田辺元『懺悔道としての哲学』/川北稔『イギリス近代史講義』

曇。夜寒い。
田辺元『懺悔道としての哲学』読了。難解だが、刺激的だった。吉本隆明や、この田辺元といった人が、親鸞に深く打たれているというのは興味深い。自分の家はたまたま浄土真宗なのだが、そこの坊主を見ていると、浄土真宗というのは親鸞の精神とほとんど関係ないというのがよくわかる。金儲けには熱心だが、法話のひとつも出来ないのである。「救い」とか何かとかからはまったく遠いので、そういうものを与えてくれるように見える、新興宗教が流行るはずである。

懺悔道としての哲学――田辺元哲学選II (岩波文庫)

懺悔道としての哲学――田辺元哲学選II (岩波文庫)

川北稔『イギリス近代史講義』読了。現代の問題意識で、イギリス近代史を語っている。例えば、世界システム論(著者はウォーラーステインの翻訳者である)を用いて考察した、資本主義の起源。著者は、ゾンバルト流の、贅沢が資本主義を産んだという論にも、親近感を示している。また、なぜ近代西欧が、世界を制覇したのか。イギリスは本当に衰退したのか、等々。語り下しでここまでやれるとは、卓越した実力を感じさせる。
イギリス近代史講義 (講談社現代新書)

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