晴。
大垣。昼からプール。
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町田康『きれぎれ』読了。初期短編二作。最近の作に比べれば、まだ手探りで書いているという感じが強く、手慣れたようなところはない。その辺が、緊張感をもたらしている。(最近のエッセイなどに見られる、芸と化しつつあるマンネリも、自分は結構好きではあるが。)町田康独特の、言葉の用法を脱臼させるような文章も同じで、密度が濃い。それが実験的で、シュールレアリスティックな効果を挙げている。逆に云うと、著者らしい笑いがあんまりないのであるが。偶然であろうが、芥川賞に相応しいといえばそうである。「人生の聖」の方も同様だが、もっとハチャメチャで過激かも知れない。頭蓋骨を透明なケースに替えて、脳味噌を見せつけて喜ぶなんていうのは、なかなかにグロいよね。そのケースの中に甲虫や泥水が入ってきて足掻くとか。展開が譫言というか、狂気というか。
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