2011-12-01から1ヶ月間の記事一覧

バタイユ『マダム・エドワルダ』/戸田盛和『分子運動30講』/ブリュノ・ラトゥール『科学論の実在』

晴。 朝九時にイオン。年末年始の食材を買ってくる。 洗車。十年乗っている車だが、洗ってやればまだまだピカピカ。 ジョルジュ・バタイユ『マダム・エドワルダ』読了。生田耕作訳。表題作他、「死者」「眼球譚」などを収めている。表題作と「眼球譚」(中条…

こともなし

晴。 BOOK OFF。18冊買う。 ギレリスの弾くモーツァルト、ピアノ協奏曲第二十七番を聴く。終楽章はもう少し跳ねてほしいが、それはともかく、ギレリスのピアノは硬質で美しい。この穏やかな曲によく合っている。第一楽章の展開部など、絶品だ。またベームの…

鴻巣友季子『翻訳のココロ』

晴。寒さゆるむ。 今日で年内の仕事はお仕舞い。仕事場の大掃除をする。 鴻巣友季子『翻訳のココロ』読了。翻訳家による、翻訳についてのエッセイ集。『嵐が丘』の翻訳に、ものすごく力を注いでいるところなど、読み応えがある。たかだか "Joseph, take Mr. …

大江健三郎『鎖国してはならない』/松浦理英子『葬儀の日』

晴。 大江健三郎『鎖国してはならない』読了。講演集。このところ、本を読んでも取り留めのない感想しか浮かんでこない。取り敢えず大江はもっと読もう。鎖国してはならない (講談社文庫)作者: 大江健三郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/12/14メディア…

オットマール・フォン・モール『ドイツ貴族の明治宮廷記』

晴。 オットマール・フォン・モール『ドイツ貴族の明治宮廷記』読了。ドイツ貴族の明治宮廷記 (講談社学術文庫)作者: オットマール.フォン・モール,金森誠也出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/12/13メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (7…

サルトル『マラルメ論』/スーザン・ソンタグ『わたしエトセトラ』

晴。 ジャン=ポール・サルトル『マラルメ論』読了。マラルメ論 (ちくま学芸文庫)作者: ジャン=ポールサルトル,Jean‐Paul Sartre,渡辺守章,平井啓之出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1999/07/01メディア: 文庫 クリック: 7回この商品を含むブログ (4件) を…

佐藤優『日米開戦の真実』

日曜日。雪。 休日&クリスマスで、さらに雪なのに出勤。 佐藤優『日米開戦の真実』読了。大川周明の『米英東亜侵略史』を収録し、佐藤優の解説・主張を述べた本。歴史、国家、外交、戦争など、色々なことを考えさせられる。いわゆる「大東亜戦争」について…

来村多加史『万里の長城 攻防三千年史』/戸田盛和『量子力学30講』

晴。寒い。最高気温5度。 来村多加史『万里の長城 攻防三千年史』読了。万里の長城って、スケールのわりに、意外と役に立たなかったような… 建設に莫大な金がかかるし、却って王朝の基盤を弱くする原因になったりしている。隋はまったくそれだな。万里の長城…

大岡信『現世に謳う夢』

休日。晴。風がとても冷たい。そのうち雪かな。 うう、朝が早くてねむい。休日出勤。 大岡信『現世に謳う夢』読了。副題「日本と西洋の画家たち」。取り上げられた画家は、レンブラント、ゴッホ、ゴーギャン、菱田春草、岡鹿之助、駒井哲郎など。良い散文。…

シュトルム『聖ユルゲンにて/後見人カルステン』他/玄侑宗久『荘子と遊ぶ』

冬至。曇。 皮膚科。イオンの写真屋。 シュトルム『聖ユルゲンにて/後見人カルステン』他読了。短編三本。どれも芸術的には手堅く、見事なものである。しかし、ナイーヴな感想になるが、どの話も悲しすぎるのではないか。老境に至って、人生に裏切られる話ば…

