2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

山田詠美『快楽の動詞』/パガニーニのヴァイオリン協奏曲

雨のち曇。 山田詠美『快楽の動詞』読了。惹句に「抱腹絶倒」とあるが、著者は軽妙に書いているつもりなのだろうけれど、たぶんかなりマジである。だから、クリティカルすぎて、あんまり笑えなかった。「駄洒落の功罪」なんて、マジすぎて怖い。だが、「口の…

竹内啓『偶然とは何か』

晴。 うどん・そば「ひらく」にて昼食。ころうどん750円。 竹内啓『偶然とは何か』読了。確率のテクニカルな話が面白いが、これだけではちょっと判りにくい。ここをもっと丁寧に説明して欲しかった。後半の「偶然」論とでもいうべきは、常識的で驚きはない。…

こともなし

晴。 今日は意図的に、あまり本を読まなかった。代りに音楽を聴く。モーツァルトのK.450など。ピアノはバレンボイム。

富永茂樹『トクヴィル』/古井由吉『野川』

曇。夜雨。 プール休み。イオン。 富永茂樹『トクヴィル』読了。一般向けの新書ながら、実に中身が濃い。トクヴィルが、今の時代と、我々日本人とにも無関係でないことがよくわかった。岩波文庫の『アメリカのデモクラシー』は一応読んでいたのだが、読めて…

ミッシェル・カルージュ『独身者の機械』/『鳥の仏教』を読む/岡田温司『グランドツアー』/R・シュトラウスのオーボエ協奏曲

日曜日。曇。 カルコス。吉本隆明とばななさんの対談を立ち読みする。 父が欲しくてたまらなかった、液晶TVが来る。ブルーレイが御自慢。 # ミッシェル・カルージュ『独身者の機械』読了。副題「未来のイヴ、さえも…」。高山宏と森本徹の共訳。ありな書房、…

瀧本敦『ヒマワリはなぜ東を向くか』/川本三郎『雑踏の社会学』

晴。 皮膚科。 瀧本敦『ヒマワリはなぜ東を向くか』読了。科学読み物として、これは面白い部類に入るものだ。植物の花が開くのに、何らかの「開花ホルモン」というものが存在する間接的な証拠がいろいろあるのに、これがまだ見つかっていないらしい。もしこ…

恫喝に屈して、果して平和が得られるのだろうか

恫喝に簡単に屈服する国、日本、か。こんなこと、明治以降にあったのかね。平和のためこれが一番の策だったかは、必ずしもそうは云えないと思う。実力行使すれば屈服する国、ということを見せつけてしまったからだ。歴史上には、例えばヒトラーの恫喝に屈し…

澁澤龍彦 西欧作家論集成(下)

曇。 『澁澤龍彦 西欧作家論集成(下)』読了。何とも凄い。例えば「ジャン・ジュネ論」の見事なことと言ったら。到底及び難いと云わざるを得ない。澁澤龍彦 西欧作家論集成 下 (河出文庫)作者: 澁澤龍彦出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2010/08/04メ…

シェリー詩集

休日。雨。 『シェリー詩集』読了。詩人として大成する前に亡くなったという感じで、詩がまだ若い。翻訳で見る限り、甘くて小さい詩だ。シェリー詩集 (新潮文庫)作者: シェリー,上田和夫出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1980/09/29メディア: 文庫購入: 2人 …

内田樹『日本辺境論』/藤沢周『陽炎の。』

晴。 内田樹『日本辺境論』読了。日本辺境論 (新潮新書)作者: 内田樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/11/01メディア: 新書購入: 29人 クリック: 793回この商品を含むブログ (355件) を見る藤沢周『陽炎の。』読了。藤沢は結構好きだ。マイナーではある…

田中貴子『日本<聖女>論序説』

曇。 田中貴子『日本<聖女>論序説』読了。日録に書く。日本〈聖女〉論序説 斎宮・女神・中将姫 (講談社学術文庫)作者: 田中貴子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/09/13メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含むブログ (4件) を見る

橋川文三『日本浪曼派批判序説』

休日。晴のち曇。 BOOK OFF。 橋川文三『日本浪曼派批判序説』読了。疑いもなく第一級の批評である。とそれはそれで、自分は本書の散文に、端正なある種の「美」を感ずるのだが、こんなこというと叱られるだろうな。思想やイデオロギーをこんな文体で書ける…

小島信夫『抱擁家族』/立木鷹志『媚薬の博物誌』

日曜日。晴。 カルコス。 今更だが、小島信夫『抱擁家族』読了。うーん、作家とは同郷なのですが。日録に書く。抱擁家族 (講談社文芸文庫)作者: 小島信夫,大橋健三郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 1988/01/27メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 35回この商…

ロートレアモン伯爵『マルドロールの歌』/森銑三『落葉籠(下)』

晴。 ロートレアモン伯爵『マルドロールの歌』読了。難解なポエジーの横溢。原文はどうか知らないが、訳文はリズム感があって、なんとか通読できる。訳者解説は威勢よくぶちかましている。マルドロールの歌 (集英社文庫)作者: ロートレアモン伯爵,前川嘉男出…

井村君江『ケルト妖精学』

晴。 井村君江『ケルト妖精学』読了。日本人が「妖精(フェアリー)」について知りたい場合の、基本文献になるのではないか。内容は盛り沢山だ。ケルト妖精学 (講談社学術文庫)作者: 井村君江出版社/メーカー: 講談社発売日: 1996/08メディア: 文庫この商品…

