細野晴臣『映画を聴きましょう』

雨。
未明起床。
 
凡庸でいるということ。Stay foolish という言葉もあるが、わたしは「凡庸」の方が好きだ。現代人には才知がありすぎて、凡庸さが足りない。
 
NML で音楽を聴く。■ハイドン弦楽四重奏曲第六十五番 Hob.III:80 で、演奏はプラジャーク・クヮルテット(NMLCD)。■ベートーヴェン交響曲第七番 op.92 で、指揮はチャールズ・マッケラススコットランド室内管弦楽団NMLCD)。驚愕、圧倒的な躍動感と新鮮さ。冒頭の序奏からワクワクが止まらないし、最後の白熱の高揚には感動させられる。こんなベートーヴェンは、聴いたことがない。■シューマンピアノ三重奏曲第三番 op.110 で、演奏はトリオ・ヴァンダラー(NMLCD)。■スクリャービンのピアノ・ソナタ第二番 op.19 「幻想ソナタ」で、ピアノはアナトール・ウゴルスキNMLCD)。
 
 
昼。どんよりとした曇り空。
ずっと使っていた古いメガネのフレームが折れた。レンズは傷だらけで見にくかったくらいだが、度が弱めだったのがよくて掛けていた。新しい方のメガネももう随分と前にイオンモール内で作った(2017.3.9)のだが、これに代える。
 
珈琲工房ひぐち北一色店。今日はホンジュラスのコーヒー、いつもどこのか忘れてしまうが、たまたま覚えていた。
細野さんの『映画を聴きましょう』の続きを読む。楽しいなあ、もっと映画や(古い)ポピュラー音楽についてわたしが知っていれば、もっと楽しいだろうに。細野さん、全然気にせずに『スター・ウォーズ』とかおもしろいっていっちゃうのがいいよね。
 
帰り、車のバックミラーに猫がトトトと小走りで道路を横切っていくのが映って、オッと思う。どうでもいいですけれど。
 
庭の金柑を食う。

赤い椿(ツバキ)が咲いた。
 
図書館から借りてきた、細野晴臣『映画を聴きましょう』(2017)読了。巻末に中沢さんとの対談が収録されているんだけど、二人ともよく観てるなあ。中沢さんなど、実験的映画からエンタメ、下らないものまで、ほんと感心する。当たり前だけれど、やっぱこういう人たちはちがうよ。楽しい本だったな。

 
夜。
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』(2015)第13話(最終話)まで観る。なるほど、人気作だけあるな、途中からなかなかおもしろかった。王道異世界ファンタジーというところ。イノセントでかわいいベル君、もうモテモテすぎて笑う。何故か巨乳の小さい神さま。作画もきれいで、きっちり作られているな。さて、これは長いシリーズものになっているが、続きはどうしようか。

「異世界おじさん」(2022)を観る

日曜日。晴。
朝寒く、老父によると畑は一面の霜だったらしい。
 
NML で音楽を聴く。■ハイドン弦楽四重奏曲第六十三番 Hob.III:78 で、演奏はプラジャーク・クヮルテット(NML)。

Haydn;Erdody Quartets

Haydn;Erdody Quartets

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ベートーヴェン交響曲第四番 op.60 で、指揮はチャールズ・マッケラススコットランド室内管弦楽団NML)。元気の出るベートーヴェンだなあ。ちょっと軽めの、イン・テンポで速めの演奏だが、一見ごくありきたりっぽくて、じつは背筋が伸びて一本ピンと通っているところが、凡庸な指揮者とちがうところである。軽いようで、深いところまで達しているのだ。あんまり構えなくて、気楽に聴いてみることができるのも吉。マッケラスって先日ハイドンを聴いてみるまで未聴だったけれど、いるところにはいるものである。2006年の録音。ブラームスクラリネット三重奏曲 op.114 で、クラリネットはシア・キング 、チェロはカリーネ・ゲオルギアン、ピアノはクリフォード・ベンソン(NML)。これはよい演奏。ブラームス、大好き。1983年の録音と、随分以前のなんだな。 
昼。
ラモーのクラヴサン曲集 組曲 ホ短調iPad mini で聴く(NML)。BGM にぴったりだと思ってチェンバロではなく、ピアノでの演奏を NML で探したのだが、なかなかよいのがなかった。これはジル・クロスランドという人のピアノ(CD)。この曲集の中では第5曲の「鳥のさえずり(Le rappel des oiseaux)」が有名なのだな。
引き続き、クラブサン曲集第一巻、クラヴサン曲集 組曲 ニ短調 - 長調を聴く(NML)。
 
