スダーン指揮のシューマン/ロゲルギスト『新 物理の散歩道(4)』/マリオ・リヴィオ『黄金比はすべてを美しくするか?』

晴。さすがに朝は寒くなってきた。昼から時雨。
皮膚科。

ユベール・スダーン指揮、東京交響楽団シューマン交響曲全集のCDが届いた。マーラーオーケストレーションに手を入れたエディションで、マーラー版は以前から聴いてみたかったのだ。とりあえず、大好きな第三番から聴いてみた。この曲だけは、(本CDも入れて)四種類のディスク(他は、ハイティンクチェリビダッケ、セル指揮)を持っているくらい、好きなのである。この曲はかなり手が入っているようだ。全身を包み込むようなぼわーっとした響きがなくなったのはちょっと残念だが、翻って云えば、全体がはっきりと引き締まった。これもいいではないか。弦を削ぎ落とし、管楽器はかなり明瞭に聞えるようになった。スダーンは初めて聴くが、メリハリのついた指揮で、シューマンを生き生きと聴かせてくれる。気に入った。オーケストラも不満はない。これは残り三曲が楽しみになったぞ。

シューマン:交響曲全集(マーラー版)

シューマン:交響曲全集(マーラー版)

ロゲルギスト『新 物理の散歩道 第4集』読了。本筋とはあまり関係のないところに反応するが、南極では風邪をひかないというのは、本当なのだろうか。風邪は寒いからひくのではなく、ウィルスのせいでひくのである。で、風邪ウィルスのいない(本当?)南極では、風邪をひかない、というのだが(p.206参照)。
新 物理の散歩道〈第4集〉 (ちくま学芸文庫)

新 物理の散歩道〈第4集〉 (ちくま学芸文庫)


マリオ・リヴィオ黄金比はすべてを美しくするか?』読了。本書で話題になっている黄金比とは、次のようなものである。線分ABを考え、その途中に点Cを取る。このとき、三つの線分AC、CB、ABが存在するが、それらの長さがAC:AB=CB:ACを満たすとき、その比を黄金比と呼ぶのである。実際、AC=1、AB=xとおくと、x>0に注意して、
   
   
   
よって、黄金比は1:1.6180…となる。この比は、視覚的に美しいとも云われる。
 もっとも、本書でいちばん驚いたのは、またしても本論からの脇道である、いわゆる「ベンフォードの法則」というものであった。何でもいい、例えば企業の株価のリストなど、ランダムにたくさんの数字を集めてくる。そして、それらの諸数字の最上位の数を取り出す。最上位にはもちろん0はないので、1から9までの9通りの数字が、等しい確率1/9=約11%で現れてくる筈だと思われる。ところが実際は、「1」が32%、「2」が19%などと明らかに多めになり、逆に「9」は5%ほどだというのだ! これは様々な例において経験的に確かめられており、実際にアメリカではこの法則を用いて、企業の会計詐欺を暴き出すことがなされたほどである。しかし、この法則が成りたつ理由は、まだはっきりしないらしいのだ。これも(黄金比と密接な関係がある)フィボナッチ数列と関わりがあるらしい。
 著者はよほど黄金比にやられたらしく、様々な話題と例は、よくもここまで見つけ出してきたものだと思わざるを得ない。詩や絵画など、文系的な話題にも事欠かないから、理系のみならず、文系の人もきっと楽しめることと思う。
黄金比はすべてを美しくするか?―最も謎めいた「比率」をめぐる数学物語

黄金比はすべてを美しくするか?―最も謎めいた「比率」をめぐる数学物語


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