2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧

マンリーケ『父の死に寄せる詩』

曇。 ホルヘ・マンリーケ『父の死に寄せる詩』読了。作者不詳「死の舞踏」併録。父の死に寄せる詩 (岩波文庫)作者: ホルヘ・マンリーケ,佐竹謙一出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2011/09/17メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る

リヒテルの未発表音源

リヒテルの未発表(と思しき)ライブ録音を聴く。リヒテルのレパートリーとしては、自分が聴いたことのない曲ばかりだったので、否が応でも期待した。 まずは、バッハのブランデンブルグ協奏曲第六番。第五番は鍵盤楽器の長い独奏がある曲だが、この曲は特に…

西野嘉章『新版 装釘考』/『ラテンアメリカ五人集』

晴。「3pigs」にて昼食。 西野嘉章『新版 装釘考』読了。平凡社ライブラリーらしい、渋い本。新版 装釘考 (平凡社ライブラリー741)作者: 西野嘉章出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2011/08/10メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 2人 クリック: 48回この商…

渡辺京二『なぜいま人類史か』

晴。 渡辺京二『なぜいま人類史か』読了。著者にしては珍しい、講演集である。個人的に落ち込んでいる(つまらないことが原因である)ときに、こう卓越しかつ真面目な本だったので、何だか疲れてしまった。著者の本を読んでいると、日本人であるということに…

土居守、松原隆彦『宇宙のダークエネルギー』

晴。大垣。 土居守と松原隆彦の共著『宇宙のダークエネルギー』読了。宇宙の中に存在するエネルギーの内訳として、バリオン(普通にいう「物質」のこと)が4%、ダークマターが23%、そしてダークエネルギーが73%だという。いわゆる「物質」の占める割合は…

ランダウ=リフシッツ小教程/永井均『翔太と猫のインサイトの夏休み』

曇。Tシャツでいると肌寒いほど。 # このところランダウ=リフシッツ小教程にハマっている。今さらながら、じつにユニークで、初めて物理を学ぶ人向けではないかもしれないが、洵にエレガント。「力学」でも、まあ普通なら「力とは」などというところから…

村山斉『宇宙は本当にひとつなのか』/古井由吉『夜の香り』/菅野礼司『ゲージ理論の解析力学』

日曜日。晴。 村山斉『宇宙は本当にひとつなのか』読了。題名からすると多元宇宙の話のようだが、もちろんそれもあるけれども、暗黒物質と暗黒エネルギーの話がかなり具体的だ。暗黒物質というのは、どうやら既存の粒子(例えばニュートリノ)ではないらしい…

アーサー・I・ミラー『137』

晴。 アーサー・I・ミラー『137』読了。副題「物理学者パウリの錬金術・数秘術・ユング心理学をめぐる生涯」。題名の「137」というのは、微細構造定数の逆数である。二十世紀に綺羅星のようにたくさん居た超一流の物理学者の中でも、パウリはとりわけ…

スクリャービンのエチュード

スクリャービンのエチュードで、リヒテル(1952年)とホロヴィッツ(1972年)を聴き比べてみる。共にop.8とop.42がメインだ。当り前だが、二人とも技術的な問題はまったくない。録音は、ホロヴィッツ盤(スタジオ録音)の方がはるかに良い。リヒテル盤は何と…

菊地成孔、大谷能生『東京大学のアルバート・アイラー 歴史編』

休日。晴。 あんまりいい天気でしかも涼しくなったので、コンデジを持って自転車でふらふらする。町の中で撮ろうと思っていたのだが、田舎の景色がなんとも美しかったので、絵葉書のような田舎写真ばかりになってしまった。空と雲と水の流れ。 今日は彼岸花…

別冊宝島『日銀の大罪』

晴。台風一過で、肌寒いくらい。 別冊宝島『日銀の大罪』読了。本書とはちょっと話が逸れるかもしれないが、景気を良くするためには、無駄遣いでも何でもいいから、皆がお金を使うしかないということである。それが資本主義の原則なわけで、どことなく納得で…

ヴィアン『うたかたの日々』/飯田泰之、中里透『コンパクト マクロ経済学』

雨。台風15号接近、風強し。 ボリス・ヴィアン『うたかたの日々』読了。野崎歓訳。こういう小説を好む人が多いのはわかる。しかし自分としては、ハッピー・エンドでないメロドラマというのは、どうも苦手だ。また、自分には原文と比べる力はないが、訳文もち…

原勝郎『東山時代に於ける一縉紳の生活』/ゴーリキイ『どん底』

雨。 原勝郎『東山時代に於ける一縉紳の生活』読了。名文名著として知られるものであり、講談社学術文庫版も入手しそこねていたので、今回中公クラシックスへ入ったのは嬉しい。世評どおり、とても面白かった。J-45 東山時代に於ける一縉紳の生活 (2011-09-1…

ルフェーヴル『都市への権利』

休日。晴。驟雨。 丸半日、眠ってしまった。 アンリ・ルフェーヴル『都市への権利』読了。都市への権利 (ちくま学芸文庫)作者: アンリルフェーヴル,Henri Lefebvre,森本和夫出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2011/09/07メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 6…

中井久夫『「思春期を考える」ことについて』

日曜日。晴。 中井久夫『「思春期を考える」ことについて』読了。特に西欧文化の細密で深い理解には、驚嘆させられる。読んでいると、普通の(?)論者の文章から、倍率をぐんと上げたように感じる。著者の専門分野についてはどれほど理解できたか疑問だが、…

