こともなし

日曜日。曇。
 
NML で音楽を聴く。■モーツァルトのディヴェルティメント 変ロ長調 K.254、ピアノ三重奏曲第一番 K.496 で、ヴァイオリンはオーギュスタン・デュメイ、チェロはジャン・ワン、ピアノはマリア・ジョアン・ピリスNMLCD)。名手たちの肩の凝らないモーツァルトを、音量を絞って聴く。特にピリスはいわば凡庸の(女)王だな。超一流としての凡庸。もちろん凡庸といったって、めったにできるものではない、というか、彼女以外に可能でない。わたしはピリスをずっと聴いてきたし、これからもたぶん聴くだろう。
 
八十年代は精神の商品化、コンテンツ消費の濫觴だな。って、別にめずらしい考え方でも何でもないけれど。
 
グリーグのヴァイオリン・ソナタ第一番 op.8 で、ヴァイオリンはオーギュスタン・デュメイ、ピアノはマリア・ジョアン・ピリスNML)。

シューマン交響曲第三番 op.97 で、指揮はヘルベルト・フォン・カラヤンベルリン・フィルハーモニー管弦楽団NML)。1971年の録音。熊倉優+N響の同曲を昨日聴いたので、なんとなく他に誰かの演奏で聴いてみたかった。いやー、かつての日本の批評家がカラヤンを理解しなかったって非難されるけれど、ムリもないよね。だってカラヤン、あまりにも巨大で中身が詰まってるんだもん。たぶん彼らは、非常識的な音楽を聴いて、あたまがくらくらしちゃったんじゃないかな。でも、いまだって事情は大差ないよねって、わたしは思う。
シューマン:交響曲全集

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昼。時雨れるというか、冷たい雨。
図書館。
コメダ珈琲店各務原那加住吉店にて昼食。いつものミックストースト+ブレンドコーヒー1160円。ホッとするな。おいしい。
 
長時間ぼーっとする。
 
モーツァルト/ピアノ協奏曲 第24番|北村朋幹 - 熊倉優 - NHK交響楽団 | YouTube
昨日シューマンがよかった熊倉優の指揮する K.491 の動画を見つけたので、聴いてみた。シューマンのときも思ったが、この人の棒でN響から目の覚めるような、フレッシュな音が出てくる。解釈とか何とかいうよりも、それがとても印象的で、すばらしい。
 北村朋幹(わたしはまったく知らない)のピアノは、才能を感じないことはないが、とにかくモーツァルトに合っていない。カデンツァや、付けている装飾音から、ロマンティックな音楽を得意としていると推測できるが(K.491 はモーツァルトの中では確かにロマンティックにも演奏できそうである)、特に第一楽章がひどかった。演奏会なら直ちに席を立つレヴェルである(実際にそんなことはしないが笑)。(第二、三楽章はそれなりに聴けた。)実際、アンコールのリスト「ワレンシュタットの湖で」(「巡礼の年 第一年 スイス」から)は悪くなかった。ただ、もし世界を目指しているというのなら、この程度のピアニストは掃いて捨てるほどいると思う。がんばってほしい。
 追記。北村朋幹(1991-)、はてなブログタグでも、Google検索でも結構引っ掛かる。なるほど、日本で期待されているピアニストなのだな。まだまだ先は長いよ。
 
夜。
備忘録。マウリツィオ・ポリーニ死去。享年八十二。
とうとうポリーニも死んだか。浅田さんが若い頃、「最後のピアニスト」と呼んだポリーニグレン・グールドと共に、わたしの出発点のひとつだった。ポリーニはいつ頃からか、壊れてしまい、豊かな晩年を送ることはできなかった。これで、わたしの音楽家というべき人は、ほぼすべて死んでしまったな。残るは細野さんくらいか。