モーパッサン『宝石/遺産』

晴。
よく寝た。寝坊。

NML で音楽を聴く。■バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第三番 BWV1006 で、ヴァイオリンはジュリアーノ・カルミニョーラNML)。これでカルミニョーラによるバッハの無伴奏ヴァイオリンのための曲集のアルバムを聴き終えたことになるが、とてもよい出来でした。恥ずかしながらカルミニョーラって知らなかったのだが、既に有名なヴァイオリニストなのですね。だからというわけではないのですが、明らかに実力者で、このむずかしい曲集を技術的にも音楽的にも非の打ち所のないレヴェルで弾いています。この曲集が好きな人には文句なくおすすめできるでしょう。自分もさらに好きな曲を聴き直してみたいですね。

バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ

バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ

ハイドン弦楽四重奏曲第四十番 Hob.III:48 で、演奏はアマティ四重奏団(NMLCD)。


アルヴォ・ペルトの「マニフィカト」、「フェスティーナ・レンテ」、「ラメンターテ(抜粋)」、「主よ、我らが日々に平和を与えたまえ(合唱と管弦楽版)」で、指揮はトヌ・カリュステ、他(NMLCD)。■モーツァルトのヴァイオリン・ソナタ第三十五番 K.526 で、ヴァイオリンはイザベル・ファウストフォルテピアノはアレクサンドル・メルニコフ(NMLCD)。すばらしい。しかしモーツァルトは射程が巨大すぎるし、中身がありすぎるので疲れる。肩が凝りそう。■シューマンピアノ五重奏曲 op.44 で、ピアノはジェイムズ・レヴァイン、ラサール四重奏団(NML)。いやー、よかった。ロマン派の室内楽は佳曲の宝庫であるが、この曲は中でも傑作のひとつ。自分が室内楽を好きになったきっかけのひとつでもある思い出深い曲なので、いい演奏でとってもうれしかった。この曲のお手本のような演奏。

シューベルト:弦楽五重奏曲

シューベルト:弦楽五重奏曲

 

ガソリンスタンドで給油と洗車。

ミスタードーナツ イオンモール各務原ショップ。クリームイン・マフィン ソイラテ+ブレンドコーヒー486円。文庫新刊のモーパッサンの短篇選を読む。おもしろいおもしろい。エンタメよりもおもしろいんで、熱中して一気に読了してしまった。モーパッサンは昔は日本でもよく読まれたのだよね。いまはあまり読まれないと思うけれど、全然つまらなくないですよ。ハッピーエンドではないので、自分はハッピーエンドでないエンタメは基本的に好きでないのだが、これはこれでよいのだ。モーパッサンの身も蓋もない辛辣さが読ませる。僕はこういうのはむしろ好きなくらいで、モーパッサンから多くを学んだモームとかもかなり好きだ。モームもいまではまったくといってよいほど読まれませんね。エドマンド・ウィルソンモームは通俗だと一刀両断していたな。さても、心やさしい若い人たちモーパッサンを読んだらどんな感想を抱くのか、訊いてみたい気がする。

宝石/遺産 (モーパッサン傑作選)

宝石/遺産 (モーパッサン傑作選)

 
■トーマス・ラルヒャーの「クラーケン」、「ピアノ小品」、「Antennen-Requiem für H.」で、ピアノはトーマス・ラルヒャー、他(NMLCD)。ラルヒャー、ほんとに好きだわ。堂々たるモダニズム。■クルターグ・ジェルジュの「ヘルダーリン歌曲集」 op.35a で、バリトンはクルト・ヴィトマー(NMLCD)。

『エリアーデ著作集 第七巻 神話と現実』

深夜起床。
心が気持ち悪い。睡眠の後始末。

一昨日聴いたベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲が頭の中で鳴っている。
そういや昨日ひさしぶりにナナホシテントウを見た。

NML で音楽を聴く。■バッハのオルガン小曲集 BWV619-623 で、オルガンは椎名雄一郎(NMLCD)。■バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第三番 BWV1005 で、ヴァイオリンはジュリアーノ・カルミニョーラNMLCD)。■モーツァルトのヴァイオリン・ソナタ第二十一番 K.304 で、ヴァイオリンはイザベル・ファウストフォルテピアノはアレクサンドル・メルニコフ(NMLCD)。すばらしい曲であり、演奏だな。第二楽章など、これほどまでに哀愁を唆る演奏はなかったように思う。ここでもフォルテピアノが効いている。■シューベルトのヴァイオリン・ソナタソナチネニ長調 op.137-1 D384 で、ヴァイオリンはギドン・クレーメル、ピアノはオレグ・マイセンベルク(NMLCD)。■アルヴォ・ペルトの「アレルヤ・トロープス」、「聖三祝文」、「祝福されたペトロニウス」、「巡礼者の歌」、「聖なる母マリア」、「ベンジャミン・ブリテン追悼の『カントゥス』」で、指揮はトヌ・カリュステ、他(NMLCD)。

