大晦日。日曜日。夜のあいだに降ったようで(地面が濡れている)、起きてもぶ厚い雲で真っ暗。
NML で音楽を聴く。■シューマンのピアノ三重奏曲第一番 op.63 で、演奏はトリオ・ヴァンダラー(NML、CD)。随分とひさしぶりにこの曲を聴いたな。何十年ぶりかも知れない、でも、若い頃に聴いていた曲なので、それなりに覚えていた。全体的に低く陰鬱だが、終楽章でパーッと光が差してくる感じ。トリオ・ヴァンダラーにはあらためて感心した。この団体、もっと聴いてみよう。
スーパー。去年もだったらしいが、大晦日は客が少ない。新年は三日からだそうである。
昼。雨になる。大晦日に雨、か。なんか落ち着くな。
肉屋。さすがに一年で一番混雑している日だな。正月に妹一家が来るので、そのとき用の豚かたまり肉を購入。
交通量は少なめ。帰りに北の空に、短くて太い虹のかけら、バウムクーヘンの一片みたいなのを見る。
■ベートーヴェンの交響曲第九番 op.125 で、指揮はリッカルド・ムーティ、ウェストミンスター合唱団、フィラデルフィア管弦楽団(NML、CD)。パワフルで器の大きな、すばらしい演奏でした。第三楽章(緩徐楽章)には泣かされた。終楽章はわたしの好みでいえばちょっと合唱がうるさすぎるが、これも人によったら迫力満点というかも知れないし。まあ、めんどうなことをいうつもりはない。1988年の録音。
ムーティ+フィラデルフィア管のベートーヴェン全集は、あと聴いていないのは第七番くらいかな。これまで、どれもよかったと思う。
■あるブログでラファウ・ブレハッチというピアニストを絶賛してあったので、ちょっとだけショパンを聴いてみたが(ピアノ・ソナタ第二番、第三番、NML)、小粒というか、どうも器が小さく、あまり聴く気になれない(各一分ほど聴いただけだが)。音はきれい。2005年のショパン・コンクール優勝者であるという。過去の自分も気に入らなかったようだ。
■モーツァルトのヴァイオリン・ソナタ第二十七番 K.379 で、ヴァイオリンは庄司紗矢香、フォルテピアノはジャンルカ・カシオーリ(NML、CD)。衝撃的なモーツァルト。愛らしいモーツァルトではなくて、鋭くて汚い音、劇的・巨大であり、まるでベートーヴェンの「クロイツェル・ソナタ」でも聴いているみたいだ。人をほとんどイヤな気持ちにさせる、まるでよい純文学でもあるかのようである。庄司紗矢香は人気ヴァイオリニストであるが、楽しい音楽を求めるような音楽家じゃないぜ。昔、ヨーゼフ・シゲティという音が汚い大ヴァイオリニストがいたけれど、ちょっと彼を思わせるところがある、つーか。何にせよ、わたしの精神は庄司紗矢香ほど大きくなく、聴いていてつらくなるほど。
カシオーリも、庄司紗矢香の相方にふさわしい演奏を聴かせていると思う。
なお、数年前に、ヴィキングル・オラフソンと庄司紗矢香が組んで、日本公演を行っているらしい。そのとき、ヴィキングル・オラフソンはほとんど注目されなかったようである。なるほど。
#
夜。
夕食はいわしの丸干し(を焼いたもの)と、乾麺を茹でた年越しそば。いわしの丸干しは、魔除けのためだという。今年も一年、家族皆んな、なんとか息災だったなと思う。
では、わたしはこれからアニメを観て寝ますので、皆さん、よいお年を。(21:01)
『君に届け』(2009)第25話(最終話)まで観る。年の最後に観るにふさわしい、最高の作品だったな。ちょうどラスト、大晦日の二年参りだし。もう、第21話からずっと、うるっとしっぱなしだった。尊くて浄化されました、ありがとう。さて、2期はどうなるんだろう、このままはいかないよね。
これ、聖地はどこなんだろう。ちょっと田舎っぽい感じもあるし、雪もかなり降るからなあ。
遠くで新年の花火の音が聞こえる。(0:03)