しまなみ海道・尾道家族旅行(第一日)

最近は車での旅行が多かったのですが、ひさしぶりに新幹線を使って、しまなみ海道尾道の二日間の家族旅行を楽しんできました。
 しまなみ海道は、広島県尾道愛媛県今治を、瀬戸内海の島々(大きな島は向島因島生口島大三島伯方島、大島の六つ)を経由して結ぶ、西瀬戸自動車道(59.4km)の愛称です。一度走ってみたかったんだよね。島々にいくつもの大きな橋が架かっていて、自転車や(やる気なら)歩いてでも渡れるし、実際そういう人たちも見かけました。
 
朝起きたらいい天気、自宅を七時半に出て、まずは車で東海道新幹線岐阜羽島駅まで。充分余裕をもって出たつもりでしたが、朝のラッシュ時で一時間かかり、列車の時間にちょうどぴったりくらいになってしまいました。
 岐阜羽島08:58発、途中新大阪(列車が少し遅れて乗り換えがあぶなかったです)と岡山で乗り換えて、新尾道11:16着。

新尾道駅です。新幹線の駅としては随分と小さい。ここは在来線と繋がっておらず、JR尾道駅とは車で15分くらい離れています。
 駅前のトヨタレンタカーでアクアを24時間借ります。すぐ近くの尾道ラーメン「東珍康(とんちんかん)」へ。

尾道ラーメンの並を注文しました。醤油ベースのとんこつスープに、細麺という感じ、おいしかったです。地元では結構有名な店のようで、繁盛していました。
 
国道2号を経由して西瀬戸尾道ICから、いよいよしまなみ海道に入ります。まずは川のような狭い海峡に架かる新尾道大橋をわたって、向島(むかいしま)へ、すぐに高速道路を降ります。
 島の中をゆっくり走ってみます。テキトーに「向島休憩所」ってところで車を駐めて降りてみました。

いや、瀬戸内って感じで、悪くないじゃないですか。

次にわたる因島大橋が見えます。飛行機雲二本。

四阿(あずまや)もあります。ここはしまなみ海道のサイクリングコースらしく、自転車の人が結構いました。島の外周道路を、海を見ながら車をゆっくり走らせます。
 
高速道路に戻り、次の因島(いんのしま)はスキップして、生口島(いくちじま)で降ります。島の西側の、向上寺へ。寺へ入っていく道がわかりにくかったです。

室町期の三重塔が国宝です。


お寺が小高いところにあるので、眼下に島の海沿いの集落が見えます。これも、瀬戸内らしかった。

桜がきれいでした。この旅行中、あちこちで桜はほぼ満開でしたね。
 
多々羅大橋を渡り、生口島から大三島(おおみしま)へ。ここまでは広島県、ここからが愛媛県です。まずは橋近くの、「道の駅 多々羅しまなみ公園」へ。

いま渡ってきた、多々羅大橋がよく見えます。なんだかよくわかりませんが、完成当時は「世界最大の斜張橋」だったということで、すごいんだそうです。きれいな橋ということはわかりますね。

道の駅から。ちょっと買い物(地元産の鯛みそ)をしたり。瀬戸内なので柑橘類の商品が多く、実際、島を走っているとレモンその他が植えられているのを見かけました。
 
 大三島を西へ、大山祇(おおやまづみ)神社を訪れます。ここは前から一度訪れてみたかった、伊予一宮です。歴史が非常に古く、既に『続日本紀』に名前が見えるそうで、おそらくはもっと古くに遡るのではないでしょうか。祭神は「大山積神」という、海の神様、武の神様で、瀬戸内海の海上交通に関係があるように思われます。静岡県三嶋神社と共に、神道の「三島・大山祇信仰」の中心です。

