原塁『武満徹のピアノ音楽』

晴。空青けれど薄雲多し。
 
洗濯。
桜が二分咲きくらいだ。天にヒバリが鳴き、モンシロチョウたちが絡み合う。
 
NML で音楽を聴く。■ブラームスのピアノ協奏曲第二番 op.83 で、ピアノはマウリツィオ・ポリーニ、指揮はクラウディオ・アバドウィーン・フィルハーモニー管弦楽団NML)。先日藤田真央のピアノでこの曲を聴いたせいか、昔 CD で繰り返し聴いた録音をひさしぶりに聴きたくなった。
 今回気づいたのは、ホール(ムジークフェラインザール)の残響が強いということ。もちろん曲に合わせた意図的な選択だろう、しかし、終楽章など、それで細かい部分が聴き取りにくくなっているのはある。それから、若きポリーニの爆発ぶりはここでもそうだが、アバドウィーン・フィルから飛んでもない厳しい音を引き出しているということ。これはかつてはっきりと聴けていなかったな。第二楽章なんか、ポリーニアバドの迫力に圧倒される。
 なんにもわかっていなかったひよっ子の頃、アバドはあんまり好きじゃないとか思ってたんだよね。いや、いま、好きというよりかは、敬意を抱いている、抱かざるを得ないって感じかも。特に晩年の録音は、何を聴いてもすばらしいと思っている。
 しかし、あらためて凄い演奏だね。若い頃から聴いてきたけれど、いまだに消化し切れていないわたしはほんと凡人。1970年代の可能性は、まだ尽きていないな。
 ポリーニはのちに、この曲を(また)アバドティーレマンと再録音している。これは1976年の録音。
 ちなみにこの曲はリヒテル、ギレリス、バックハウスなど、超一流のピアニストの超一流の演奏が録音で残っていて、わたしは他の演奏をあんまり覚えていないようだ。

 

 
昼。曇。
高山ラーメンを作る。もやし入りチャーシュー麺+生卵。チャーシューは肉屋の焼豚。ひとりで作ると結構あれこれ忙しい。
 
桜、半日で五分咲きくらいになった。きれい。
 
図書館から借りてきた、原塁『武満徹のピアノ音楽』(2022)読了。京都大学の大学院生の博士論文(に加筆修正したもの)で、わたしのような平凡な音楽好きを置き去りにした専門的著作であるが、わかる範囲ではそれなりにおもしろくて、興味深く読み終えた。僕は武満さんが好きなんだが、ほんと無手勝流の無知で聴いているなって、呆れる。ま、しかし、それでいいんだと思っている。瀧口修造は既に読み続けているけれど、本書を読んで、大江健三郎の未読小説は、きちんと読まないとなって思った。あと、バシュラールも以前から読まないとって思っていたので、図書館で探して読もう。生きるとは基本的に偶然的であり、よく生きるとはよく偶然に対処するということであるが、本書のように人の生涯を一望してしまうと、それがすべて必然になってしまう。まあ、仕方のないことではあるが、書き手がそれをきちんと意識しているかは重要だ。武満さんの生涯も、よく偶然に対処したそれだったに、きまっている。
 
金柑を食う。さすがに少しみずみずしさが失われてきたかな。でも甘い。
 
夜。
老母、だいぶ回復する。夕飯にトマト煮込みハンバーグとブロッコリーのチーズ焼きを作って食う。
 
『お隣の天使様…』二日間ですべて観返してしまった。何周目?いやもう、自分の幼稚さが恥ずかしいわ笑。特に前半が好きなんだけど。
 2期制作決定してるけれど、これ以上ハマるとはちょっと思えないな。よく作画崩壊しているっていわれるけれど、確かにそれは否めない、低予算アニメだよね。だからといっておもしろくないわけではないのが、おもしろいのだー。後半は真昼ちゃんがもう肉食獣で、周(あまね)君タジタジなのがホラーである。
 観終えてリコメンドに出てきたのが、『式守さん』だった笑。こういう系好きな奇特な人には、『トニカクカワイイ』をおすすめしておくよ。たぶん凡人には、砂糖成分が多すぎて、耐えられないと思う。我々のような突き抜けた超人しか観られません。
 
早寝。