ウンベルト・エーコ『完全言語の探求』

晴。 ウンベルト・エーコ『完全言語の探求』読了。アイマラ語って、そんなに変った言語なのか。完全言語の探求 (平凡社ライブラリー)作者: ウンベルト・エーコ,上村忠男,廣石正和出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2011/12/09メディア: 単行本(ソフトカバー)…

こともなし

晴。 本棚を直してもらう。不誠実な建具屋はほっかむりして、仲間に面倒な仕事を押し付けたので、さすがに不愉快になる。来てくれた大工さん(この人は気が弱いのだ)には文句を言いたくはないので、きちんと話をつけてもらうことを勧めた。こういう人が損を…

ドビュッシーを聴く/浅田彰『構造と力』再読

晴時々曇。 プール。アピタとその本屋。 ミケランジェリのドビュッシーがすこぶる面白かったので、ドビュッシーをまとめて聴く。ミケランジェリのピアノは、ドビュッシーとしてはクリアすぎるのだろうが、それにしても何という音の美しさ。前奏曲第一巻。映…

桜井英治『贈与の歴史学』/ラカン『二人であることの病い』

日曜日。曇。 カルコス。 桜井英治『贈与の歴史学』読了。日本中世における「贈与」を記述したものである。名著と呼んで差し支えないと思う。日本は現代でも、お歳暮など、独特の贈与の習慣が生き残っているが、これは中世における「贈与」と無関係ではない…

多和田葉子『犬婿入り』/鹿島茂『平成ジャングル探検』

晴。 「恵那」にて昼食。寒くなってきたので、熱い天麩羅蕎麦がうまい。酒屋。 多和田葉子『犬婿入り』読了。犬婿入り (講談社文庫)作者: 多和田葉子出版社/メーカー: 講談社発売日: 1998/10/15メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 15回この商品を含むブログ …

野口旭、田中秀臣『構造改革論の誤解』

曇。時雨れる。とうとうコートを引っ張り出してきてしまった。 野口旭と田中秀臣の共著『構造改革論の誤解』読了。十年前の本である。当時、構造改革が叫ばれ、金融政策を疑問視した風潮を論駁している。構造改革はそれでいいが、適切な金融政策が行われなけ…

ドゥルーズ、パルネ『ディアローグ』/マルカム・ラウリー『火山の下』/佐村河内守の交響曲第一番「HIROSHIMA」

晴のち曇。 ジル・ドゥルーズとクレール・パルネの共著『ディアローグ』読了。文庫版。単行本で既に読んでいることに、購入してから気付く。題が替わっていたので、うっかりした。まあいい機会だと思って再読。ディアローグ---ドゥルーズの思想 (河出文庫)作…

小坂国継『西田哲学の基層』/志賀浩二『数学という学問1』

晴。 昼過ぎ、地震。震度3くらいだった。震源は岐阜県東部で、大きさはM5ほど。 いい天気なので、少しぶらぶら歩く。 # 小坂国継『西田哲学の基層』読了。読んでいて西田哲学の「深さ」がしきりと思われた。優劣をつけるわけではないが、例えばウィトゲ…

吉田秀和『フルトヴェングラー』/岡崎武志『古本道入門』

晴。 吉田秀和『フルトヴェングラー』読了。文庫オリジナル。吉田さんはフルトヴェングラーが大好きだったのだな。しかし本書を読んでいると、もちろんフルトヴェングラーは偉いのだが、とにかく吉田秀和の偉さをつくづく思わずにはいられなかった。己の感じ…

フルトヴェングラー『音楽を語る』『音と言葉』

晴。 プール。イオン。 W・フルトヴェングラー『音楽を語る』読了。インタビュー六本と、「現代の音楽」と題する論考。フルトヴェングラーの録音は永遠に残るだろうが、昔と同じ聞き方がされるとは限らない。いまや、ベートーヴェンに全身全霊を打ち込むと…

