー 2 THE MOVIE』

晴。 大栗博司『重力とは何か』読了。特に話題を重力に絞った、現代物理学の啓蒙書。数式は一切なし。第五章までは相対性理論と量子力学の復習で、数式はなくとも、誤魔化しをせずに上手く書いてある。説明の仕方も紋切り型でなく、著者自身の言葉で語ってい…

三浦俊彦『可能世界の哲学』

日曜日。晴。 カルコス。TSUTAYA。 三浦俊彦『可能世界の哲学』読了。刺激的だった。可能世界論というのは、重要だし勉強すべきものだということがよくわかった。しかし一方で、「自分に必要な哲学」だとも思わなかった。これは頭のいい人のための哲学であり…

ブロンフマン+ゲルギエフの、ラフマニノフ、ピアノ協奏曲第三番(動画)

ラフマニノフのピアノ協奏曲第三番。ピアノはブロンフマン、指揮はゲルギエフ、ウィーン・フィル。サントリーホールにおけるライブ録音。rokaz さんのところで聴き始めたら、結局全部聴いてしまった。古典的名演。rokaz さんのところとはちがう動画でどうぞ…

デュレンマット『失脚/巫女の死』/岩田規久男『景気ってなんだろう』

晴。急に寒くなってきた。ついに長袖の服に替える。 デュレンマット『失脚/巫女の死』読了。デュレンマットは、二十世紀スイスの作家。本書は短篇集で、(自分でもあまり上手い形容だとは思わないが)シリアスなトーンで喜劇を語る(あるいはその逆)という…

菅啓次郎『コロンブスの犬』

晴。 菅啓次郎『コロンブスの犬』読了。古川日出男(本書の文庫解説を書いている)とか、この菅啓次郎とか、文体がちょっと恥ずかしいのだが、こちらの修行が足りんと思って読む。コロンブスの犬 (河出文庫)作者: 管啓次郎出版社/メーカー: 河出書房新社発売…

ニーチェ『喜ばしき知恵』

晴。 皮膚科。カルコス。 フリードリヒ・ニーチェ『喜ばしき知恵』読了。村井則夫による新訳。この人の訳で、他のニーチェの作品も訳して欲しいな。喜ばしき知恵 (河出文庫)作者: F・ニーチェ,村井則夫出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2012/10/05メデ…

『阿含経典2』/川上未映子『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』

曇。朝晩、肌寒いくらい。 増谷文雄編訳『阿含経典2』読了。全三巻らしい。『華厳経』の現代語訳が読みたいのだけれど。文庫で出ると嬉しい。阿含経典〈2〉人間の感官(六処)に関する経典群・実践の方法(道)に関する経典群・詩(偈)のある経典群 (ちくま学芸…

大野更紗『困ってるひと』

晴。 大垣。BOOK OFF大垣パイパス店。11冊買う。 # 大野更紗『困ってるひと』読了。日録に書く。([お]9-1)困ってるひと (ポプラ文庫)作者: 大野更紗出版社/メーカー: ポプラ社発売日: 2012/06/20メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 15回この商品を含むブロ…

ジョン・マクダウェル『心と世界』/薄田泣菫『茶話』

休日。晴。 イオンとその写真屋。フォトブック落手。なかなか上手く出来ていた。満足。 家族でトタン屋根のペンキ塗り。二時間くらい掛った。 # ジョン・マクダウェル『心と世界』読了。しち面倒臭い書物。関連領域に通じていないので、もう少し勉強してか…

「ゼノンのパラドックス」を数学的に考えてみた

いわゆる「ゼノンのパラドックス」の出どころを、自分は知らない。とりあえず、こういうものだとする。すなわち、「アキレスは亀より足が速い。そのとき、亀がアキレスより前にいて、彼らは同時に出発したとする。アキレスは一旦、亀が最初にいたところに到…

ベケット『ゴドーを待ちながら』

日曜日。晴。 サミュエル・ベケット『ゴドーを待ちながら』読了。安堂信也、高橋康也訳。言わずと知れた、二十世紀の古典。どうしてこれ、文庫にならないのだろう。ゴドーを待ちながら (ベスト・オブ・ベケット)作者: サミュエル・ベケット,安堂信也,高橋康…

こともなし

曇。 音楽を聴く。■バッハ:無伴奏チェロ組曲第一番、第四番(マイスキー1985)。バッハの曲はすべて深いけれど、この無伴奏チェロ組曲は、バッハの中でもとりわけ深みのある曲ではないか。朗々と鳴るチェロの音が、体に染み込んでくるよう。■ブラームス:ピ…

シェイクスピア『シンベリン』

晴。 ポリーニのピアノ、ベーム指揮ウィーン・フィルの演奏で、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第五番を聴く。ポリーニの七〇年代最後期の演奏で、硬質で水晶のような音、切れ味抜群のテクニック、完璧な解釈と、洵にスリリングなものだ。八〇年代以降のポリー…