AM06:19 でもまだ薄明という感じ。朝が遅くなったな。冬だ。

晴。
クルターグ・ジェルジュ(1926-)の「弦楽三重奏のためのサイン、ゲーム、メッセージ」(全十九曲)で、ヴァイオリンは菊地裕美、ヴィオラは波木井賢、チェロはシュテファン・メッツ(NML)。クルターグという人は知らないが、ECM からたくさん CD が出ているなあ。Wikipedia を見ても相当に知られた人のようだ。無知でした。

Signs Games & Messages

Signs Games & Messages

■トーマス・ラルヒャーの「Vier seiten」で、チェロはトーマス・デメンガ、「Noodivihik」で、ピアノはトーマス・ラルヒャー(NMLCD)。ラルヒャーはかなり好きだな。モダニズム。■ヒンデミットヴィオラソナタ op.25-1 で、ヴィオラはルカ・ラニエーリ(NMLCD)。■ラヴェルの「ダフニスとクロエ 第二組曲」で、指揮はセミヨン・ビシュコフ、パリ管弦楽団NMLCD)。


ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ管弦楽版)」、「ラ・ヴァルス」で、指揮はセミヨン・ビシュコフ、パリ管弦楽団NMLCD)。悪くはないのだけれど、ビシュコフってちょっと底が浅い感じ。■メシアンの「主題と変奏」で、ヴァイオリンはギドン・クレーメル、ピアノはマルタ・アルゲリッチNMLCD)。アルゲリッチのピアノがきわめて美しい。もちろんクレーメルもすばらしいけれど、やはりアルゲリッチである。恐らく、存命のひととしては最高の音楽家であろう。音楽そのもののような人である。


図書館から借りてきた、『エリアーデ著作集 第七巻 神話と現実』読了。中村恭子訳。

 
リチャード・E・ルーベンスタインを読む。

こともなし

晴。
よく寝た。あまりにも幸福な夢を見ていて起きられなかったな。

NML で音楽を聴く。■ハイドン弦楽四重奏曲第三十九番 Hob.III:47 で、演奏はアマティ四重奏団(NMLCD)。■モーツァルトの弦楽五重奏曲第六番 K.614 で、ヴィオラはハラルド・シェーネヴェーク、クレンケ四重奏団(NMLCD)。いい曲だな。

ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲 op.61 で、ヴァイオリンはチョン・キョンファ、指揮はキリル・コンドラシンウィーン・フィルハーモニー管弦楽団NML)。冒頭の管楽器の導入がとてつもなく美しく、これが全体の基調を決めてしまったようだ。このシンプルで幸福感に満ちた曲は、ピアニストであるアルゲリッチと共にもっともシャーマニスティックな演奏家であるチョン・キョンファには合わないかとも思われたのだが、まったくの杞憂であった。確かにチョン・キョンファにしてはじっくりとおとなしく弾かれているが、どこまで到達しているのかわからないその広大な射程はそのままである。終楽章では、音楽のあまりの美しさに感動して、恥ずかしながら少し泣けてしまったほどだ。パートナーであるコンドラシン指揮のウィーン・フィルもまた主役であろう。最高の名演だと思う。これを聴いていると、以前からそんな気がしていたが、自分のいちばん好きなヴァイオリニストはチョン・キョンファなのではないかとも思われてしまう。

