晴。
ピリスのモーツァルト、ピアノ・ソナタ第四番を聴く(新盤)。もう少し音が丸ければ、モーツァルトとして完璧なのだが。でも、テンポは適切だし、いい演奏。下の You Tube の動画はこの録音で、音質がCDに比べ劣るだけ、音がやわらかくなって却っていい感じだ。
下のグルダの演奏は、これ以上を望みがたい名演。あまりに素晴らしいので、グルダが即興で装飾音を付けているのが残念なくらい。
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アントニオ・ネグリとマイケル・ハートの共著『コモンウェルス(下)』読了。面倒くさい書物で、自分には隅々まで理解できたとは云いがたいが、どうも気に入らない。例えば訳者解説では言及されていないが、本書は徹底的にイデオロギー的な書物である。つまり、暴力を肯定する立場で「革命」を要求する。しかし、その対象ははっきりとはしていない。訳者たちの述べる、いわゆる「アラブの春」などはその一例になるのだろうか。確かに「アラブの春」は、有象無象どもによる「革命」に見えた。しかし、それは本当にそうだったのか。後に残ったのは、無秩序状態でなければ、新たな軍事政権だったのではないか。いや、知ったふうなことは言わないでおこう。ただ、本書の議論の強引さには好感を持てなかったとだけ、云っておこう。少なくとも、これが現在最良の「左翼」だとはとても思えない。
コモンウェルス(下) 〈帝国〉を超える革命論 (NHKブックス)
- 作者: アントニオ・ネグリ,マイケル・ハート,水嶋一憲,幾島幸子,古賀祥子
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2012/12/22
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- 作者: 平野啓一郎
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