油井大三郎『好戦の共和国アメリカ』/レヴィ=ストロース『アスディワル武勲詩』

日曜日。晴。 カルコス。 油井大三郎『好戦の共和国アメリカ』読了。題を見ると扇情的な本かとも思ったが、実際は淡々と、植民地時代の戦争から独立戦争、南北戦争、米西戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、対テロ戦…

ヘーゲル『法の哲学2』/皆既月食を見る

曇。 ヘーゲル『法の哲学2』読了。法の哲学〈2〉 (中公クラシックス)作者: ヘーゲル,Georg Wilhelm Friedrich Hegel,藤野渉,赤沢正敏出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2001/12/01メディア: 新書購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (19件) を…

櫻田大造『大学教員 採用・人事のカラクリ』

晴。一段と寒くなってきた。 櫻田大造『大学教員 採用・人事のカラクリ』読了。一部で話題になっていたので購入。アカデミズムは自分には雲の上の世界なので、興味本位でエンターテイメントとして楽しく読めた。というか、至る所で笑わせてもらったが、当事…

羽田正『新しい世界史へ』/渡邊二郎編『ハイデガー「存在と時間」入門』/ヘーゲル『法の哲学1』

曇。 羽田正『新しい世界史へ』読了。著者は、ヨーロッパ中心的、「〇〇中心的」史観を排し、「地球主義的」な歴史が書かれねばならないと主張する。このような主張がなされるのは、経済のグローバル化と決して無関係ではない。また、本書の主張するような「…

外村彰『ゲージ場を見る』/ヨラム・バウマン『この世で一番おもしろいミクロ経済学』

晴。 外村彰『ゲージ場を見る』読了。日録に書く。ゲージ場を見る―電子波が拓くミクロの世界 (ブルーバックス)作者: 外村彰出版社/メーカー: 講談社発売日: 1997/03メディア: 新書この商品を含むブログを見るヨラム・バウマン『この世で一番おもしろいミクロ…

高橋源一郎『虹の彼方に』/ヘンリー・ジェイムズ『アスパンの恋文』

晴。 高橋源一郎『虹の彼方に(オーヴァー・ザ・レインボウ)』読了。キュートで哀切なポストモダン小説。源一郎さんは、たとえ失敗作でも読んでおくべきことを再確認する。わけのわからない小説だって? いや、いいじゃないですか。流行はとっくの昔に去っ…

三島由紀夫『小説家の休暇』

晴。 プール。いちょう通りを経て帰る。文字通りいちょうが陽の光に照らされて、黄金色に輝いていた。 三島由紀夫『小説家の休暇』読了。きわめて論理的で、かつ大きな強度をもった評論集。当り前の話だが、三島はもっと読まれねばなるまい。小説家の休暇 (…

波多野澄雄『国家と歴史』

日曜日。晴。 琴塚の中華「龍園」にて昼食。海老炒飯+焼き餃子960円。お探しの店舗のページはありませんでした食べログで店舗を探す具合の悪くなった本棚を見てもらう。 夜、NHKの『坂の上の雲』第十回「旅順総攻撃」を視る。モッくんの演技を見るためなの…

稲葉陽二『ソーシャル・キャピタル入門』/加藤久和『世代間格差』

雨のち曇。 稲葉陽二『ソーシャル・キャピタル入門』読了。ソーシャル・キャピタルとは、日本語では「社会関係資本」と訳され、人と人との繋がりを資本と見做したもの。著者は、「心の外部性を伴った信頼・規範・ネットワーク」(p.27)と定義している。「外…

谷川俊太郎『ひとり暮らし』

曇。寒い。この冬初めてセーターを着る。 谷川俊太郎『ひとり暮らし』読了。さすがに詩人のエッセイ集である。そして、詩とはまた別の深みがある。例えばこんなの。「私はうんこ、しっこが生きることの究極の現実だと思っている。観念や幻想から自由になって…