バイオリン協奏曲ニ長調

バイオリン協奏曲ニ長調

なお、チョン・キョンファのこの演奏の CD は上のタグのよりもお得なそれがいろいろ出ているので、上のやつを選ぶことはありません。老婆心ながら。

何かこのところクラいな。クラいの脱出計劃。

『ゲンロン 6』

休日(勤労感謝の日)。昧爽起床。

NML で音楽を聴く。■バッハのオルガン小曲集 BWV614-618 で、オルガンは椎名雄一郎(NMLCD)。■ショパン即興曲第一番 op.29、第二番 op.36、第三番 op.51、幻想即興曲嬰ハ短調 op.66 で、ピアノは園田高弘NML)。ショパン即興曲を聴きたいと思って NML で調べてみたら、園田高弘の録音があったので聴いてみた。園田は広いレパートリーをもったピアニストだったな。しかし、これで聴いていると、ポピュラーな「幻想即興曲」だけ贔屓にしているわけにはいかないという気になってくる。第一番もよく弾かれるが、その他だって悪くない曲だ。僕はこれら即興曲はあまり聴かないといえばそうなのだが、ホント悪くない。でも、スタンダードな録音って誰のなのだろうね。やはりルービンシュタインとかなのかな。ポリーニは録音していないしな。それにしても、園田を聴いていると故郷に帰ってきたなというような感じがするよ。

シューベルトのヴァイオリン・ソナタソナチネト短調 op.137-3 D408 で、ヴァイオリンはギドン・クレーメル、ピアノはオレグ・マイセンベルク(NMLCD)。■アルヴォ・ペルトの「フラトレス(ヴァイオリンとピアノ版)」で、ヴァイオリンはギドン・クレーメル、ピアノはキース・ジャレットNMLCD)。■ショスタコーヴィチ弦楽四重奏曲第十四番 op.142 で、演奏はボロディン四重奏団(NMLCD)。


日産のゴーン会長逮捕のニュースには別にそれほど興味がなかったのだが、ルノーがもともとフランスの国営企業であり、いまでも国が大株主であることから、欧米で様々な報道がなされているのを知ると、おもしろくなってきたなという感じもする。マクロン仏大統領がルノーによる日産の吸収を指示していたともされ、よくは知らないが、フランスではゴーン会長逮捕は日本の陰謀であり、実際は無罪であるとも報道されているようだ。つまらぬことをいえば、ヨーロッパ人にとって日産の吸収は日本(あるいはアジア)に対するルサンチマンを開放する出来事であり、それを阻止されたことで彼らのプライドが傷つけられたとも考えられる。いずれにせよ、ヨーロッパの政財界の多くがいまでも日本人を見下しているのはまぎれもない事実のようで、それがこの事件から透けて見えてくるような気がする。まあ、そんなことはどうでもいいといえばどうでもいいのだが。日本人の少なからずが中国・韓国人(あるいはその他アジア人)を内心見下しているのと同様な話であろう。
 
晴。
モーツァルトのヴァイオリン・ソナタ第二十三番 K.306 で、ヴァイオリンはイザベル・ファウストフォルテピアノはアレクサンドル・メルニコフ(NML)。これはよい! 最近聴いた音楽の中でもっともフレッシュな演奏だ。そもそもヴァイオリン・ソナタというのは多くの場合ヴァイオリンとピアノは対等でなく、どうしてもピアノが強くなってしまいがちであるが、表現力の乏しいフォルテピアノであるがゆえに、ここでは強く表現してもヴァイオリンとのバランスがちょうどよいということになっている。もともと自分はフォルテピアノの貧弱な音が好きではないのだが、ここでは効果的であることを認めないわけにはいかない。それに、演奏がまたよいので、先ほど書いたようにじつにフレッシュではじけそうだ。よいモーツァルトだと思う。残りを聴くのが楽しみ。

Sonatas for Fortepiano &

Sonatas for Fortepiano &

それにしても、このアマゾンの商品タグを見てほしい(↑)。アマゾンのクラシック音楽 CD 担当者のやる気のなさがはっきりと出た、えーかげんな記述である。前から思っているが、どこのどいつが担当しておるのだ。

ハイドン弦楽四重奏曲第二十五番 Hob.III:32 で、演奏はアキロン・クァルテット(NML)。初めて聴くカルテットだと思うが、なかなか好印象。ハーモニーが美しい。