総門。


境内の老楠。樹齢2600年といいます。他にも、境内には古いクスノキがたくさんあって、国の天然記念物に指定されています。


室町期の拝殿(重文)。
以下、神社付属の国宝館へ。


国宝館。古来、武の神として信仰されていたため、源氏・平家のものを始め武具が多数奉納されてきた歴史があり、多数の国宝・重文があります。特に甲冑が有名で、わたしは若い頃、小林秀雄のエッセイで知りました。国宝館に鎧多数あり、中でも源頼朝源義経のそれぞれ奉納した鎧は、共に国宝です。義経のは、壇ノ浦海戦のあとに、戦勝祈願の叶ったことに対する奉納であったと説明がありました。なんとも生々しかったです。
 刀、薙刀類もあり、義経、弁慶などの奉納、刃こぼれがいくつも見られ、これもちょっと身震いするほどでした。
 国宝館の隣には海事博物館もあったのですが、時間の関係や疲れていたこともあって、中には入りませんでした。

神社隣のみやげ物屋で、ソフトクリームを買って食いました。なんかきれいな、めずらしい声で鳴いている鳥がいるなと思って、ズームして撮ってみました。イソヒヨドリという鳥のようです。
 
また高速へ戻り、伯方島(はかたじま)、大島はスキップして、四国に入ります。今治市です。
 今夜は市内の「スーパーホテル今治」に、朝食のみのプランで泊まります。人件費節約型のまだ新しいビジネスホテル(?)ですが、風呂は温泉です。接客にわずらわされることもなく、却って気楽でいいですね、チェックアウトの手続きすらありません。
 夕食はホテルから歩いて10分ほどの居酒屋「陣」にて。家族三人で利用するにはぴったりの気楽で感じのよい店で、食べ物もおいしく、とても楽しい時間を過ごしました。今治のあたりは海水の流れが速くて魚がよいようですが、刺し身盛り合わせとかうまかったです。もう皆んな歳をとったので量はあまり食べられないのですが、それでも結構食べて飲みました。僕は、温泉旅館の懐石料理より、こういうのの方が好きですね。
 ホテルは老両親とわたしは別々の部屋をとってもらえたので、夜は静かにネットを見たりしてすごしました。iPad mini でしばらくマンガを読んでから、気持ちよく寝ました。

こともなし

未明起床。強い雨
 
NML で音楽を聴く。■モーツァルトピアノ三重奏曲第五番 K.542 で、演奏はサバディ、オンツァイ、グヤーシュ(NMLCD)。■モンポウの「内なる印象」で、ピアノはオレナ・クシュプラー(NMLCD)。このピアニストはよほどわたしに合うんだな。
 
スーパー。小雨(こさめ)で少し寒い。
 
昼。晴れる。

今日の桜。

落花。雨でだいぶ散った。

ブルーベリーの花。

花蘇芳(ハナズオウ)。
 
ミスタードーナツ イオンモール各務原ショップ。塩キャラメルフレンチ+ブレンドコーヒー473円。
チョ・ナムジュ『サハマンション』(原著2019)を読み始める。ディストピアものの長篇、というところかな。巨大企業の独裁統治する管理都市国家「タウン」の中の、「住民(L, L2)」から外れた者の住む「サハマンション」で事件が起きる、それを描いているようだ。陰鬱な雰囲気がただよっている。訳者は斎藤真理子さん。
 
外気20℃を超える。那加駅近くの陸橋から北に見える低い山々の連なりが、雨で洗われたような緑で美しい。
 
ブログ本(2024.1.1~2024.3.31)落掌、読み始める。
 
夜。
ブログ本一冊読み終える。中身はまずまずだな。

丸山善宏『万物の理論としての圏論』

曇。
 
NML で音楽を聴く。■コダーイの「ハンガリーのロンド」で、演奏はオルフェウス室内管弦楽団NML)。

スカルラッティソナタ K.132 で、ピアノはフー・ツォン(NML)。メンデルスゾーン交響曲第四番 op.90 で、指揮はパーヴォ・ヤルヴィチューリッヒ・トーンハレ管弦楽団NML)。いわゆる「イタリア」交響曲メシアンの「彼方の閃光」で、指揮はサイモン・ラトルベルリン・フィルハーモニー管弦楽団NML)。60分、しんどかったー、もうダメ死にそう。Wikipedia によると、メシアンが最後に完成させた管弦楽作品であるそう。メシアンは武満と共に20世紀現代音楽の最高峰であるが、どの曲もとにかく長いし、中身が詰まっていて、しんどいので、聴くのをつい躊躇してしまう。もっと聴かないと、とは思うのだが。 
昼。雨。
老母が木蓮の大量の落花を片づけるのを、メシアンをヘッドホンで聴いていて気づかず手伝わなかったので、昼食にわたしが高山ラーメンを作って三人で食う。
 
