廣松渉『資本論の哲学』/中村亨『ガロアの群論』/手嶋龍一、佐藤優『インテリジェンス 武器なき戦争』

日曜日。曇。
カルコス。BOOK OFF。

廣松渉資本論の哲学』読了。

資本論の哲学 (平凡社ライブラリー)

資本論の哲学 (平凡社ライブラリー)

中村亨『ガロア群論』読了。ガロア理論の入門書。予備知識は高校一年の数学で大丈夫だろうし、可能な限りわかりやすくしてあると思うが、もともとの理論がむずかしいのだな。ガロア理論というのは、5次以上の方程式が代数的に解けないことを証明し、そればかりか、それを遥かに超えて現代数学に多大な影響を及ぼしたものである。本書のいいところは、現代的に整理された、抽象的なガロア理論ではなく、具体的な形を用いて、出来るだけガロアのオリジナルな思考を甦らそうとした点にあるだろう。
 しかし、ガロアがこれを考え付いたのが(現代日本でいう)高校生の頃で、二十歳のときに訳のわからない決闘で死んでいるのだから、本当に天才というのは…と誰しも思うだろう。自分は読んでいて、正直途中でちょっと息切れしました。かしこい高校生は挑戦してみるといい。本書が理解できれば、文庫でアルティンの本もあるよ。
ガロアの群論―方程式はなぜ解けなかったのか (ブルーバックス)

ガロアの群論―方程式はなぜ解けなかったのか (ブルーバックス)

ガロア理論入門 (ちくま学芸文庫)

ガロア理論入門 (ちくま学芸文庫)

手嶋龍一と佐藤優の対談本『インテリジェンス 武器なき戦争』読了。自ずとインテリジェンスの入門書になっている。
インテリジェンス 武器なき戦争 (幻冬舎新書)

インテリジェンス 武器なき戦争 (幻冬舎新書)


ブリテン弦楽四重奏曲第三番を聴く。二十世紀に書かれた弦楽四重奏曲の傑作たるを失わない。特に瞑想的な終楽章がいい。ベルチャ・カルテットも好演。
ブリテン:弦楽四重奏曲全曲集

ブリテン:弦楽四重奏曲全曲集