鴻巣友季子『全身翻訳家』

曇時々雨。 鴻巣友季子『全身翻訳家』読了。エッセイ集。じつに上手い。全身翻訳家 (ちくま文庫)作者: 鴻巣友季子出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2011/08/09メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 11回この商品を含むブログ (17件) を見る# 現政権は増税を…

こともなし

曇。夜雨。 眠い。空き時間はうとうとしっぱなし。読めません。 # どんなに精神的な高みに達しても、ネガティヴであるなら生命力は無限に奪われるものらしい。だから、どうしても元気になれないならば、どこかネガティヴになっているのではないかと疑ってみ…

映画「探偵はBARにいる」/モーム『お菓子とビール』

曇。 朝イチで、イオンのワーナー・マイカル・シネマにて「探偵はBARにいる」を観る。かつて松田優作の「探偵物語」(TVドラマの方ね)に痺れた者には、ピピっときましたよ。映画は久しぶりだったが、B級映画をたっぷり堪能しました。予想通り、大泉洋と松田…

原発災害に関する山形浩生の記事に対する、ツイッター上における矢作俊彦の反論

原発災害に関する山形浩生の記事(参照)に対する、ツイッター上における矢作俊彦の反論(ここ以下):

四方田犬彦『ゴダールと女たち』/シューマッハー『宴のあとの経済学』

晴。かんかん照り。 四方田犬彦『ゴダールと女たち』読了。だいたい自分は、ゴダールといっても『勝手にしやがれ』と『気狂いピエロ』と『はなればなれに』しか観たことはないし、そもそも映画の良し悪しというものが分らない。本書は四方田犬彦の著書という…

荻原魚雷『本と怠け者』

晴。また暑いではないか。 荻原魚雷『本と怠け者』読了。これはいい本だ。著者は時流などにはまったく乗っていないけれども、時代から切り離されているわけではない。むしろ、皆うすうす気づいていながら考えまいとしていること、いわば時代の無意識について…

菊地成孔、大谷能生『憂鬱と官能を教えた学校(上)』『同(下)』

晴。 プール。アピタとその本屋。 菊地成孔と大谷能生の共著『憂鬱と官能を教えた学校(上)調律、調性および旋律・和声』読了。副題「[バークリー・メソッド]によって俯瞰される20世紀商業音楽史」。大興奮。こんな凄い本が文庫で出ていたとは! まさかアピ…

成瀬治『近代ヨーロッパへの道』

日曜日。晴。 成瀬治『近代ヨーロッパへの道』読了。元本は三十年前に出た、オーソドックスな西洋史書である。扱っているのは、宗教改革から、フランス革命の前まで。古い本なのに、じつに良く出来ていて、読んでいて楽しかった。あとがきに拠ると、「スペイ…

芥川竜之介『地獄変・邪宗門・好色・藪の中』/西川長夫『パリ五月革命 私論』

晴。 芥川竜之介『地獄変・邪宗門・好色・藪の中』読了。深くはないが(まだ若いから仕方ないな)巧みだ。文才はやはりすごい。ただ、王朝物なのだが、登場人物は「近代人」なのである。地獄変・邪宗門・好色・薮の中 他七篇 (岩波文庫)作者: 芥川龍之介出版…

バタイユ『エロスの涙』

晴。 ジョルジュ・バタイユ『エロスの涙』再読。浅田彰は『20世紀文化の臨界』の中でバタイユを貶していたと思うが、自分などにはバタイユはまだまだインパクトがある。表層だけにはもううんざりだ。図版多数。エロスの涙 (ちくま学芸文庫)作者: ジョルジュ…

井上昌次郎『睡眠の不思議』

晴。カルコス。 井上昌次郎『睡眠の不思議』読了。古い本で、今ではこの分野でも学は大きく発展しているだろう。本書の段階では、決定的な睡眠誘発物質はまだ特定されていない。全体的に、睡眠については判っていないことが多すぎるという印象を受ける。よく…

マラマッド『レンブラントの帽子』/田中克彦『チョムスキー』

晴。 バーナード・マラマッド『レンブラントの帽子』読了。表題作は、繊細な短編にはちがいない。こういうのが優れた文学というわけか。レンブラントの帽子作者: バーナード・マラマッド出版社/メーカー: 夏葉社発売日: 2010/05メディア: 単行本購入: 3人 ク…

『ゴンクールの日記(下)』/三浦展『「家族」と「幸福」の戦後史』

晴。冷房がいらない涼しさ。 イオンとその写真屋。 # 『ゴンクールの日記(下)』読了。ゴンクールの日記(下) (岩波文庫)作者: ゴンクール,斎藤一郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2010/03/17メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (4件) を…

宮沢賢治『まなづるとダアリヤ』/『思想地図β』vol.2

晴。 宮沢賢治『まなづるとダアリヤ』読了。まなづるとダアリヤ (角川文庫)作者: 宮沢賢治出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1996/03メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見る『思想地図β』vol.2落手。特集「震災以後」。とりあえず全記事を読み切っ…

ヴォルテール『哲学書簡』/町田康『おそれずにたちむかえ』

日曜日。雨。 台風12号は日本海に抜けるも、紀伊半島で洪水や土砂崩れなど、豪雨の被害甚大。 # 林達夫を読んでいたら、林訳のヴォルテールの『哲学書簡』が読みたくなったので、再読する。最初の方はあまり覚えていなかった。ニュートンなど、イギリス人の…