 
西友岐阜華陽店に車を置かせてもらって、一時間散歩。


高山本線高架。

新荒田川。










高架はJR東海道本線

名鉄名古屋本線









JR東海道本線高山本線の高架。






外気12℃だが、日差しが暖かく風もなかった。
 
 
夜。
小麦粉を求め……ガザの援助トラックの周りでなぜ110人以上死亡(BBC) - YouTube
 
シューマン:ピアノ・ソナタ 第2番 ト短調 作品22|ティファニー・プーン | YouTube
iPad mini で聴く。「ダヴィッド同盟舞曲集」「子供の情景」と聴いてきたティファニー・プーンのシューマン、今回もよかった。このピアニスト、シューマンの幻想に入り込んでいく能力があると思う。
 
 
異世界おじさん』(2022)第13話(最終話)まで観る。やー、シンプルにおもしろかったというか、可笑しかったというか。気の毒なツンデレエルフさん、これ、絶対にこちらの世界へやってきているよね。2期あるようなエンディングだったが、これは観たい。ゆたさんに教えてもらった作品で、どうもありが㌧!

オレナ・クシュプラー(Olena Kushpler)という無名ピアニストのヤナーチェクがすばらしい / 岸本佐知子『なんらかの事情』

晴。
昧爽起床。
 
NML で音楽を聴く。■ヤナーチェクの「草陰の小径にて」第一集で、ピアノはオレナ・クシュプラー(NMLCD)。すばらしいヤナーチェク。現時点でのわたしの理想の音楽にいちばん近いんじゃないか、というくらい驚いた。これからも、このアルバムは何度も聴く予感。
 続けて「ラ・ストラナの宮殿」「無題」「コン・モート」「モデラート」「ロンド」「思い出に」「わたしのオルガへ」「子守歌」「思い出」「主キリストはお生まれになった」、「カミラ・シュテスロヴァのアルバムの小品」からの抜粋、を聴く。ヤナーチェクピアノ曲の中ではたぶんどれもマイナーなもの、短い曲ばかりで気楽に聴ける。これでアルバム全体(NML)を聴き終えた。
 
 
昼飯にハヤシライスを作る。新聞を読んだりテレビで国際報道番組や昼のニュースを見たりしていると、ついため息が出るな。国民は何もかも後ろ向きで、古くさい爺さんたちが東京で何十年も変わらない政治をし、活気というものがどこにもない国、ってイメージ。まあ、わたしのイメージに過ぎないんで、実際は知らんが。しかし、我々バブル世代って、何だ。クソじゃないのか。実力がなくって、埋もれ切っている。
 ネットを見るともっと絶望的な気分になるので、新聞やテレビの方が、まだマシなのかも知れないが。ははは。俺も大概終わってるよね。
 じゃあ、高度資本主義的先端に立てばいいのかっていうと、そんなわけでないことはわかり切っているから、矛盾しているけれどね。発展にせよ衰退にせよ現状維持にせよ、資本主義的価値観を解体(否定ではない。否定だと、結局資本主義の問題圏から出られない)しなければならないことは、わたしには明白だ。それはどちらかというと、経済的繁栄とは反対の方向に、どうしてもなってしまうよな、たぶん。そこはとってもむずかしい問題。
 まあしかし、わたしなんかは田舎で、貧しく地味に暮らしてればいいんだよ。
 
黄金頭さんがシロクマ先生に応答していたが、ロジックとしては反出生主義、最強なんだよね。生は一切苦だから、人間はそもそも生まれてこない方がよい、というやつ。まあ、わたしはバカなので、反出生主義もどうでもいいんだが、とにかくロジックとしては(いまのところ)最強。黄金頭さんはブログの方で、「おれは人類が滅ぶ方に賭けているのだが」といっているが、それも賭けるどころか、いつか人類が亡びるのは100%まちがいないし。
 人類の一切の文明も文化も、かならず消滅する。諸行は無常である。だからこそ、というのもへんだが、わたしはふつうに(?)、欲望や虚栄心や言葉になるべく支配されず、地味に人間らしく生きていければいいと素朴に思っているだけである。凡人とは、そういうものではなかろうか?
 