上野健爾『代数入門』/ジャック・デリダ『盲者の記憶』

雨。一気に冷房よりも涼しくなった。 昼食に「恵那」のざるそば中盛。これで腹いっぱいに充分の量だ。 上野健爾の『代数入門』にざっと目を通す。抽象的で苦手な代数学だが、ちょっとわかってきた感じがする。3次や4次の方程式の解法など、歴史的な話題も楽…

テニスン『イノック・アーデン』/町田康『テースト・オブ・苦虫3』

雨。涼しい。 テニスン『イノック・アーデン』読了。テニスンの代表作だが、こんな通俗的な話だとは意外だった。まあ、ラストは悪くないとは思うが。R・シュトラウスが曲を付けているのだけれどねえ。いずれにせよ、詩を翻訳でというのは無理があるのかも知…

池内紀『作家の生きかた』/ベートーヴェンのピアノ協奏曲第四番

晴。涼しくなってきた。 大垣。BOOK OFF大垣バイパス店と21号穂積店。 池内紀『作家の生きかた』読了。著者偏愛の作家たちを、それぞれひとつの、ちょっと意外な切り口で捌いてみせているのが上手い。軽く読むにはうってつけの本だ。でも、餡子はいっぱいに…

ウルリッヒ・ベック『世界リスク社会論』/対訳 ディキンソン詩集

天気雨から晴。 久しぶりにプール。腕が筋肉痛だ。アピタとその本屋。 ウルリッヒ・ベック『世界リスク社会論』読了。これを読んで、最近のタイム誌の記事を思い出した。それに拠ると、いまイスラエルでは、「テロ」があまりにも当り前になってしまったので…

井村君江『アーサー王ロマンス』/三浦展、上野千鶴子『消費社会から格差社会へ』

日曜日。晴。 カルコス。 井村君江『アーサー王ロマンス』読了。剣と魔法と、愛の世界だ。現代のRPGは、ここから多くのものを汲み上げているのが分かる。名剣エクスキャリバーを手に、アーサー王が活躍する部分は、さほどの量ではないのだな。「円卓の騎士」…

小田垣雅也『キリスト教の歴史』

晴。 小田垣雅也『キリスト教の歴史』読了。コンパクトに色々なことが書いてあるが、記述はかなり図式的、「教科書」的なもので、さほど深みがあるとは云えないだろう。もちろん、通史として、敢て深みには拘らなかったのかも知れない。しかし、哲学の取り扱…

量義治『西洋近世哲学史』

晴。 量義治『西洋近世哲学史』読了。西洋哲学へのキリスト教の関与に目配りした哲学史である。特にカントにおいて、いかにキリスト教が必須になっているのかということは、個人的にインパクトがあった。これではカントが読めていなかったなと、思わされた。…

近藤喜博『日本の鬼』

晴。だいぶ涼しくなってきた。 近藤喜博『日本の鬼』読了。日本の鬼 日本文化探求の視角 (講談社学術文庫)作者: 近藤喜博出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/08/10メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (2件) を見る

鈴木宗男氏の有罪確定に思う

絶妙のタイミング(?)で、鈴木宗男氏の有罪が確定する。日本はこれで法治国家だというのだから、ひどい話である。冤罪というものがこんなに簡単に作られるというのは、実際に同時代に生きてみないとわからないことだった。けれども、本日付の「ムネオ日記…

久生十蘭短篇選/大江健三郎『われらの時代』

久しぶりに雨。台風が近づいている。 『久生十蘭短篇選』読了。編者の川崎賢子というのはどういう人なのだろう。解説が実に見事だ。久生十蘭短篇選 (岩波文庫)作者: 久生十蘭,川崎賢子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2009/05/15メディア: 文庫購入: 6人 …

澁澤龍彦 西欧作家論集成(上)

晴。 『澁澤龍彦 西欧作家論集成(上)』読了。ほとんど既読の文章ばかりだが、こうして纏めて読んでみると、澁澤の凄さがよくわかる。翻訳の話が結構あるので、澁澤の翻訳をいろいろひっくり返して拾い読むことになった。澁澤龍彦 西欧作家論集成 上 (河出…

日本のマスコミは大丈夫か?

本日付の朝日新聞朝刊(名古屋本社版)の一面記事には驚いた。菅支持小沢支持いずれにせよ、大手新聞やテレビはおかしくなっているのではあるまいか。怖しいような感に捉われる。とりあえず、こういう見方もありうるのですよ、という意見を貼り付けておく。 …

川端康成『みずうみ』/内田樹『知に働けば蔵が建つ』/遠藤寛子『算法少女』/プレハーノフ『歴史における個人の役割』/幸田露伴『天うつ浪 前編』

晴。 川端康成『みずうみ』読了。何となく隔靴掻痒ではあるが、エロスの匂いの満ち満ちた、実験的作品である。文章は感覚的、繊細で、さすがに美しい。それにしても、川端は一筋縄ではいかない。ノーベル賞作家のデカダンスとは、愉快な気がしないでもない。…

野口廣『エキゾチックな球面』/川上未映子『乳と卵』

日曜日。晴。 カルコス。BOOK OFF各務原インター店と岐南インター店。 野口廣『エキゾチックな球面』読了。日録に書く。エキゾチックな球面 (ちくま学芸文庫)作者: 野口廣出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2010/08/09メディア: 文庫 クリック: 17回この商品…

C・リード『ヒルベルト』

晴。 C・リード『ヒルベルト』読了。大数学者ダーフィット・ヒルベルトの伝記。ヘルマン・ワイルの解説が付してある(ただし素人には難解)。ヒルベルト――現代数学の巨峰 (岩波現代文庫)作者: C.リード,Constance Reid,彌永健一出版社/メーカー: 岩波書店発…