ねじめ正一『落合博満 変人の研究』/ジイド『背徳者』

晴。
母から借りた図書館の本、ねじめ正一落合博満 変人の研究』読了。ウチは一家で中日ドラゴンズのファンで、もう「落合監督」と呼べないのが残念だ。もうひとつ残念なことに、今の高木守道監督の野球がつまらなくて仕方がない。落合氏が監督のときは、野球がスリリングでたまらなかったものだ。テレビの野球中継を見るのがじつに楽しかった。中日ファンで、落合監督が好かない人もいただろうが、熱狂的に惚れ込んでいる人も少なくなかった。落合はファンサービスをしないとかマスコミに散々書かれたが、勝つことが最大のファンサービスだし、だいたい、連日あの緊張感に満ちた試合を見せられて、悪口を言うファンなど多いはずがない。マスコミの報道とは別に、ファンはちゃんとわかっていたと思う。
 本書は熱狂的な落合ファンの著者による、対談と落合語録をまとめたものだが、まあ力み反って読むようなものではない(笑)。ただ、著者と江夏豊との対談はすごい。何がすごいって、とにかく江夏がすごい。やはり不世出の天才。納得の対談だった。

落合博満 変人の研究

落合博満 変人の研究

アンドレ・ジイド『背徳者』読了。自分には全然リアルな世界じゃないのですけれど。西欧にはこういう純粋培養されて、自分の思い込みの世界が崩されたら背徳者、みたいに罪悪感に捕われるブルジョアが、実際に居たものか。自分には、ただのお坊ちゃんにようにしか見えない。事々しく「純文学」仕立てにする奴もする奴。
背徳者 (岩波文庫)

背徳者 (岩波文庫)