Haydn / Mozart / Schubert

Haydn / Mozart / Schubert

昼から県図書館。早めの時間に行ったので、いろいろとゆっくりたっぷり本を選ぶことができた。結局限度の十冊借りる。
 図書館の隣のミスドで本を読もうと思っていたのだが、休日なので駐車場が満杯。まあ「ひぐち」へ寄ればいいやということで、珈琲工房ひぐち北一色店へ。いま借りたばかりの『ゲンロン 6』を読む。この雑誌を読むのはひさしぶりである。特集である、「ロシア現代思想 I」というのにざっと目をとおした。最近のわたしは勉強不足なので中身は一行たりとも理解できない…、というとレトリックになってしまうが、まあそんなものにはちがいないわけだけれども、いまの優秀な人たちがどこを向いているかは凡そ見当がついた気がする。東さんは巻頭言で、これまで「特定の小さな文脈に閉じこもって」OK といってきたのに、ここで外部を注入するという矛盾を言い訳しておられるが、気持ちはわからないでもなかった。座談会でも翻訳論文を読んでも思うが、もはや優秀な人たちが手っ取り早くやれることが残っていないのである。思えばポストモダンは「知のたわむれ」とか言ってアホだといまでは切り捨てられる感じだが、しかしそれなりに真剣にたわむれていたところがあって、東さんなどもそういう文脈で出てきた人であった。いまや、皆真剣であるようで、結局はカードをシャッフルして提示する以上のことができず、それをうまくやれるのが優秀ということで、ポストモダンよりもはるかに苦しくなっている。確かに「ロシア現代思想」、興味深くないことはないし、大変に「知的」な議論がおこなわれているが、結局はぼくは頭がよいでしょうごっこ以上のことができない。さても、僕などは頭がよくないのでおー若い人たちかしこいなとは感心するが、当事者たちは大変だな。まあ自業自得なので、頑張って下さいというしかない。さて、残りの部分も目をとおそう。じつは『ゲンロン 7』も借りてきているのだよ、わたしは。

ゲンロン6 ロシア現代思想I

ゲンロン6 ロシア現代思想I

しかし、ホントこれだとお先真っ暗の感じで、わたしのいうことがまちがっている方がナンボかマシである。何か若い人たちが熱中できる、真に新しいことがあるといいのだが。それは必然的にポストモダンの否定なので、ポストモダンをバカにする優秀な人たちはマジ頑張って欲しい。

とはいえ、こんなこと書いてもしかたがないようにも思える…。意味なし。いまの優秀な人は、自分の頭のよいことが他人にわかればそれで充分なのかも知れない。しらんけど。

そういや図書館で坂本龍一の音楽のアナリーゼと本人へのインタヴューが収録されている大部な本を見つけて興奮して読んでいたのだが、本があまりにもデカすぎて借りられなかった…。しかしまあ、音大の学生でもなければわからない感じで、自分が読んでも読みこなせない気がする。


『ゲンロン 6』にざっと目をとおし終った。基本的にわかったことはひとつ。若い人たちの世界とわたしの存在する世界はまったくちがう。どこかで世界線が離れてしまったようだ。もはやわたしは、若い人たちの世界にとってまったく無意味であり、invisible な存在である。それを強く確信した。そしてわたしの存在する世界は既に消滅しかかっている。それを止めることは不可能である。(PM05:54)
端的にいえば、いつも言っているとおり、ただ自分はどうしようもなく時代遅れになったんだよ(昔からだけど)。簡単にいえばそれだけ。大袈裟にいうほどのことでもない。

ちょっとクラいな。あんまりクラくてもな。


リチャード・E・ルーベンスタインを読む。

ブラームスの四つのバラード op.10 で、ピアノはファビアン・ミュラーNMLCD)。特に第四曲がよかった。このピアニストがよいピアニストなのかどうか自分にはわからないが、少なくともこのブラームス・アルバムは悪くないと思っている。

こともなし

曇。
よく寝た。テキスト・アドベンチャーゲーム(齢がわかる)をやる夢を延々と見ていた。それも全然進まなくて、ついに「まぬけが。こうやってやるんだよ」みたいな表示が画面に出てくるという。何でこんな夢を見たものか。僕だって昔はゲームをやったし、いまでもやってみたいとは思うのだが、そこまで余裕がないし、それに根気が続かない。やっているうちに「自分は何でこんなことをしているのだ」みたいな気分になってくるので。たまーに昔のゲームのリメイク版をやり始めたりすることもあるのだが、10分と続かない。

NML で音楽を聴く。■モーツァルトの弦楽五重奏曲第五番 K.593 で、ヴィオラはハラルド・シェーネヴェーク、クレンケ四重奏団(NMLCD)。

昼までぼーっとする。

昼から散髪。さっぱりした。
昨日までの天気予報では雨になるといっていたけれど、今日もいい天気である。

夕食後、早寝。

ホーフマンスタール『チャンドス卿の手紙/アンドレアス』

晴。

NML で音楽を聴く。■バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第二番 BWV1004 で、ヴァイオリンはジュリアーノ・カルミニョーラNMLCD)。■ベートーヴェンのピアノ協奏曲第四番 op.58 で、ピアノは園田高弘、指揮は大山平一郎、九州交響楽団NMLCD)。■アルヴォ・ペルトの「アリーナのために」、「わが道は山谷あり(管弦楽版)」、「カノン・ポカヤネン(痛悔のカノン) - 頌歌 VI」、「シルーアンの歌」で、ピアノはアレクサンドル・マルテル、指揮はトヌ・カリュステ、他(NMLCD)。

