2013-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ネグリ、ハート『コモンウェルス(下)』/平野啓一郎『滴り落ちる時計たちの波紋』

晴。 ピリスのモーツァルト、ピアノ・ソナタ第四番を聴く(新盤)。もう少し音が丸ければ、モーツァルトとして完璧なのだが。でも、テンポは適切だし、いい演奏。下の You Tube の動画はこの録音で、音質がCDに比べ劣るだけ、音がやわらかくなって却っていい…

志賀浩二『ルベーグ積分30講』

晴。 図書館から借りてきた、志賀浩二『ルベーグ積分30講』にざっと目を通す。「測度」というものの不思議さに目を見張る。ルベーグ積分はさらりとやることも出来るが、細かいところまで考えていくと、どうも不思議な感じが払拭できないということがよくわか…

ネグリ、ハート『コモンウェルス(上)』/フェラスの無伴奏ヴァイオリン

晴。 アントニオ・ネグリとマイケル・ハートの共著『コモンウェルス(上)』読了。相変わらず強引で、具体的な展望に欠けているなあ。そんなに「左翼」に拘らねばならないのかねえ。グローバル資本主義に対するマルチチュード(有象無象のことである)の可能…

河合隼雄『日本文化のゆくえ』

晴。 プール。 河合隼雄『日本文化のゆくえ』読了。自分はこれでもう二十年以上河合隼雄の著作を読み続けてきており、自分の考え方の根本に大きく影響を受けてきた。本書もまた素晴らしい本である。死というものを改めて自分の問題として考えさせられた。も…

荒井章三『ユダヤ教の誕生』/網野善彦『宮本常一「忘れられた日本人」を読む』

日曜日。晴。 岐阜県知事選の投票へ行ったあと、スーパーに寄ってからカルコス。 # 荒井章三『ユダヤ教の誕生』読了。旧約聖書の記述と歴史を絡めながら、ユダヤ教の誕生を描く。読みやすいので、ユダヤ教、ユダヤ民族の歴史の入門書に、ちょうどいいのでは…

ナボコフ『ナボコフの文学講義(下)』

雪が降っている。この冬いちばんの寒さ。 # ウラジーミル・ナボコフ『ナボコフの文学講義(下)』読了。うーむ、正直言って上巻は少々退屈だったが、本巻は面白いではないか。それというのも、『ユリシーズ』こそ未読だが、あとの『ジキル博士とハイド氏の…

ナボコフ『ナボコフの文学講義(上)』

晴。風花飛ぶ。 ウラジーミル・ナボコフ『ナボコフの文学講義(上)』読了。『マンスフィールド・パーク』も『荒涼館』も読んでいないのです、御免なさい。『ボヴァリー夫人』は中村光夫訳という、奇妙なエディションで読んでいるし。世評の高い伊吹武彦訳で…

こともなし

曇。 母が友人と会って喧嘩別れしてきたという。お互い気が強いため、理由を聞くと笑ってしまうようなことで、いわば現在の経済認識の違いなのだった。何でも母の友人はガチガチの反アベノミクス論者で、今は最悪の「安倍バブル」であり、物が安いからデフレ…

澁澤訳の『荘子』知北遊篇からの断片

澁澤龍彦編の『オブジェを求めて』を読み返していたところ、『荘子』知北遊篇第二十二からの断章が格好良く引用されていたので、ここに録しておく。澁澤自身の訳と思しい。 東郭子が荘子にたずねて、「いわゆる道とはどこにあるものですか」と。荘子が答えて…

中上健次『重力の都』

曇。 歯医者。歯の点検をしたら、虫歯はなかった。歯石を取ってもらう。 # 中上健次『重力の都』読了。短篇集。デオドラント世代としては、貧乏臭いポルノグラフィとしての本書はあまり好ましくない。獣のように交わる、それが原初的なエネルギーだとでも云…

西川長夫『増補 国境の越え方』

曇。 うどん「恵那」にて昼食。ざる蕎麦820円。 # 西川長夫『増補 国境の越え方』読了。上野千鶴子の本経由で読んだ。本書の解説も上野である。強靭極まりない書物で、大変に勉強になったが、読む前と比べてさらに、ナショナリズムや国民国家というのものを…

ヤーコプ・ベーメ『アウローラ』

曇。 プール。 音楽を聴く。■バッハ:パルティータ第二番(グールド)。いつまでも聴いていたいのに、繰り返しがなくて、あっという間に終ってしまう… ■バッハ:ゴルトベルク変奏曲(グールド1982)。ゴルトベルク変奏曲自体は、車の中でペライアや弦楽三重…

由良君美『みみずく古本市』

日曜日。晴。 図書館。カルコス。 由良君美『みみずく古本市』読了。博覧強記で辛口の弁。才能のない人間に手厳しく、その辺が自分は、読んでいてつらくなってくる。みみずく古本市 (ちくま文庫)作者: 由良君美出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2013/01/01…

ねじめ正一『落合博満 変人の研究』/ジイド『背徳者』

晴。 母から借りた図書館の本、ねじめ正一『落合博満 変人の研究』読了。ウチは一家で中日ドラゴンズのファンで、もう「落合監督」と呼べないのが残念だ。もうひとつ残念なことに、今の高木守道監督の野球がつまらなくて仕方がない。落合氏が監督のときは、…

上野千鶴子『ナショナリズムとジェンダー 新版』

晴。 上野千鶴子『ナショナリズムとジェンダー 新版』読了。何という苦闘の書であろうか。本書で著者は、「従軍慰安婦」問題に渾身の力をぶつけている。問題は錯綜し、ここに太い論理を通すことは容易なことではない、どころか、ほとんど人生まで賭けた苦行…

