アンジェロ・ファブリーニ『ピアノ調律師の工具カバン』

日曜日。晴。雲多し。
昨晩は九時に寝てしまう。いったん三時頃に目覚め、心の状態を変えてまた寝る。結局十時間眠り、さらに一時間ふとんの中でうとうとして、俗な夢を見る。
 
ドラッグストア。
スーパー。外気6℃、だいぶ寒くなってきた(でも、寒さに慣れてもきたが)。鍋料理の材料を多く買う。
 
洗面所に立ててある菊の花が、強い香りを放つ。あまりいい匂いではない。それにしても、畑で菊は、長いこと咲いているな。そうそう、ウチの菊は菊人形にするような立派なやつでなく、小さい小さい花が、群れて咲くのである。
 
水仙が咲き出した。

 
 
昼。時雨れる。
珈琲工房ひぐち北一色店。図書館から借りてきた、アンジェロ・ファブリーニ『ピアノ調律師の工具カバン』読了。副題「失われた音を求めて」。おもしろかった。超一流のピアニストや調律師ともなると、一種異常な感覚の持ち主なのだなとつくづく思わされた。我々凡庸な聴き手に、そのような音がどれくらいわかるものであろうか。

 
帰りは外気3℃。霙か雪か、わからないような感じで降る。
 
 
NML で音楽を聴く。■モーツァルトのセレナード第十一番 K.375 で、演奏はベルリン・フィルハーモニー管楽アンサンブル(NML)。よい。1982年の録音。モーツァルトのヴァイオリン・ソナタ第二十一番 K.304 で、ヴァイオリンは庄司紗矢香フォルテピアノはジャンルカ・カシオーリ(NML)。庄司紗矢香をまともに聴くのは初めてであるが、まあ何とも、すごい広さの射程であること。そしてヴァイオリンもピアノもピリオド楽器であるせいもあろうが、音が汚い。いや、これはたぶん、庄司紗矢香の特性でもあると思う。かつて CD で庄司紗矢香プロコフィエフを聴いたことがあるのだが、当時のわたしにピンとこなかった筈だ。モダン楽器でも、いわゆる美音のヴァイオリンではなかったように、かすかに記憶しているから。いずれにせよ、(わたしなどがいうまでもなく)大変な才能だ、さらに庄司紗矢香は聴かざるを得ない。この音の汚さと広大な射程からいったら、ベートーヴェンなんかがぴったりだろうと予想する。 
夕食はこの冬初めての寄せ鍋。めっちゃおいしくて食べすぎた。いろんなものの味が汁に出て、それが沁み込んだ白菜がうまい。パッパッと七味をかける。