2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

トーマス・マン『だまされた女/すげかえられた首』

晴。 トーマス・マン『だまされた女/すげかえられた首』読了。マンにこれほどはっきり愛欲と死を描いた小説があるとは。二作ともそうである。(ついでに言えば、『ヴェニスに死す』もそうだろう。)理屈っぽい会話をこれでもかと展開していく点は、他の長編…

T・S・エリオット『荒地』/チャペック『絶対製造工場』/山口昌哉『数学がわかるということ』

晴。 T・S・エリオット『荒地』読了。岩崎宗治訳。体に冷気が沁み込んでくるような詩。初期詩篇が収録されているのもいい。荒地 (岩波文庫)作者: T.S.エリオット,岩崎宗治出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2010/08/20メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 8…

シモーヌ・ヴェイユ『根をもつこと』/川上未映子『わたくし率 イン 歯ー、または世界』/富山和子『水と緑と土』

晴。まだ酷暑。 写真屋。カルコス。 シモーヌ・ヴェイユ『根をもつこと(上)』『同(下)』読了。真面目な人だ。(あるいは、生真面目すぎる。)しかし、ヴェイユのキリスト教には戸惑わされる。ほとんど宗教原理主義である。科学批判は幼稚。これではどう…