スカルラッティソナタ K.73, 82, 27, 380, 483, 124, 151, 256, 206, 11, 255 で、ピアノはフー・ツォン(NML)。午前中にピックアップしておいたアルバムを、全曲一気に聴いてしまった。演奏もいいし、曲の選択がよくて、わたしの好きな曲がいっぱい収録されている。フー・ツォン(傅聰、1934-2020)は中国出身のピアニスト。わたしは 2022.1.14 に彼のベートーヴェンを聴いて感心している。■吉川隆弘(初めて聴く、1973-)のピアノでベートーヴェンのピアノ・ソナタ第一番 op.2-1 の第一楽章を聴く(NML)。かっちりとしたピアノ、射程はあまり大きくない。ちょっと音が汚いんじゃないか。
 
インスタントコーヒーとかっぱえびせんで休憩する。
小雨(こさめ)。今日の桜。


葉が出始めている。

フリージア
 
図書館から借りてきた、丸山善宏『万物の理論としての圏論』(2023)さらっと読了。圏論の本というよりは、「圏論的に」考えてみた、という本のよう。圏論というのは万物を結びつけていこうとするものなので、アプローチは相同的、抽出的、メタフォリカルになる。構造たちにおける同一性(アイソモルフィズム)の抽出。なーんつって。 
夜。
開戦から6カ月、イスラエルとガザの現状をBBC国際編集長が報告(BBC) - YouTube
 
NHK+ で NHKスペシャル「Last Days 坂本龍一 最期の日々」を観る。途中で観るのを止めるべきだったかも知れない。ターミナルケア、酸素マスクを着けた死の二日前の嗚咽する表情、そして亡くなる一時間前、意識を失った指の動きまで放送している。ひどい番組だった。
 
バシュラールを読んで寝る。

岡真理『彼女の「正しい』名前とは何か』

日曜日。昧爽起床。もう五時くらいから明るくなり始めている。
薄曇り。
 
NML で音楽を聴く。■モーツァルトの弦楽五重奏曲第三番 K.515 で、演奏はクイケン四重奏団、ヴァイオリンは寺神戸亮NMLCD)。クイケンQ のモーツァルト、実力がありすぎて(?)めっちゃしんどい。■グリーグのヴァイオリン・ソナタ第三番 op.45 で、ヴァイオリンはオーギュスタン・デュメイ、ピアノはマリア・ジョアン・ピリスNMLCD)。■シュトックハウゼンピアノ曲 I~IV で、ピアノはデイヴィッド・チューダー(NML)。チューダーは「テュードア」などとも表記される、現代音楽のスペシャリストとして有名なピアニスト。ジョン・ケージに多大なインスピレーションを与えたことでも知られる。1959年の録音。

Klavierstucke

Klavierstucke

Amazon
そういや、ポリーニは結局シュトックハウゼンを録音することなく死んでしまったな。あと、リストの超絶技巧練習曲も録音しなかった。■ブルーノ・マントヴァーニの「ソナーレ」で、ピアノはクレール・デゼール(NMLCD)。■ラヴェルの「スペイン狂詩曲」で、指揮は小澤征爾ボストン交響楽団NMLCD)。小澤征爾の音楽ほど、繊細な表現と爆発的なダイナミズムが平然と同居しているそれはないな。驚いてしまう。
 
