ぽつぽつと雨。
朝九時の開店直後にイオン。既に大変な人出で驚く。
カルコス。ここにも『高木貞治』なし。岩波新書の新刊が、かくも手に入らないとは。田舎だなあ。それとも大人気で売り切れたとか。希望的観測。
雨の中に椋鳥二羽。昼過ぎから霙。
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田辺元『哲学の根本問題/数理の歴史主義展開』読了。「哲学の根本問題」の方は一種の「哲学入門」であり、読みやすく、一方の「数理の歴史主義展開」の方は、田辺の科学哲学の総決算として書かれたもので、きわめて難解であるが、どちらも洵に興奮させられる。特に後者は、何という論文であろうか。自分には理解できないところも多いが、これほどまでに数理の世界に、哲学的に切り込んでいるとは! これほど物理・数学に正確な理解をしている哲学者は、自分は他にほとんど知らない。ドゥルーズも数学に強かったが、彼の数学は、レトリックに使われたものも少なくなかった。自分が田辺を読んでみたく思ったのは、おそらく少なからぬ人がそうだろうが、中沢新一の『フィロソフィア・ヤポニカ』を読んだせいである。この中沢の本も、再読する必要があるだろう。これは大きな楽しみを得たものだ。
哲学の根本問題・数理の歴史主義展開――田辺元哲学選III (岩波文庫)
- 作者: 田辺元,藤田正勝
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2010/11/17
- メディア: 文庫
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大澤真幸『生きるための自由論』読了。著者の才能を再確認した。とりわけ、脳科学の知見と日本語文法論を接続した自由論には唸らされた。お薦めだ。
なお、本書には直接関係ないが、脳科学に関する素人の疑問を記しておきたい。現在の脳科学は、脳を機械的にスキャンすることによって、脳の活動部位を特定している。その際、それに使われる機械は、脳の各部位の血流量を測定するもので、血流が多い部位が活発に働いている、ということになっている。しかし、周知のごとく、脳の精神活動は神経線維の化学的・電気的反応によるもので、それが脳の血流とどのような因果関係があるかは、未だはっきりしていない筈である。ここのギャップは脳科学において無視されているように見える。
また、血流量の多さが脳の活動のバロメーターになっていることを、仮に認めたとしよう。それでも、血流の平均流量からの「偏差」が精神活動の指標になっているという仮定は、証明されたわけではないだろう。ここにもギャップがある。
- 作者: 大澤真幸
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2010/10/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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農業、漁業、畜産業などの、いわゆる「第一次産業」。これらは自然からの贈与があるように見える。そして、資本主義の中で、純粋に価値が増殖しているのはここだけに見える。商取引における、また金融産業における「価値の増殖」とは何か。
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レジュメを作る能力だけが発達した奴が多いな。気をつけよう。