2010-01-01から1年間の記事一覧

谷畑勇夫『宇宙核物理学入門』

晴。 谷畑勇夫『宇宙核物理学入門』読了。原子核物理学が最近これほど発展しているとは、ついぞ知らなかった。加速器で不安定核(放射性同位体)のビーム(RIビーム)を、創れるようになってきたからだという。しかし、原子核物理学の満足すべき理論がまだな…

玄侑宗久『龍の棲む家』/福岡伸一『世界は分けてもわからない』

晴。 玄侑宗久『龍の棲む家』読了。老いということが近くなった今、このように痴呆というテーマを細やかな筆致で描いた本書は、多くの人に救いを与えるだろう。著者は、いつも大切なことを主題にしている作家だ。これは、ただ僧侶だからといって、簡単に出来…

ゴダール『気狂いピエロ』/トロツキー『ニーチェからスターリンへ』/辻井伸行のショパン・アルバム

晴。 レンタル店。 ジャン=リュック・ゴダール監督『気狂いピエロ』のDVDを観る。いやあ…そういう結末だったのか…悲しいなあ。これってたぶん、映画が撮られた当時は刺激でいっぱいだったのだろうが、今のどぎつい映像を見慣れている目には、なんだか坦々と…

地元の「一箱古本市」に行ってみた

地元・各務原で開催された「一箱古本市」に行ってみた。場所は中部学院大学キャンパス内。実はこのイベント、最初はあまり関心がなく、今日やるというのも忘れていたのだが、昨日たまたま徒然舎さんのブログ(こちら)を見ていたら、告知があったのだった。…

堀内一史『アメリカと宗教』

休日。晴。 堀内一史『アメリカと宗教』読了。重厚な内容の書。あまりにも未知の情報が多すぎて、ちょっと未消化だが、アメリカにおける宗教(特に様々なキリスト教諸宗派)と政治の関係について、これくらいのことは知っておいた方がいいのかもしれない。と…

橋本治『いま私たちが考えるべきこと』

晴。 橋本治『いま私たちが考えるべきこと』読了。日録に書く。いま私たちが考えるべきこと (新潮文庫)作者: 橋本治出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/03メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 23回この商品を含むブログ (39件) を見る

ハーバーマス『公共性の構造転換』/ジョイス『若い芸術家の肖像』/山本善行『古本のことしか頭になかった』

曇時々晴。 プール。泳いでいて顔を上げたら、青い空が見えた。イオンとユニクロ。 # ユルゲン・ハーバーマス『公共性の構造転換』読了。公共性の構造転換―市民社会の一カテゴリーについての探究作者: ユルゲンハーバーマス,Jurgen Habermas,細谷貞雄,山田…

上林暁『聖ヨハネ病院にて』

日曜日。晴のち雨。 BOOK OFF岐南インター店。ここは久しぶりで、19冊買った。結構買ったが、「ブ」もいいけれど、やはりちゃんとした古本屋にも行きたいと思う。新刊書店と「ブ」だけだと、心に何となく、澱のようなものが溜ってくるような気がする。まった…

ETV特集 中沢新一 輪廻の森・樹海

平成六年六月六日に、NHK教育テレビにて放送された番組です。青木ヶ原樹海を中沢新一が語ります。

ウィリアム・J・ブースマ『ギヨーム・ポステル』/金森修『ゴーレムの生命論』

曇。 ウィリアム・J・ブースマ『ギヨーム・ポステル』読了。ブログ「憂愁書架」さんのところで教えられた本。詳細は同ブログを参照されたい。ポステルというのは破天荒なルネッサンス知識人であり、きわめて興味深い人物だ。著者はこの複雑な人物に多角的に…

こともなし

晴。少し暖かさが戻った。 今日は「休脳日」。仕事以外は無理に頭を使わない。 でも、ウィリアム・J・ブースマはちょっと読む。 # 寝る前に、中沢新一の『リアルであること』再読。学生のとき、藁にも縋るような思いで中沢の言葉を待っていた頃に出た本だ…

国会議員が国民の税金からもらっているお金について

鈴木宗男氏が、本日付の「ムネオ日記」にて、こう書いておられる。 菅首相が今年の公務員給与を人事院勧告通りマイナス1.5%、ボーナスも年間0.2ヶ月分の引き下げを実施すると報道されている。公務員給与をマイナスにするのならば、国会議員の給与を3…

鈴木大拙『禅と日本文化』/アラウの弾くブラームス

雨。 皮膚科。カルコス。レンタル店。 鈴木大拙『禅と日本文化』読了。自分の精神的貧しさを思わざるを得ない。「じつを言えば、われわれいわゆる現代人は閑暇(ひま)を失っている。悶える心には真に生を楽しむ余裕はなく、ただ刺激のための刺激を追って、…

ディラック『量子力学』メモ(2)

(前回) ブラ・ベクトルとケット・ベクトルを導入しただけでは、何も始まらない。これに加えて、「一次演算子」が導入される。これもまた、天下り式であり、いまだ抽象的なものである。

上念司『デフレと円高の何が「悪」か』/橋本治『ロバート本』

晴。急に寒くなる。今年初めて暖房を入れた。 上念司『デフレと円高の何が「悪」か』読了。著者の本は二冊目(id:obelisk2:20100626)。本書も世評の高い本だけのことはあった。題名に偽りなし。著者は専門の経済学者ではなく、云ってみれば経済学の素人なの…

