中沢新一『ミクロコスモス』再読

晴。
中沢新一『ミクロコスモス』を読み返す。僕は中沢新一が好きで毎日のように読み返すのだが、少しづつ読める、短い文章を集めたものを好んで読む。この『ミクロコスモス』の二冊は、だからちょうどそれにぴったりなのだ。何度も読んだ文章でも、そのとき考えていることに驚くほど光を当ててくれることが、しょっちゅうである。まるでホログラムのように、様々なことが織り込まれている文章なのだ。

ミクロコスモス I

ミクロコスモス I

ミクロコスモス II

ミクロコスモス II

経済のグローバル化というのは、世界中の価値観がマネー一色に染まるということだ。アジアの勃興とは、アジアの価値観もマネー本位になるということである。今のアジア人は、金儲けをしようと、するチャンスがあるということで、生き生きしている。実際、世界、特にアジアでは、いま生き残りを賭けた熾烈な生存競争の真最中だ。それは、悪いこととは云えないかも知れない。金は、ほとんどのことを可能にするのかも知れない。日本人も、こんな内向きではダメで、世界へ出て行って金儲けをせねばならないのだろう。確かに今の若くて優秀な人たちの地元志向、公務員志向は、いかにも覇気の無さを感じずにはいられないという人もいるだろう。しかし、生きるというのはそれだけではないことを確かに知っているのは、日本人でも数万人にひとりくらいかも知れないが、それでももう日本人しかいないのかもと思われる。現実を知らない、ナイーブ御免。

http://www.asahi.com/international/update/0112/TKY201301120007.html
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130114-00000082-jij-cn
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130114/chn13011419050004-n1.htm
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34556
戦争になったら、円安も株高も関係ない。本当に戦争になるのだろうか? じつに嫌だ。
 日中での、戦争に対する受け止め方がまったく違う。中国では今にも戦争になりそうな雰囲気だし、国民の多くもそれを望んでいるかのようだ。一方日本では、まさか戦争なんて、というのが大方の心境だと思う。このギャップが怖い。
 もし戦争になったら、アメリカ軍がどう動くかはポイントだな。自分は、たぶんアメリカ軍は動かないと予想する。そうなれば、日中関係だけでなく、日米関係も大きく変わるだろう。
 いずれにせよ、虚しいが…