リゲティのピアノ協奏曲で、ピアノはディミトリ・ヴァッシラキス、指揮はピエール・ブルーズ、アンサンブル・アンテルコンタンポラン(NML)。リゲティは既に古典だな。若い人になら、いってみれば「お前、リゲティくらい聴いておけよ」的な。ところでピエール・ブルーズ(1977-)って、ブーレーズじゃないのね。紛らわしい笑。プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第一番 op.19 で、ヴァイオリンはサラ・チャン、指揮はサイモン・ラトルベルリン・フィルハーモニー管弦楽団NML)。サラ・チャンは初めて*1聴く。 

 
昼。晴れる。
昼飯に筍を食う。鰹だしと醤油、砂糖、みりんで炊いたとのこと。
 
Ruby で簡単な論理パズルを解く。
かけっこのパズル(Ruby) - Camera Obscura
『一郎、二郎、三郎の三人で駆けっこをして、その結果を次のように言っています。
一郎:「僕は一番じゃない」
二郎:「僕は一番だ」
三郎:「僕は二番だ」
三人のなかで一人だけウソをついています。それは誰でしょう?』
考えれば解けるので、よろしければどうぞ。答えはリンク先にあります。
 

 
珈琲工房ひぐち北一色店。コーヒーチケットを買う(9枚綴りで4200円)。
岡真理さんの『彼女の「正しい』名前とは何か』の続きを読む。傲慢の罪。本書はわたしの精神の鑢(やすり)である。試金石といってもいいかも知れない。
 ある日本人フェミニストが、こう言ったそうだ。「これからは、日本がリーダーシップをとって、アジアにもフェミニズムを教えていかなくてはね。」これを聴いて、あるアラブ人留学生が、小さな嘆息とともにこう著者につぶやいたそうである。「でも、これって、知的コロニアリズム植民地主義)ですよね。」そして、沈黙。(p.156)たぶん、偏見は傲慢から生まれる。
 本書とは関係ないことだが、わたしは中井久夫さんが最晩年にカトリックの洗礼を受けられたことを思い出した。中井さんは、なぜそうしたのか。己のヒュブリスゆえに、と答えられたそうである。あの中井先生が、ヒュブリスの罪? では、わたしなどがヒュブリスから逃れられないのも、当たり前かも知れない。わたしたちには、わたしたちを研ぐ、精神の鑢なる存在が必要なのだ。
 
今日の桜。

外気25℃で、もう暑いくらいだな。
 
図書館から借りてきた、岡真理『彼女の「正しい』名前とは何か』(新装版2019)読了。副題「第三世界フェミニズムの思想」。第三章「責任=応答可能性(レスポンシビリティ)」と終章は特に難解だ。しかし、本書はむずかしくとも、読む価値があると思う。著者はできるだけ「誠実」であろうとしているように、そのために現状を知ろうとし、徹底して考え抜いているように、わたしには見える。問題を「人ごと」にしない、自分のこととして考える。これは、貴重な態度だ。
 本書を読むと、わたしごときに傲慢と偏見から逃れることはムリだなと痛感する。でも、その「ムリという感覚」に、安住してしまってはいけないのだろうな。「精神の鑢」の必要性。
 著者の本は、『ガザに地下鉄が走る日』から読むといいと思う。 
#
 
夜。
一日が終わるの、早すぎるな。一生、あっという間だ。
 
旦那が何を言っているかわからない件 2スレ目』(2015)第13話(最終話)まで観る。一話3分半のショートアニメの2期。あいかわらずおもろ。オタクの旦那と普通人(?)のカオルちゃんのイチャコラアニメ、御馳走様でした。それでも夫婦はうまく行き得るという、まあそうなんだろうな。わたしはオタクでないので(そんなのはわたしごとき凡人にはムリである笑)、旦那の方が何をいってるのか、よくわからないところが多い。てか、夫婦って何なのか、そちらもよくわからない。ま、そんなこと、どうでもいいんだが。シンプルに、笑いました。

