土居守、松原隆彦『宇宙のダークエネルギー』

晴。大垣。
土居守と松原隆彦の共著『宇宙のダークエネルギー』読了。宇宙の中に存在するエネルギーの内訳として、バリオン(普通にいう「物質」のこと)が4%、ダークマターが23%、そしてダークエネルギーが73%だという。いわゆる「物質」の占める割合は、こんなにも少ないわけだ。それ以外のダークマターダークエネルギーであるが、ダークマターの方は言われ始めてもうかなりになり、わかってきたことも増えてきたが、ダークエネルギーの方は、まだほとんど何もわかってないに等しい。本書は、このダークエネルギーにポイントを絞って書かれた、珍しい本である。で、読んでみたが、本当にわかっていないのだなあというか、そんな感想でいいのでしょうかというようなものだ。だから、どうしたらこのダークエネルギーなどというものに迫れるか、そこのところの苦労が書かれた本だといっていい。宇宙が加速膨張していることが判明してしまったので、それに辻褄を合わせるため、このような概念を考え出さざるを得ず、苦労しているわけである。時代が進んでも、分らないことには限りがないのだなあなどと、変な感想すら抱いてしまった。

宇宙のダークエネルギー 「未知なる力」の謎を解く (光文社新書)

宇宙のダークエネルギー 「未知なる力」の謎を解く (光文社新書)