ミッシェル・カルージュ『独身者の機械』/『鳥の仏教』を読む/岡田温司『グランドツアー』/R・シュトラウスのオーボエ協奏曲

日曜日。曇。
カルコス。吉本隆明とばななさんの対談を立ち読みする。
父が欲しくてたまらなかった、液晶TVが来る。ブルーレイが御自慢。

ミッシェル・カルージュ『独身者の機械』読了。副題「未来のイヴ、さえも…」。高山宏と森本徹の共訳。ありな書房、1991年。本書はアマゾンに登録されていないようだ。オンライン古書店で定価の三倍の値がついていたので、購入に躊躇したが、買ってよかったと思う。稀覯本になるなどおかしなもので、もっと知られてよい、非常に重要な批評書である。デュシャンに拠る題名が、そもそも魅力的ではないか。澁澤龍彦の文章で知って以来、なんとも読んでみたかったので、渇の癒えた心持だ。
 本書で採り上げられた主な人物。デュシャンカフカルーセル、ジャリ、アポリネール、ヴェルヌ、リラダン、イレレルランジェ、カサーレスロートレアモン、ポオ等々。

中沢新一が訳した『鳥の仏教』を読む。もう何度目か。最近心が荒れていたので、大切な示唆を受ける。

鳥の仏教

鳥の仏教

岡田温司『グランドツアー』読了。著者の新書本は、どれも大変な実力を感じさせるものばかりだ。読み物としてもみな面白い。本書もまさしくそうである。
グランドツアー――18世紀イタリアへの旅 (岩波新書)

グランドツアー――18世紀イタリアへの旅 (岩波新書)


R・シュトラウスオーボエ協奏曲を聴く。オーボエはホリガー。ただもう全篇美しさの極致だ。作曲された年代を考えると、反動的なまでに保守的な音楽だという他ないが、ここまで美しければよいではないか。間違っても「思想」などを求めてはならない、そういう類の名曲だ。ホリガーの演奏もいうことなし。
モーツァルト&R.シュトラウス:オーボエ協奏曲

モーツァルト&R.シュトラウス:オーボエ協奏曲