堀江敏幸『余りの風』/「アルテス」第三号

晴。 プール。帰り道で、警察がネズミ捕りをやっていた。五キロ・オーバー。危ないところでした。 # 図書館から借りてきた、堀江敏幸『余りの風』読了。余りの風作者: 堀江敏幸出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2012/12/04メディア: 単行本 クリック: 13…

岡田温司『アダムとイヴ』/キース・ロバーツ『パヴァーヌ』

晴。 歯医者。虫歯かと思って行ったら、知覚過敏だった。強く磨きすぎなのかなあ。まあいい機会なので、歯垢を取ってもらうことにする。これがまた長くかかるのだが。 # 岡田温司『アダムとイヴ』読了。中公新書の岡田温司も、これで四冊目になる。中身は題…

中沢新一『ミクロコスモス』再読

晴。 中沢新一『ミクロコスモス』を読み返す。僕は中沢新一が好きで毎日のように読み返すのだが、少しづつ読める、短い文章を集めたものを好んで読む。この『ミクロコスモス』の二冊は、だからちょうどそれにぴったりなのだ。何度も読んだ文章でも、そのとき…

ブランショ『来るべき書物』

休日。雨。 モーリス・ブランショ『来るべき書物』読了。いやあ、しんどかった。途中休憩しつつ、読むのに丸一日掛かってしまった。才気煥発の批評集。紋切型の評言になるが、根源的な思考が展開されると云っておこう。如何なる根源的? 容易くも書けないし…

武満徹を聴く/ジョン・バージャー『イメージ』

日曜日。晴。 昨日昼間寝ていたので、午前三時半頃に起きてしまう。 音楽を聴く。■マーラー:交響曲第九番(インバル1986)。安全運転。金管がよく鳴る。終楽章はよかった。■モーツァルト:ピアノ・ソナタ第四番(ピリス新盤)。もっとタッチが柔らかい方が…

加藤一郎『象形文字入門』/塚本邦雄『定家百首/雪月花(抄)』

晴。 熱は下がったが、明日明後日と休みなので、一応医者へ行って薬をもらってくる。インフルエンザではなかったのでよかった。 # 加藤一朗『象形文字入門』読了。何だか無益な(?)書物が読みたかったので。象形文字入門 (講談社学術文庫)作者: 加藤一朗…

風邪ひいた

晴。 ヤーコプ・ベーメの『アウローラ』を読む。 風邪ひいた。仕事は休めないので、つらかった… PL顆粒を飲んで寝ます。

町田康『きれぎれ』/種村季弘『書国探検記』

晴。 大垣。昼からプール。 # 町田康『きれぎれ』読了。初期短編二作。最近の作に比べれば、まだ手探りで書いているという感じが強く、手慣れたようなところはない。その辺が、緊張感をもたらしている。(最近のエッセイなどに見られる、芸と化しつつあるマ…

久生十蘭『十蘭ビブリオマーヌ』

曇のち晴。 久生十蘭『十蘭ビブリオマーヌ』読了。河出文庫の十蘭短編コレクションも、これで六冊目。これだけ出ていながら、どの巻も見劣りしないのがすごい。本巻も絶品揃いだ。読む人によって何を取るか異なるだろうが、誇り高き高田屋嘉兵衛を描いた「国…

永井均『私・今・そして神』

晴。 永井均『私・今・そして神』読了。日録に書く。私・今・そして神 開闢の哲学 (講談社現代新書)作者: 永井均出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/10/19メディア: 新書購入: 4人 クリック: 30回この商品を含むブログ (102件) を見る久生十蘭を読む。 # …

ジョセフ&フランシス・ギース『大聖堂・製鉄・水車』/村上春樹『中国行きのスロウ・ボート』/志賀浩二『群論への30講』

晴。 ジョセフ・ギースとフランシス・ギースの共著『大聖堂・製鉄・水車』読了。中世ヨーロッパの技術についって書かれた本。近年は中世というと、以前の「暗黒時代」というイメージは払拭されてきたが、本書もまたそれに連なるものである。技術から見た中世…

こともなし

日曜日。晴。 午前中、図書館。今日行って気づいたのは、数学の開架に集合の本がないこと(閉架にはある)。位相はあるのに、何故だろう。それから、ファインマン物理学もない。これは公立図書館に必須だと思うのだが。 昼から休日出勤。忙しい日々は今日ま…

町田康『自分を憐れむ歌 テースト・オブ・苦虫7』

晴。 早朝出勤。今日は割と空き時間があったので、その間はもっぱら iPod で音楽を聴く。ジュリアードSQのハイドン・セットや、ブリュッヘン指揮18世紀オーケストラの演奏で、モーツァルトの交響曲第三十八番など。 帰宅後テレビで、太川さんと蛭子さんと女…

こともなし

晴。 早朝出勤。夜まで仕事で、自由時間はようやく午後十一時四十分以降。まあ、そんなのが日常な人に比べたら、屁みたいなものですが。本は読めず。ちょっと音楽が聴きたい。 ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第四番が聴きたくなる。ベートーヴェンの…

木村敏『新編 分裂病の現象学』/木山捷平『氏神さま/春雨/耳学問』

曇。雪混じり。 妹一家、名古屋の伯母帰る。 # 木村敏『新編 分裂病の現象学』読了。特に最初の方は難解。著者は「ノエシス」「ノエマ」という語を、フッサールとはだいぶちがう意味で使う。「ノエシス」は、認識の基盤のようなものを指していると云えるだ…