養老孟司&山極寿一『虫とゴリラ』 / 「ゲーマーズ!」(2017)を観る

晴。
精神の回転と流動性を妨げるストッパーを潰していくこと。ここでも基本から。
 
この数日、寒いな。いったんひどく暖かくなってからのせいもあるかも知れない。
 
NML で音楽を聴く。■モーツァルトの弦楽五重奏曲第四番 K.516 で、演奏はクイケン四重奏団、ヴァイオリンは寺神戸亮NML)。クイケンQ のモーツァルトはよいな。こんなによいモーツァルトはまことに稀である。

 
昼。
シェーンベルク弦楽四重奏曲第四番 op.37 で、演奏はプラジャーク・クヮルテット(NMLCD)。シェーンベルク弦楽四重奏曲にずっと挑戦し続けてきたが、いまだに歯が立たないと感じる。彼の音楽の中でも、ひときわむずかしいそれのように思える。■ベント・セアンセン(1958-)の「Alman」で、演奏はアルディッティ弦楽四重奏団NMLCD)。
 
 
ミスタードーナツ イオンモール各務原ショップ。きなこリング+ブレンドコーヒー451円。
 養老孟司&山極寿一『虫とゴリラ』(2020)を読み始める。第五章まで読んだ。養老先生は虫、山極先生はゴリラ(類人猿)と、概念や情報に還元されてしまわないリアルへの通路をもっている人たちだから、仰ることにいちいち内実がある。わたしは共感することばかりだ。もう、こういう人たちがアカデミズムにいる(いた)というのは、最後の世代かもしれないな。
 若い人にお勧め。たぶん、読んでもよくわからないだろうが、本当に中身のある、豊かであるというのはそういうことなのである。「情報操作」や「概念分析」としての本ではないんだから。
 
イオンモール3F の未来屋書店がリニューアルされたので、寄ってきた。本を減らして文具を増やすとか、そういうのを予想していたが、棚の背を高くし、通路も狭くして、本の量が増えたかも知れない。意外。中沢さんの『精神の考古学』があったし、またシモーヌ・ヴェイユアドルノなどもあった。いずれにせよ、いまの本屋というものは(わたしには)気が滅入る場所だが。
 
 
図書館から借りてきた、養老孟司&山極寿一『虫とゴリラ』読了。いちいち共感しながら読み終えた。いわば「希望」を探す本だが、わたしには既に七割くらいは「絶望」しかない。
 言語化されていないものが、見えず、いわば「存在」していない。概念化され、システム化した「モノと情報の操作」だけで生きる時代が既に来ている。我々個人個人の「生命としての自分」は、もはや社会システムからはみ出たノイズに過ぎないという話が、本書にあった。これが世界中で遅かれ早かれ極限まで進み、人間からリアルが消滅する時代が来ると思っているし、一部の人はもはやそうなっているとも思う。我々は、言葉で覆われた日常にリアルを欠いて(ハイデガーのいう存在忘却)、いったい何のために生きているのか、って素朴な疑問が最重要になっている。これが、我々にはもうわからなくなっているのだ。しかし、人新世の時代になって、世界史規模の巨大なカタストロフィが起きて、既存の社会システムの多くが破壊され、世界が一変してしまうことが、ないとはいえないが。ただそれを、「希望」とは呼べまい。
 
 
夜。
Brian Eno - All I Remember | YouTube
 
ゲーマーズ!』(2017)第12話(最終話)まで観る。なるほど、こういう終わりか、最終話はサービス回で、温泉回なわけね。ま、星ノ守さんは負けヒロイン確定して、でもゲーム同好会は仲良く続くわけだ。ほぼハッピーエンドといっていいだろう。コメディ色の強いラブコメで、おもしろかったな。