 
金柑を食う。

白いクリスマスローズ。花が下を向いてしまうな。
 
図書館から借りてきた、岸本佐知子『なんらかの事情』(2012)読了。エッセイ集だが、フィクションもあり、どこからフィクションなのかわからないものもあり、もしかしたらすべてフィクションなのかも知れない。

 
夜。
神のみぞ知るセカイ』原作第19巻、アニメだと3期「女神篇」の終わりまで読む。結末を知っているのに、やっぱり泣けた。世界の運命とか、何の関係もないちっぽけな恋。悲劇だな。
この後の展開は知らないから、楽しみ。

こともなし

晴。
未明に目覚める。周縁の未踏の空間に白い雫が湧き出してくるのがちょっと気持ちが悪い。一種の煩悩だ。基礎を作り、裏側の清浄な空間に入る。壁抜け、ということを村上春樹が(河合隼雄先生との対談で)いっていたな。しばらくすると自然に既知の領域に出たので、起床する。
明るくなってきた。日の出だ。東に商業ビルがあるので、まだ朝日は見えないが。(6:47)
 
NML で音楽を聴く。■ハイドン弦楽四重奏曲第六十二番 Hob.III:77 で、演奏はプラジャーク・クヮルテット(NMLCD)。■リヒャルト・シュトラウスの「フランソワ・クープランクラヴサン曲による舞踏組曲」で、指揮はシャルル・デュトワモントリオールシンフォニエッタNML)。初めて聴いたが、なかなかいい曲。リヒャルト・シュトラウスによるバロック音楽、って感じ。

ブリテン弦楽四重奏曲第三番 op.94 で、演奏はベルチャ弦楽四重奏団NMLCD)。■吉岡孝悦(1955-)の マリンバティンパニと四人の打楽器奏者のための協奏曲(NML)。
YOSHIOKA PLAYS YOSHIOKA 3

YOSHIOKA PLAYS YOSHIOKA 3

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ヤナーチェクの「霧の中で」で、ピアノはオレナ・クシュプラー(NML)。すばらしいヤナーチェク。このピアニストについては何も知らない。ウクライナ生まれのドイツ人ピアニストだという。 
iPad mini でマッケラスの指揮するハイドンを聴く(NML)。
 
昼。
マッケラスの指揮するハイドンの続き。アルバム一枚聴いてしまった。1991年の録音。

 
 
珈琲工房ひぐち北一色店。客少なし。
『コレクション瀧口修造11』を読み始める。戦前・戦中の詩的実験。世界がすみずみまで美しく感じられるという、瀧口修造を注入するドーピングは、いまだに有効である。もう聴き潰れた筈の車中のピリスのモーツァルトも、まるで初めて聴くかのように生気を取り戻している。
帰りに肉屋へ寄る。
 
ついに紅梅が一輪咲いた。

去年は 2023.3.8 なので、十日以上早い。

クリスマスローズ

ネモフィラ・メンジェシーも咲いた。
 
 
夕飯に庭のフキノトウ(蕗の薹)の天ぷら。にがーってなるのが旬なり。蕗味噌もいっしょに食べる。デザートは(これも)庭の夏みかん、とっても甘くてフレッシュ。
 
Antonini dirigiert Mozart & Salieri | ORF-Radiothek
モーツァルトクラリネット協奏曲 K.622 で、クラリネットはザビーネ・マイヤー、指揮はジョヴァンニ・アントニーニバーゼル室内管弦楽団。ザビーネ・マイヤーは聴かせる。アントニーニは可もなく不可もなし。
ベートーヴェン:交響曲第九番 / クラウス・マケラ / オスロ・フィルハーモニック | YouTube
クラウス・マケラ、器が大きいな。つかれたー。2019年のライブ録音。

中沢新一『精神の考古学』

日曜日。雨。
未明起床。昨晩は少し早く寝て、三時間くらいでいったん目が覚めた。
 
世界軸 axis mundi をきれいに通していくのは、ほんとにむずかしい。それはいつの時代でも簡単ではないだろうけれど、特に土台がめちゃめちゃに壊れている現代、コンテンツを脳に注入し過ぎな現代では、特に大変なんじゃないかと思う。天国と地獄、天と地を繋いでいくということ。端的に、精神の健康ですよ。
 