ルリヤ『偉大な記憶力の物語』

晴。 A・R・ルリヤ『偉大な記憶力の物語』読了。日録に書く。偉大な記憶力の物語――ある記憶術者の精神生活 (岩波現代文庫)作者: A.R.ルリヤ,天野清出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2010/10/16メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 44回この商品を含むブロ…

ディラック『量子力学』メモ(1)

著名なディラックの教科書『量子力学』を、大学に入りたての学生のように読んでみるつもりである。そのための、ほんのメモを記すことにする。飽くまでも自分勝手なメモであり、これを読んでも量子力学がわかるようにはならない。また、この一回で止めるかも…

コルモゴロフ『確率論の基礎概念』/佐藤泰志『海炭市叙景』/新海誠監督『雲のむこう、約束の場所』

曇のち雨。 プール。アピタ。 A・N・コルモゴロフ『確率論の基礎概念』にざっと目を通す。自分のレヴェルを超えているので、解説がありがたい。でも、じっくりやったら面白そう。確率論の基礎概念 (ちくま学芸文庫)作者: A. N.コルモゴロフ,坂本實出版社/…

アルチュセール『再生産について(下)』/綾部恒雄『秘密結社』

日曜日。曇のち雨。 カルコス。航空自衛隊岐阜基地で航空祭があったので、ブルーインパルスが来ていた。カルコス東の田んぼの中の道に車を停めて、航空ショーを見ている人が結構いた。 # ルイ・アルチュセール『再生産について(下)』読了。再生産について…

中日ドラゴンズ、日本シリーズ出場決定!

やりました。和田の打球が外野手の頭上を越えていった瞬間、家族中で大喜びしました。死闘の決着が、サヨナラ安打だったとは。今日の試合では、河原のピッチングに感動しました。さすがベテラン。でも、今日は全員野球だったな。重苦しい試合で、巨人も強か…

アルチュセール『再生産について(上)』

晴。 ルイ・アルチュセール『再生産について(上)』読了。再生産について 上 イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置 (平凡社ライブラリー)作者: ルイ・アルチュセール,西川長夫,伊吹浩一,大中一彌,今野晃,山家歩出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2010/10/0…

星野智幸『毒身』

晴。 星野智幸『毒身』読了。毒身 (講談社文庫)作者: 星野智幸出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/07/14メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (15件) を見る

プリーモ・レーヴィ『休戦』/押井守監督『イノセンス』/辻井伸行の弾くラフマニノフ

細雨。 レンタル店。 プリーモ・レーヴィ『休戦』読了。奇跡的にアウシュヴィッツを生き延びたイタリアのユダヤ人が、ロシアを経由して、これまた奇跡的にイタリアへ帰り着くまでの記録。艱難辛苦という言葉でも足りないほどの体験なのだが、途中、まわりに…

四時間あまりの計算

曇。涼しくなってきた。 電動シェーバーのケーブルが剥き出しになり、危険なので、エイデンで新しいのを買う。フィリップスHQ7350で5980円。そんな値段なのかと、安くて驚く。 # 必要あって、20日の23時頃から明け方の3時半まで、ぶっ通しで計算。ほとほと…

テューレックのバッハ/伊良子清白『詩集 孔雀船』

晴。 ふとバッハのパルティータ第三番が聴きたくなる。最初グールド盤を聴き始めたのだが、気分的にテンポがあまりにも速すぎる。アラウ盤は車の中。で、グールドにも影響を与えたという、テューレックの演奏にする。これ、とても特異な演奏で、サラバンドな…

仲正昌樹『教養主義復権論』/石垣りん詩集/安田雪『「つながり」を突き止めろ』

晴。 プール。アピタ。 仲正昌樹『教養主義復権論』読了。著者はとても頭のいい人だが、ポジティヴな影響は与えにくい人だという気がする。結局、きちんと勉強しなさい、ということになるからだ。でも、それが一番の処方箋なのかも知れない。 しかし思うのだ…

廣松渉『資本論の哲学』/中村亨『ガロアの群論』/手嶋龍一、佐藤優『インテリジェンス 武器なき戦争』

日曜日。曇。 カルコス。BOOK OFF。 # 廣松渉『資本論の哲学』読了。資本論の哲学 (平凡社ライブラリー)作者: 廣松渉出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2010/09/11メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 69回この商品を含むブログ (6件) を見…

ソギャル・リンポチェ『チベットの生と死の書』/高木貞治『数学の自由性』

晴。 ソギャル・リンポチェ『チベットの生と死の書』読了。叡知に満ちた書。こんな本は滅多にない。(関連サイトはこちらとこちら。)日録に書く。 思うのだが、我々は、自らの精神的な貧しさをとことんまで知ることが、いま決定的に重要なのではあるまいか…

鴇田文三郎『チーズのきた道』

晴。時雨れる。 鴇田文三郎『チーズのきた道』読了。一人の学者が、歴史から何まで自分でやらなければならなかった時代には、こういう一見素人っぽい本がよくあった。今では良かれ悪しかれ、どの分野でも専門化が進んだので、こういう具合には書けないだろう…

『シュタイナー経済学講座』

晴。 カルコス。レンタル店。 『シュタイナー経済学講座』読了。シュタイナーがこんなことまで論じているとは。素人目にはかなり面白い、ユニークな経済学だと感じた。概念の使い方が、他の経済学とまったく違う。しかし、まるっきりトンデモだとも思えない…