晴。時雨。
ジョン・ロック『統治二論』読了。古典中の古典の新訳文庫版。加藤節の訳文は読みやすい。
- 作者: ジョン・ロック,加藤節
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2010/11/17
- メディア: 文庫
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プルーストの『失われた時を求めて』の邦訳がありすぎる(参照)。完訳で四種類(刊行中も含めて)、それも、全部文庫で入手可能なのだから。ちくま文庫の井上究一郎訳、集英社文庫の鈴木道彦訳、古典新訳文庫の高遠弘美訳(刊行中)、岩波文庫の吉川一義訳(刊行中)、というわけだ。自分は最初の井上訳で通読し、感銘を受けたが、これは何か問題でもあるのか。それは確かにいろいろな版があるのはいいことなのかも知れないが、セコい話かもしれないけれども、知力の無駄ではないのか。もっと他に翻訳・新訳してほしいものが、たくさんあるのだけれど。
それから、「読みやすい」翻訳というものが流行っているが、訳文をいじって原文から遠くして「読みやすい」というのなら、読者を馬鹿にした話だ。自分が「読みやすい」翻訳だというのは、訳文に「文体がある」くらいのつもりである。