ジャン・ジュネ『女中たち/バルコン』/『フロッシー』/グノーの交響曲

この冬初めての、本格的な雪。昼前には止む。

ジャン・ジュネ『女中たち/バルコン』読了。待望の文庫化。訳注・年譜等、きわめて充実している。この頃、渡辺守章による翻訳がどんどん文庫で出ているのは素晴しい。
 で、本書を読んだら疲労困憊してしまった。すごい強度。

女中たち バルコン (岩波文庫)

女中たち バルコン (岩波文庫)

『フロッシー』読了。スウィンバーン作と伝えられるエロティカ。描写は露骨といえばそうだが、明るく健康的(?)で、なかなか良く書けていると思う。実際にスウィンバーン作だとしても、芸術的に見て著者の名誉を傷つけるものではあるまい。ただし、あまり実用(笑)にはならなそう。
フロッシー―十五歳のヴィーナス (ロマン文庫)

フロッシー―十五歳のヴィーナス (ロマン文庫)


マリナーの指揮でグノーの交響曲を聴いてみる。あまりポピュラーな曲ではないけれども、第一番、第二番ともに悪くない。古典的で、魅力的だといってもいいくらいだ。確かに第一番はハイドン風、第二番はベートーヴェン風で、どこかで聴いたような楽句だなと感じるところもあり、各楽章の様式感の統一も弱いともいえようが、もっと聴かれてもいいというのもまた本当だ。併録の「ファウスト」からのバレー音楽はポピュラーなもの。これは自分の好みではないが、はっきりと個性的である。
2 Symphonies / Faust Ballet Music

2 Symphonies / Faust Ballet Music