井上昌次郎『睡眠の不思議』

晴。カルコス。
井上昌次郎『睡眠の不思議』読了。古い本で、今ではこの分野でも学は大きく発展しているだろう。本書の段階では、決定的な睡眠誘発物質はまだ特定されていない。全体的に、睡眠については判っていないことが多すぎるという印象を受ける。よくいわれる「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」についても、同じである。現段階ではどうなのだろう。なお本書では、睡眠のとり方については、例えば細切れに眠ったり、意図的に睡眠時間を減らしたりするようなことは咎められていないが、これは精神医学的な観点からは問題があるのではないか。精神科医中井久夫は、二日間で睡眠の帳尻を合わせることを推奨していたと思う。心の病に罹っている人でも、眠ることができれば、一般的には治る、少なくとも良い兆候だと云ってよいらしい。

睡眠の不思議 (講談社現代新書)

睡眠の不思議 (講談社現代新書)