オレナ・クシュプラー(Olena Kushpler)という無名ピアニストのヤナーチェクがすばらしい / 岸本佐知子『なんらかの事情』

晴。
昧爽起床。
 
NML で音楽を聴く。■ヤナーチェクの「草陰の小径にて」第一集で、ピアノはオレナ・クシュプラー(NMLCD)。すばらしいヤナーチェク。現時点でのわたしの理想の音楽にいちばん近いんじゃないか、というくらい驚いた。これからも、このアルバムは何度も聴く予感。
 続けて「ラ・ストラナの宮殿」「無題」「コン・モート」「モデラート」「ロンド」「思い出に」「わたしのオルガへ」「子守歌」「思い出」「主キリストはお生まれになった」、「カミラ・シュテスロヴァのアルバムの小品」からの抜粋、を聴く。ヤナーチェクピアノ曲の中ではたぶんどれもマイナーなもの、短い曲ばかりで気楽に聴ける。これでアルバム全体(NML)を聴き終えた。
 
 
昼飯にハヤシライスを作る。新聞を読んだりテレビで国際報道番組や昼のニュースを見たりしていると、ついため息が出るな。国民は何もかも後ろ向きで、古くさい爺さんたちが東京で何十年も変わらない政治をし、活気というものがどこにもない国、ってイメージ。まあ、わたしのイメージに過ぎないんで、実際は知らんが。しかし、我々バブル世代って、何だ。クソじゃないのか。実力がなくって、埋もれ切っている。
 ネットを見るともっと絶望的な気分になるので、新聞やテレビの方が、まだマシなのかも知れないが。ははは。俺も大概終わってるよね。
 じゃあ、高度資本主義的先端に立てばいいのかっていうと、そんなわけでないことはわかり切っているから、矛盾しているけれどね。発展にせよ衰退にせよ現状維持にせよ、資本主義的価値観を解体(否定ではない。否定だと、結局資本主義の問題圏から出られない)しなければならないことは、わたしには明白だ。それはどちらかというと、経済的繁栄とは反対の方向に、どうしてもなってしまうよな、たぶん。そこはとってもむずかしい問題。
 まあしかし、わたしなんかは田舎で、貧しく地味に暮らしてればいいんだよ。
 
黄金頭さんがシロクマ先生に応答していたが、ロジックとしては反出生主義、最強なんだよね。生は一切苦だから、人間はそもそも生まれてこない方がよい、というやつ。まあ、わたしはバカなので、反出生主義もどうでもいいんだが、とにかくロジックとしては(いまのところ)最強。黄金頭さんはブログの方で、「おれは人類が滅ぶ方に賭けているのだが」といっているが、それも賭けるどころか、いつか人類が亡びるのは100%まちがいないし。
 人類の一切の文明も文化も、かならず消滅する。諸行は無常である。だからこそ、というのもへんだが、わたしはふつうに(?)、欲望や虚栄心や言葉になるべく支配されず、地味に人間らしく生きていければいいと素朴に思っているだけである。凡人とは、そういうものではなかろうか?
 

 
金柑を食う。

白いクリスマスローズ。花が下を向いてしまうな。
 
図書館から借りてきた、岸本佐知子『なんらかの事情』(2012)読了。エッセイ集だが、フィクションもあり、どこからフィクションなのかわからないものもあり、もしかしたらすべてフィクションなのかも知れない。

 
夜。
神のみぞ知るセカイ』原作第19巻、アニメだと3期「女神篇」の終わりまで読む。結末を知っているのに、やっぱり泣けた。世界の運命とか、何の関係もないちっぽけな恋。悲劇だな。
この後の展開は知らないから、楽しみ。