川端康成『みずうみ』/内田樹『知に働けば蔵が建つ』/遠藤寛子『算法少女』/プレハーノフ『歴史における個人の役割』/幸田露伴『天うつ浪 前編』

晴。
川端康成『みずうみ』読了。何となく隔靴掻痒ではあるが、エロスの匂いの満ち満ちた、実験的作品である。文章は感覚的、繊細で、さすがに美しい。それにしても、川端は一筋縄ではいかない。ノーベル賞作家のデカダンスとは、愉快な気がしないでもない。

みずうみ (新潮文庫)

みずうみ (新潮文庫)

内田樹『知に働けば蔵が建つ』読了。
知に働けば蔵が建つ

知に働けば蔵が建つ

遠藤寛子『算法少女』読了。よく出来たジュヴナイルで、題材を和算に採っているなどというのは、まず他にはないだろう。気持ちのいい本だ。こういう本を文庫化するというのはすばらしい。
算法少女 (ちくま学芸文庫)

算法少女 (ちくま学芸文庫)

プレハーノフ『歴史における個人の役割』読了。
歴史における個人の役割 (岩波文庫 青 416-3)

歴史における個人の役割 (岩波文庫 青 416-3)

幸田露伴『天うつ浪 前編』読了。露伴は好きだ。
天うつ浪 (前篇) (岩波文庫)

天うつ浪 (前篇) (岩波文庫)


荻原魚雷さんのブログを読み始めてひと月くらいになったけれども、大言壮語しないが立派な思索者としてよく感心する。そして文章も立派だ。最近の「日常」というエントリー(こちら)でも、ダメ者っぽいのに不思議な味がある。歳が近いのも、親近感の理由のひとつかも知れない。自分などは大言壮語の癖が抜けなくて、恥かしいようなものだが。