三浦俊彦『可能世界の哲学』

日曜日。晴。
カルコス。TSUTAYA
三浦俊彦『可能世界の哲学』読了。刺激的だった。可能世界論というのは、重要だし勉強すべきものだということがよくわかった。しかし一方で、「自分に必要な哲学」だとも思わなかった。これは頭のいい人のための哲学であり、結局「遊び」なのだと思う。ただ、可能世界と「倫理」の関係は、これはちょっと無視できない。
 それから、少し本題とは外れるかも知れないが、普通の論理では、Aと非Aは同時に成立しない。これは、中沢新一のいうところでは「非対称性の論理」であり、「幾何学の精神」でもちいられるものである。しかし、Aと非Aが同時に成立する論理もあり、これは中沢のいう「対称性の論理」である。これは一見して無意味に感じられるかもしれないが、じつは「無意識」は、この「対称性の論理」に従っているのだ。ここが重要である。個人的なことを云えば、自分はじつは「非対称性の論理」の方が強い人間だと自覚しているが、それだからこそ、「対称性の論理」の重要性がわかるのだ。

可能世界の哲学 「存在」と「自己」を考える (NHKブックス)

可能世界の哲学 「存在」と「自己」を考える (NHKブックス)