日曜日。曇。
NML で音楽を聴く。■モーツァルトのディヴェルティメント 変ロ長調 K.254、ピアノ三重奏曲第一番 K.496 で、ヴァイオリンはオーギュスタン・デュメイ、チェロはジャン・ワン、ピアノはマリア・ジョアン・ピリス(NML、CD)。名手たちの肩の凝らないモーツァルトを、音量を絞って聴く。特にピリスはいわば凡庸の(女)王だな。超一流としての凡庸。もちろん凡庸といったって、めったにできるものではない、というか、彼女以外に可能でない。わたしはピリスをずっと聴いてきたし、これからもたぶん聴くだろう。
八十年代は精神の商品化、コンテンツ消費の濫觴だな。って、別にめずらしい考え方でも何でもないけれど。
■グリーグのヴァイオリン・ソナタ第一番 op.8 で、ヴァイオリンはオーギュスタン・デュメイ、ピアノはマリア・ジョアン・ピリス(NML)。
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昼。時雨れるというか、冷たい雨。
図書館。
コメダ珈琲店各務原那加住吉店にて昼食。いつものミックストースト+ブレンドコーヒー1160円。ホッとするな。おいしい。
長時間ぼーっとする。
●モーツァルト/ピアノ協奏曲 第24番|北村朋幹 - 熊倉優 - NHK交響楽団 | YouTube
昨日シューマンがよかった熊倉優の指揮する K.491 の動画を見つけたので、聴いてみた。シューマンのときも思ったが、この人の棒でN響から目の覚めるような、フレッシュな音が出てくる。解釈とか何とかいうよりも、それがとても印象的で、すばらしい。
北村朋幹(わたしはまったく知らない)のピアノは、才能を感じないことはないが、とにかくモーツァルトに合っていない。カデンツァや、付けている装飾音から、ロマンティックな音楽を得意としていると推測できるが(K.491 はモーツァルトの中では確かにロマンティックにも演奏できそうである)、特に第一楽章がひどかった。演奏会なら直ちに席を立つレヴェルである(実際にそんなことはしないが笑)。(第二、三楽章はそれなりに聴けた。)実際、アンコールのリスト「ワレンシュタットの湖で」(「巡礼の年 第一年 スイス」から)は悪くなかった。ただ、もし世界を目指しているというのなら、この程度のピアニストは掃いて捨てるほどいると思う。がんばってほしい。
追記。北村朋幹(1991-)、はてなブログタグでも、Google検索でも結構引っ掛かる。なるほど、日本で期待されているピアニストなのだな。まだまだ先は長いよ。
夜。
備忘録。マウリツィオ・ポリーニ死去。享年八十二。
とうとうポリーニも死んだか。浅田さんが若い頃、「最後のピアニスト」と呼んだポリーニ。グレン・グールドと共に、わたしの出発点のひとつだった。ポリーニはいつ頃からか、壊れてしまい、豊かな晩年を送ることはできなかった。これで、わたしの音楽家というべき人は、ほぼすべて死んでしまったな。残るは細野さんくらいか。