■ベルナルド・ピサーノ(1490-1548)の「愛の神よ、見るがいい」、「ノーヴァ・アンジェレッタ」、「澄みきった爽やかで穏やかな川の流れよ」、「シ・エ・デビーレ・イル・フィーロ」、「ネ・ラ・スタジョン」、「ケ・デッビオ・ファル?」、ジャック・アルカデルト(1507-1568)の「ソロ・エ・ペンソーソ」、「L'aer gravat'e l'importuna nebbia」、「トゥッティル・ディ・ピアンゴ・エ・ポイ・ラ・ノッテ」、ロジャー・マーシュ(1954-)の「イル・コル・トリスト」で、演奏はヒリヤード・アンサンブルNML)。ルネサンス期(あるいはその直後)の作曲家二人と、現代の作曲家を混ぜた、ECM らしい個性的なアルバムである。選択には一本筋がとおっていて、古の作曲家たちはペトラルカの「カンツォニエーレ」、現代の作曲家はダンテ・アリギエーリの「神曲」からテクストを選んで曲を付けている。語学ができないのが非常に残念。特に古の作曲家たちは魅力的であった。ペトラルカ(14世紀のひとである)には、作詩されてからどれくらいたってどういう経緯で曲がつけられたものであろうか。あとでライナーノーツを読んでみたい。

Il Cor Tristo

Il Cor Tristo

 

好天。昼からひさしぶりに県営プール。多少マジメに泳いだらしんどかった(笑)。定期的に行きたいのだけれど、つい面倒になっていかん。


ホーフマンスタール『チャンドス卿の手紙/アンドレアス』読了。丘沢静也訳。とてもおもしろかった。ホーフマンスタールの文章は翻訳でも意味作用が強烈で、危険を感ずるほどである。そのホーフマンスタールが単語の意味が崩壊してゆく壮絶な体験をし、そこから「チャンドス卿の手紙」という傑作を生み出したというのがすごい。これは古今東西に稀な、魅力的な話というか、小説である。また「手紙」以前に書かれた「バッソンピエール元帥奇譚」(本書では「バソンピエール元帥の体験」という題になっている。たぶんこちらの方が原文に忠実な題なのだろう)は現実にはまずあり得ない話であるが(しかし、ゲーテも活用した元ネタがあるというのはどういうことだ)、これもファンタジーゆえに強烈な魅力がある。澁澤龍彦がお好きな人は、『マルジナリア』の中に「バッソンピエール談義」という、じつに魅力的な短い文学談義があるのを御存知だろう。澁澤のある友人(誰だろう)が、どうしてこの小説はこんなに好ましいのだろうとふと言い出して、それについて二人でおしゃべりをするという小文だが、あざやかに心に残っている。ちなみに自分も、このファンタジーが大好きだ。天才・ホーフマンスタール。旧・川村二郎訳で読み直してみてもよいかも知れない。

チャンドス卿の手紙/アンドレアス (光文社古典新訳文庫)

チャンドス卿の手紙/アンドレアス (光文社古典新訳文庫)

マルジナリア (福武文庫)

マルジナリア (福武文庫)

 
リヒャルト・シュトラウスの「メタモルフォーゼン(23の独奏弦楽器のための習作)」で、指揮はクリストフ・フォン・ドホナーニ、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団NML)。
R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」OP.20

R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」OP.20

シューベルトのヴァイオリン・ソナタソナチネイ短調 op.137-2 D385 で、ヴァイオリンはギドン・クレーメル、ピアノはオレグ・マイセンベルク(NML)。
Schubert: Violin Works

Schubert: Violin Works

ハイドンのピアノ・ソナタ第四十二番 Hob.XVI:27 で、ピアノはニクラス・シーヴェレフ(NMLCD)。■トーマス・ラルヒャー(1963-)の「Naunz」で、ピアノはトーマス・ラルヒャー(NML)。
Naunz

Naunz