*1:と思ったら、そうじゃなかったみたい。参照

こともなし

深夜起床。
PCの電源を入れる。椅子に座って長時間ぼーっとする。
曇。
 
NML で音楽を聴く。■モーツァルトピアノ三重奏曲第四番 K.542 で、演奏はサバディ、オンツァイ、グヤーシュ(NMLCD)。清潔で気持ちのよい演奏。作為というものがまったくない。■ハイドンピアノ三重奏曲第十四番 Hob.XV:14 で、演奏はトリオ・ヴァンダラー(NML)。軽妙なハイドン

グリーグのヴァイオリン・ソナタ第二番 op.13 で、ヴァイオリンはオーギュスタン・デュメイ、ピアノはマリア・ジョアン・ピリスNMLCD)。■ウィリアム・バードの パヴァンと二つのガイヤルド第二番 イ短調「ソールズベリー伯爵のパヴァン」、「鐘」、「おお、わが愛しの人よ」、第二グラウンドで、ピアノはキット・アームストロング(NMLCD)。中世の音楽、いいな。
 
少し Ruby で遊ぶ。AtCoder
スーパー。五倍ポイントの日。筍(タケノコ)を買う。
 
モズの子が餌を求めて鳴かなくなった。ひとり立ちしたのだと思う。
 
長時間、昼寝。
 
桜がほぼ満開になった。


ネモフィラ

シャガも咲いた。
 
 
「スマートEX」で予約した切符を発券するため、JR岐阜駅へ。券売機で発券したのだが、操作がいまひとつわかりにくく、駅員に訊きたかったが駅員もいそがしく、後ろもずらっと並んでいるし、エイヤッとやったら正解だった。疲れたー。パスワードが必要とかも考えてなくて、昨日アカウントを作ったばかりで覚えていたので、よかったし。はー。
 
家へ帰って疲れているせいか、お茶の入っている容器を盛大にひっくり返して、あたりを大洪水にする。
 
夜。
『君に届け 3RD SEASON』 予告編 1 - Netflix Anime | YouTube
 
バシュラール『水と夢』を読み始める。
早寝。

最相葉月『中井久夫 人と仕事』

曇。
 
図書館から借りてきた、『吉本隆明全集27(1992-1994)』を読み終える。吉本さんの全集は通読ではなく、拾い読みしているだけであるが、本書はたぶん隅々まで読んだ。本書の執筆年代はちょうどわたしが学生のときに当たっていて、ここまで来ると同時代を生きたという感覚が強く、感慨におそわれる。吉本さんのファンというのは、その書いたもののファンと、吉本さんの人柄のファンと、両方いると思うが、わたしは書き物から滲み出る人格のファンなのかも知れない。
 吉本さんをあまり読んだことのない人には、大理論書もいいけれど、吉本さんの片々たる文章をお勧めしたい。吉本さんの世界はすべてがつながっており、どこを読んでも吉本さんである。例えば下らないテレビの下らない感想を読んで、大思想家って下らないんだなって軽蔑するのもいいだろう。わたしは逆で、そんな吉本さんも好きであるし、得るところが多い。大理論の方は、ここでは書かない。

 
 
新幹線の切符をネットで事前予約・購入してみようと調べたのだけれど、「スマートEX」というのでは、結局駅の券売機で切符を手に入れないといけないのだな。交通系ICカードがあればそれに電子的に紐付けて、そのまま自動改札を通れるみたいだけれど、交通系カードは残念ながらもっていないのだよ。
 
