阿部和重『ピストルズ(上)』

日曜日。晴。
音楽を聴く。■R・シュトラウス英雄の生涯op.40(カラヤン1959)。じつに面白い。カラヤンが大変な実力者なのは明らか。大胆かつ細部まで精緻。■ベートーヴェン:ミサ・ソレムニスop.123(カラヤン1966)。この曲を聴くのは初めて。最初の方はモーツァルトの宗教曲に影響を受けているような気もしたが(勘違いかも知れない)、後期ベートーヴェンの充実した曲だ。クライマックスはクレドの部分だろう。第九交響曲を思わせる楽句がところどころに聞ける。カラヤンの音楽は、六〇年代始めの新鮮さには少し欠けるが、そのぶん円熟し始めている。グローリアの部分は少々テンポが速すぎるようで、合唱が団子になって聞こえてくるが、中盤の盛り上げはさすが。聴いてみてよかったと思う。

妹一家来訪。昨日の夜の長良川の花火大会を見に、岐阜へ来たのだ。今日はちょっと寄ってゆく。甥っ子らと「大富豪」とか。
皆でおじいちゃんのスイカを食べる。この夏いちばんの出来だったので、よかった。夕方帰る。
カルコス。買いたかった文庫があれもこれもない。

阿部和重ピストルズ(上)』読了。上巻はどうも延々と前置きのようだが、これだけ前置きが長いと古典みたいだね。『戦争と平和』とか。重厚な小説なのかマンガやアニメっぽいのか、ライトノベル風なのか、どうも混淆している。著者は、自分の同世代の作家の中では、一番の実力者だと思う。取り敢えず下巻へ。

ピストルズ 上 (講談社文庫)

ピストルズ 上 (講談社文庫)