スーパー。サラダ油を買おうとしたのだが、キャノーラ油とかコレステロール0とかで、ただのサラダ油がないんですけど。
 
昼。
NML で音楽を聴く。■ベートーヴェンのピアノ協奏曲第一番 op.15、第二番 op.19 で、ピアノはジョン・リル、指揮はヴァルター・ヴェラー、バーミンガム交響楽団NML)。

ベートーヴェンの十一のバガテル op.119 で、ピアノはジョン・リル(NML)。
 
ウチで作ったフィリングを詰めて老母がアップルパイを焼いた。昨日ミスドでも食ったが、あつあつで、遜色ないおいしさだった。
 
 
中沢新一『精神の考古学』(2024)読了。雑誌連載時から単行本で読めることを心待ちにしていた。中沢さんの本の中でも、とりわけ活字から清浄な空気が吹き寄せてくる本だった。何箇所も、感動で涙を流した。年齢のこともあり(わたしのこれまでの歩みは本当に亀の如き遅さだった)、わたしは一生かけても本書に埋蔵された深い智慧の一万分の一、一億分の一の程度にも到達できまいが、そういうこととは別に、自分が何を目指すべきなのか、少し見えてきたようにも思う。わたしは(ある意味では高望みだが)、難解な、他人に理解しがたい、常人に不可能なことをしようとするのではない。(ただ、それすら、現代ではむずかしいだろうが。)自分の孤立と他人からの無関心を恐れてはならない。むしろそれは利点ですらある。『「精神の考古学」の探求を組織的におこなうために、自分たちはすでに遅きに失してしまったかもしれないというおそれが、たえず私の心を苦しめる。しかし、精神のアフリカ的段階は、現在でもホモサピエンスたちの心の土台をなし、どんなに技術の発展がそこからの離脱を人類に可能にさせていると喧伝されようとも、その土台はいっこうに揺らいでいないのである。…』(p.402)
 

 
庭の蕗で老母が蕗味噌を作った。ほろ苦くて旬の味。

 
夜、早寝。

熊代亨『「推し」で心はみたされる?』

晴。
早起き。
 
大垣。西に、冠雪のほぼ消えた伊吹山が青い。
ミスタードーナツ大垣ショップ。ホット・スイーツパイ りんご+ブレンドコーヒー446円。午前中の適度に空(す)いているミスドはいい。ブラインドの隙間からやわらかい冬の陽差しが入ってきて、完璧。
 細野さんの『映画を聴きましょう』の続きを読む。細野さん、あんなにエラい人なのに、ちっともエラそうでなく物知りそうでもなく、読んでいて楽しい。それでいて、情報量(?)は決して少なくないんだけど。映画を知らないわたしだが、映画が観てみたくなる。映画音楽の話、武満さんへのリスペクトがあって、うれしい。でも本領(?)は昔のポピュラー音楽だよね、わたしは全然知らなくて残念。ほんと、ポピュラー音楽を知らないのは、人生損しているだろうと思うんだけれど。
 帰り、外気10℃で決して暖かくはない筈なんだが、日光が燦々と車内に降り注いで、よい音楽が流れて、凡庸な国道21号を走っていても、多幸感に包まれる。高架からは、遠くに冠雪した、あれは恵那山だろうか。
 

 
昼食に焼きそばを作る。
 
熊代亨『「推し」で心はみたされる?』(2024)一時間ほどでさらっと読了。

 
日没前、30分あまり散歩。

カルガモ

カワセミ。光学20倍ズーム+デジタルズームを使っているので、随分と画質が荒い。二羽が続けて飛んでいったから、繁殖の季節になるのだろうか。


ホトケノザ(仏の座)。




日が長くなったので、余裕をもって散歩できるようになってきた。脚が弱るから、歩かないとねー。
 
 
夜。
はたらく魔王さま!!』(2022)第4話まで観る。9年ぶりの2期、らしい。赤ん坊アラス・ラムス、出てきたぞ。なぜかパパが魔王でママが勇者。勇者、デレ期到来か。

