「都条例」とファシズム

東京の話だからあまり気にしていなかったのだが、ツイッターやブログを見ていると、例の「都条例」の可決で、出版界はそうとう混乱しているようだ。少女漫画などでも、ちょっと未成年の「性行為」が描いているだけで、単行本にできないといった対応になっているところがあるらしい。これはまさしく言論統制だな。何でも「クリーン」がいいなら、そのうち人間までも「クリーン」にしかねない。それはナチスのやったことだ。
 それにしても、この問題を注視していなかった自分の不注意には…。これは日本文化に大きな影響(それも負の)を与えるだろう。「PTAのオバサン」的「クリーン・ファシズム」の到来か。そういえば、最近は「禁煙ファシズム」もあるな(自分は煙草を吸わないが、それとは問題が別である)。「不健全な」漫画やアニメより、「クリーン・ファシズム」の方が悪影響が大きいと、何故わからないのだろうか。ここに書いたことは大袈裟だという人はいるだろうが、失礼ながら、そういう人は何もわかっていなのである。既にもうひどいことになってきているところに、火に油を注いだというのが、本当なのだ。オーウェルを読んでみてほしい。『1984』は現実化しつつある。

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

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