岡真理『彼女の「正しい』名前とは何か』

日曜日。昧爽起床。もう五時くらいから明るくなり始めている。
薄曇り。
 
NML で音楽を聴く。■モーツァルトの弦楽五重奏曲第三番 K.515 で、演奏はクイケン四重奏団、ヴァイオリンは寺神戸亮NMLCD)。クイケンQ のモーツァルト、実力がありすぎて(?)めっちゃしんどい。■グリーグのヴァイオリン・ソナタ第三番 op.45 で、ヴァイオリンはオーギュスタン・デュメイ、ピアノはマリア・ジョアン・ピリスNMLCD)。■シュトックハウゼンピアノ曲 I~IV で、ピアノはデイヴィッド・チューダー(NML)。チューダーは「テュードア」などとも表記される、現代音楽のスペシャリストとして有名なピアニスト。ジョン・ケージに多大なインスピレーションを与えたことでも知られる。1959年の録音。

Klavierstucke

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そういや、ポリーニは結局シュトックハウゼンを録音することなく死んでしまったな。あと、リストの超絶技巧練習曲も録音しなかった。■ブルーノ・マントヴァーニの「ソナーレ」で、ピアノはクレール・デゼール(NMLCD)。■ラヴェルの「スペイン狂詩曲」で、指揮は小澤征爾ボストン交響楽団NMLCD)。小澤征爾の音楽ほど、繊細な表現と爆発的なダイナミズムが平然と同居しているそれはないな。驚いてしまう。
 
リゲティのピアノ協奏曲で、ピアノはディミトリ・ヴァッシラキス、指揮はピエール・ブルーズ、アンサンブル・アンテルコンタンポラン(NML)。リゲティは既に古典だな。若い人になら、いってみれば「お前、リゲティくらい聴いておけよ」的な。ところでピエール・ブルーズ(1977-)って、ブーレーズじゃないのね。紛らわしい笑。プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第一番 op.19 で、ヴァイオリンはサラ・チャン、指揮はサイモン・ラトルベルリン・フィルハーモニー管弦楽団NML)。サラ・チャンは初めて*1聴く。 

 
昼。晴れる。
昼飯に筍を食う。鰹だしと醤油、砂糖、みりんで炊いたとのこと。
 
Ruby で簡単な論理パズルを解く。
かけっこのパズル(Ruby) - Camera Obscura
『一郎、二郎、三郎の三人で駆けっこをして、その結果を次のように言っています。
一郎:「僕は一番じゃない」
二郎:「僕は一番だ」
三郎:「僕は二番だ」
三人のなかで一人だけウソをついています。それは誰でしょう?』
考えれば解けるので、よろしければどうぞ。答えはリンク先にあります。
 

 
珈琲工房ひぐち北一色店。コーヒーチケットを買う(9枚綴りで4200円)。
岡真理さんの『彼女の「正しい』名前とは何か』の続きを読む。傲慢の罪。本書はわたしの精神の鑢(やすり)である。試金石といってもいいかも知れない。
 ある日本人フェミニストが、こう言ったそうだ。「これからは、日本がリーダーシップをとって、アジアにもフェミニズムを教えていかなくてはね。」これを聴いて、あるアラブ人留学生が、小さな嘆息とともにこう著者につぶやいたそうである。「でも、これって、知的コロニアリズム植民地主義)ですよね。」そして、沈黙。(p.156)たぶん、偏見は傲慢から生まれる。
 本書とは関係ないことだが、わたしは中井久夫さんが最晩年にカトリックの洗礼を受けられたことを思い出した。中井さんは、なぜそうしたのか。己のヒュブリスゆえに、と答えられたそうである。あの中井先生が、ヒュブリスの罪? では、わたしなどがヒュブリスから逃れられないのも、当たり前かも知れない。わたしたちには、わたしたちを研ぐ、精神の鑢なる存在が必要なのだ。
 
今日の桜。

外気25℃で、もう暑いくらいだな。
 
図書館から借りてきた、岡真理『彼女の「正しい』名前とは何か』(新装版2019)読了。副題「第三世界フェミニズムの思想」。第三章「責任=応答可能性(レスポンシビリティ)」と終章は特に難解だ。しかし、本書はむずかしくとも、読む価値があると思う。著者はできるだけ「誠実」であろうとしているように、そのために現状を知ろうとし、徹底して考え抜いているように、わたしには見える。問題を「人ごと」にしない、自分のこととして考える。これは、貴重な態度だ。
 本書を読むと、わたしごときに傲慢と偏見から逃れることはムリだなと痛感する。でも、その「ムリという感覚」に、安住してしまってはいけないのだろうな。「精神の鑢」の必要性。
 著者の本は、『ガザに地下鉄が走る日』から読むといいと思う。 
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夜。
一日が終わるの、早すぎるな。一生、あっという間だ。
 
旦那が何を言っているかわからない件 2スレ目』(2015)第13話(最終話)まで観る。一話3分半のショートアニメの2期。あいかわらずおもろ。オタクの旦那と普通人(?)のカオルちゃんのイチャコラアニメ、御馳走様でした。それでも夫婦はうまく行き得るという、まあそうなんだろうな。わたしはオタクでないので(そんなのはわたしごとき凡人にはムリである笑)、旦那の方が何をいってるのか、よくわからないところが多い。てか、夫婦って何なのか、そちらもよくわからない。ま、そんなこと、どうでもいいんだが。シンプルに、笑いました。

*1:と思ったら、そうじゃなかったみたい。参照