岡野八代『ケアの倫理』

曇。暖かい。
 
NML で音楽を聴く。■ハイドン弦楽四重奏曲第六十一番 Hob.III:76 で、演奏はプラジャーク・クヮルテット(NMLCD)。■ラヴェルの「ボレロ」で、指揮はシャルル・デュトワモントリオール交響楽団NMLCD)。すっかり目が覚めた、、忘れがたい名演。デュトワの魔術に、トロトロにとろけてしまいそう。あらためてこの人、ユニークな指揮者だなって思う。1981年の録音。
 
昼。ごく薄雲りでわずかに陽がこぼれている。
Mozart: Piano Concerto No.17 Leonard Bernstein/ Wiener Ph. モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番 バーンスタイン ウィーンフィル - YouTube
バーンスタインモーツァルト弾き振りで、とにかくウィーン・フィルがいきいきと演奏している。バーンスタインのピアノは決して悪くないが、録音の悪さもあるだろう、音がかなり冴えない。また、どうしてもピアノのスペシャリストに敵わないところはしかたないだろう。終楽章冒頭のオケのすばらしい導入など、これにピアノはどう入るだろうとワクワクしていたのだが、意外と平凡な入りだったり。でも、まあバーンスタインのピアノ、繰り返すが悪くはない。1981年、ムジークフェラインザールにおけるライブ録音。
 
 
イオンモール各務原へ。外気19℃は二月とは思えない、信じがたい。上着なしで外出。なんか駐車場がいつにも増して混雑している。

3F フードコートのミスド、ストロベリーカスタードフレンチ+ブレンドコーヒー462円。いつもフードコートで読書しているのなんてわたしくらいだが、今日はラフでなかなかカッコいいじいさんが読書していた。へー。
 岡野八代『ケアの倫理』(2024)読了。承前。前にも書いたが、フェミニズム本なんでめっちゃむずかしい。「ケアの倫理」が、政治(従来の民主主義への批判)や正義や反暴力とまで結び付けられていて、おもしろいと同時に、連呼される「ケアの倫理」ってつまり何よ、って結局なる。まあ、これまで女性によって担われてきた(あるいは女性に押し付けられてきた)、男性優位社会ではネグレクトされてきたもの、ってな感じなのだが、ちょっと曖昧だよね。わたしには、「弱さの価値」っていう風にも見えるが、そこはあまり強調されないのかな。具体的には、家事や子育てや介護ってのが、典型的に概念の期待されている中身なんだろう。要は、男も「家事や子育てや介護」をやれっていうことなんだろ、なんていうと、そうじゃないんだ、単純化するなって叱られそうだな。いやでも、わたしは男がふつうに「家事や子育てや介護」をやるようになれば、随分と社会が変わると思うんだけれどね。
 しかし、関係ないかも知れないが、男も女も、日本人は働きすぎじゃないかね。「ケアの倫理」なんてことをきちんと考えるヒマ、ないでしょ。とにかく、忙しすぎて、日々を廻していくだけで精一杯じゃないか知ら。
 本書を読んでいてふと連想したのだが、「女子力」っていう言葉があるよね。「女子」と付いているだけでフェミニストに叱られそうだが、あれって、かなりいい内容を含んでいるんじゃないか。実際、「女子力」があるとして、それである意味では女は男より生きる能力が高いし、柔軟に生きていけるところがあると、いえると思うんだよね。なかなか、男性が「女子力」に相当する能力をもつのは、我々の世代にはむずかしいと思う。いまの若い世代は、そのへんは進歩しているのかな。

しかしどうでもいいが、この新書本、1240円もするんだぜ。ちょっと気楽に新書本、ってわけにはいかない時代になったなあ。
 

ウチの遅い紅梅がもう咲く寸前。
 
『精神の考古学』第七部まで読む。
 
夜。
神のみぞ知るセカイ』の原作マンガの続き。なるほど、アニメ1期2期はかなり原作に忠実で、3期はそこから一気に飛んでいるのだな。これは残念、確かに3期「女神篇」は魅力的だけれど、せっかくだからきちんと全部やって欲しかった。原作は傑作で(アニメ版も神だが)、いかにもったいないことをしたかわかる。…ってどうでもいいですね笑。さて、原作はまだまだ続く。