 
パガニーニ/ヴァイオリン協奏曲 第1番 |HIMARI - ケリ-リン・ウィルソン - NHK交響楽団 | YouTube
ネットで「小学生の天才少女」として話題になっていた HIMARI (吉村妃鞠、2011-)さんを初めて聴いてみた。わたしはパガニーニをほとんど聴かないので、よく判断できないとは思うのだが、何となく五嶋みどりさんみたいなのを想像していたところ、どこまでものびやかで素直なヴァイオリンが聴こえてきたので、ちょっと意外な感じがした。結構、地味というか。射程は充分広く、技術もわたしにわかる限りでは、見事である。ただ、音楽が心にくい込んでくる、というようなところが弱いのは、年齢からして仕方がないのか。正直いって、音楽としては伴奏のケリー=リン・ウィルソン(初めて聴く。「ケリ-リン」という表記はあまりないようだ)の方が、何というか、大人で、手応えがある感じがした。この曲はわたしにはあまりおもしろくないのだが、それを強い個性で聴かせてみせる、みたいなところはなかった。
 でも、そうだな、こういう素直なのびやかさっていうのは、努力では決して得られないものなんだよね。気持ちがいいというか、そういう魅力はある。これを、いまは小さい音楽家が、ずっともっていられるものか、わからないけれども。アンコールのバッハ(BWV1001 のアダージョ)でも、同じことを感じた。素直でのびやかなバッハ。悲しみもないことはない、バッハの音楽はすばらしい、ということは、伝わってくる。
 なお、N響はいいオーケストラだなって。ヨーロッパやアメリカのオケとはまたちがい、なんかN響にしかないフレッシュな魅力があると思う、ついでながら。2023.3.11 のライブ録音。
 
昼。
HIMARI | Beethoven Violin Sonata No,7 Op.30-2 / Curtis Recital 12years old | YouTube
HIMARI さんのベートーヴェンを冒頭数分、ちょっとだけ聴いてみる。技術的には何の問題もなさそう、しかしベートーヴェンとしては凡庸。上に書いたよさもだいたい同じ。あとでその気になったら全曲聴いてみます。
 

 
窓口で新幹線の予約をしようと JR岐阜駅を訪れるも、定期券関連か、窓口が大混雑。なので券売機でやってみると、指定席の確保、乗車券の同時購入など、必要な入力を済ませて確認までし、あとは発券というところで、なんか「お取り扱いできません/窓口でお訊ね下さい」とかいうような文字が。でも、窓口は大混雑だし、あきらめてがっくりする。
 
県図書館。最相(さいしょう)葉月『中井久夫 人と仕事』(2023)、ガストン・バシュラール『水と夢』(邦訳2008)、岩田慶治道元との対話』(文庫版2000)、丸山善宏『万物の理論としての圏論』(2023)、『吉本隆明全集28』(2022)などを借りる。
 ついでに県美術館を訪ねようと思っていたのだが、なんだかがっくりした気持ちを引きずっていて止める。
 
ミスタードーナツ バロー市橋ショップ。ポンデ宇治抹茶 和三盆わらびもち+ブレンドコーヒー528円。
 いま借りたばかりの『中井久夫 人と仕事』を読み始める。目頭を熱くしながら読む。我々はなんでこんなに空疎になってしまったのか。それにしても、「才能」「天才」とやらはいくらでも豊富に存在するのに、心底から実力のある真摯な人材がまったくいない(というのは、いいすぎなんだろうが)この現代日本というのはどうなっているのか、などとつい思ってしまう。例外は、(無知なわたしの知る限り)中沢さんや玄侑さん、細野さんくらいか。そもそも、(精神の)貧しい自分が、かつての日本人に対して恥ずかしい。
 

 
結局、新幹線の予約は「スマートEX」に会員登録して、それでクレジットカード支払いでやった。あとは後日再び JR岐阜駅へ行って、発券してくる。わたしはスマホをもっていないからね。やー、めんどうだった。
 
夜。
図書館から借りてきた、最相葉月中井久夫 人と仕事』読了。わたしのよく知らなかった晩年の中井久夫さんの話が興味深かった。先生はコミットして、世界をやさしさへ変えていく人だな。わたしの孤独であり、誰とも関わらず、何もしないところが、先生といちばんちがう点であろうか。って、比較自体が不遜であるが。
 先生の若き日の「風景構成法」が、河合隼雄先生との沸き立つような会話にヒントを得たというのは、まことにおもしろいな。河合隼雄と、中井久夫
 県図書館に『中井久夫集』があるから、読まないといけないな。「いまは人のために尽くしたい、人を喜ばせたいという人が理解されない時代ですね。」(中井久夫の言葉、p.137)

