猪木武徳『地霊を訪ねる』

晴。
アニメ的な、ナルシスティックな夢。
ウグイス君の鳴き声で目覚める。
 
NML で音楽を聴く。■ベートーヴェン交響曲第三番 op.55 「英雄」で、指揮はリッカルド・ムーティフィラデルフィア管弦楽団NMLCD)。ムーティ、大したものだな。巨大な領域。
 

ウチのイカリソウ(碇草)。ゴソゴソの中ですけれども。

ウチの桜。妹の誕生記念樹である。
もうツバメが来ている。ウグイス君は朝のうちしか歌わない。
 
昼。
■ジョルジェ・エネスク(1881-1955)のヴァイオリン・ソナタ第三番 op.25 「ルーマニア民族風で」で、ヴァイオリンはパトリツィア・コパチンスカヤ、ピアノはミハエラ・ウルスレアサ(NML)。

Rapsodia

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■ジェルジ・クルターグ(1926-)の八つのデュオ op.4、ラヴェルの「ツィガーヌ」(編曲版)で、ヴァイオリンはパトリツィア・コパチンスカヤ、ツィンバロンはヴィクトル・コパチンスキー(NML)。■「チョクルリア(ひばり)」「ドイナとホラ・マリタ」「ドイナとホラ」「カルシャリ」、ジョルジェ・エネスクの「幼き頃の印象」〜第一番「フィドル弾き」、リゲティの「バラードとダンス」、グリゴラス・ディーニク(1889-1949)の「ホラ・スタッカート」、ホルヘ・サンチェス=チョン(1969-)の「クリン」で、ヴァイオリンはパトリツィア・コパチンスカヤ、ツィンバロンはヴィクトル・コパチンスキー、他(NML)。アルバム全体を聴いた。伝承曲から現代曲まで、東欧の民族音楽風の曲を集めている。ヴァイオリンとツィンバロンの超絶技巧の掛け合いが楽しい。
 
■バッハのイタリア協奏曲 BWV971 で、ピアノはグレン・グールドNML)。Artemisia レーベルから出ているが、このクソ速い終楽章からして、たぶん正規録音のリマスター版ってことだろうな。もう著作権が切れているのか。■高橋渓太郎(1986-)の「風鈴」「嶺谺」「疾薫」で、ピアノはルーカス・ユイスマン、他(NML)。どれも硬質な、キラキラと美しい曲だ。始めの二曲はプリペアード・ピアノのためのもの。ルーカス・ユイスマンは三年ほど前に、武満さんのピアノ曲全集のアルバムを聴いている。半日ずっと音楽を聴いていたので、さすがに疲れた。


夜。
猪木武徳『地霊を訪ねる』読了。副題「もうひとつの日本近代史」。碩学による日本紀行で、立派な文章からして敬意が抱かれる。少しずつ読ませて頂いた、それにふさわしい、滋味あふれる書物だったと思う。題名からして心惹かれるではないか、いま、旅をして「地霊」を感受しようという人間がどれだけいることか。土地には必ず雰囲気、「地霊」というものが存在して、それこそがわたしたちの精神を形作るのである。

 
早寝。