原塁『武満徹のピアノ音楽』

晴。空青けれど薄雲多し。
 
洗濯。
桜が二分咲きくらいだ。天にヒバリが鳴き、モンシロチョウたちが絡み合う。
 
NML で音楽を聴く。■ブラームスのピアノ協奏曲第二番 op.83 で、ピアノはマウリツィオ・ポリーニ、指揮はクラウディオ・アバドウィーン・フィルハーモニー管弦楽団NML)。先日藤田真央のピアノでこの曲を聴いたせいか、昔 CD で繰り返し聴いた録音をひさしぶりに聴きたくなった。
 今回気づいたのは、ホール(ムジークフェラインザール)の残響が強いということ。もちろん曲に合わせた意図的な選択だろう、しかし、終楽章など、それで細かい部分が聴き取りにくくなっているのはある。それから、若きポリーニの爆発ぶりはここでもそうだが、アバドウィーン・フィルから飛んでもない厳しい音を引き出しているということ。これはかつてはっきりと聴けていなかったな。第二楽章なんか、ポリーニアバドの迫力に圧倒される。
 なんにもわかっていなかったひよっ子の頃、アバドはあんまり好きじゃないとか思ってたんだよね。いや、いま、好きというよりかは、敬意を抱いている、抱かざるを得ないって感じかも。特に晩年の録音は、何を聴いてもすばらしいと思っている。
 しかし、あらためて凄い演奏だね。若い頃から聴いてきたけれど、いまだに消化し切れていないわたしはほんと凡人。1970年代の可能性は、まだ尽きていないな。
 ポリーニはのちに、この曲を(また)アバドティーレマンと再録音している。これは1976年の録音。
 ちなみにこの曲はリヒテル、ギレリス、バックハウスなど、超一流のピアニストの超一流の演奏が録音で残っていて、わたしは他の演奏をあんまり覚えていないようだ。

 

 
昼。曇。
高山ラーメンを作る。もやし入りチャーシュー麺+生卵。チャーシューは肉屋の焼豚。ひとりで作ると結構あれこれ忙しい。
 
桜、半日で五分咲きくらいになった。きれい。
 
図書館から借りてきた、原塁『武満徹のピアノ音楽』(2022)読了。京都大学の大学院生の博士論文(に加筆修正したもの)で、わたしのような平凡な音楽好きを置き去りにした専門的著作であるが、わかる範囲ではそれなりにおもしろくて、興味深く読み終えた。僕は武満さんが好きなんだが、ほんと無手勝流の無知で聴いているなって、呆れる。ま、しかし、それでいいんだと思っている。瀧口修造は既に読み続けているけれど、本書を読んで、大江健三郎の未読小説は、きちんと読まないとなって思った。あと、バシュラールも以前から読まないとって思っていたので、図書館で探して読もう。生きるとは基本的に偶然的であり、よく生きるとはよく偶然に対処するということであるが、本書のように人の生涯を一望してしまうと、それがすべて必然になってしまう。まあ、仕方のないことではあるが、書き手がそれをきちんと意識しているかは重要だ。武満さんの生涯も、よく偶然に対処したそれだったに、きまっている。
 
金柑を食う。さすがに少しみずみずしさが失われてきたかな。でも甘い。
 
夜。
老母、だいぶ回復する。夕飯にトマト煮込みハンバーグとブロッコリーのチーズ焼きを作って食う。
 
『お隣の天使様…』二日間ですべて観返してしまった。何周目?いやもう、自分の幼稚さが恥ずかしいわ笑。特に前半が好きなんだけど。
 2期制作決定してるけれど、これ以上ハマるとはちょっと思えないな。よく作画崩壊しているっていわれるけれど、確かにそれは否めない、低予算アニメだよね。だからといっておもしろくないわけではないのが、おもしろいのだー。後半は真昼ちゃんがもう肉食獣で、周(あまね)君タジタジなのがホラーである。
 観終えてリコメンドに出てきたのが、『式守さん』だった笑。こういう系好きな奇特な人には、『トニカクカワイイ』をおすすめしておくよ。たぶん凡人には、砂糖成分が多すぎて、耐えられないと思う。我々のような突き抜けた超人しか観られません。
 
早寝。