ウンベルト・エーコ『歴史が後ずさりするとき』

曇。

NML で音楽を聴く。■矢代秋雄(1929-1976)の交響曲で、指揮は岩城宏之NHK交響楽団NML)。

 
昼寝。お気楽ちん。
前に義弟がもってきてくれた饅頭を皆んなで食う。


ウンベルト・エーコ『歴史が後ずさりするとき』読了。副題「熱い戦争とメディア」。エーコが大知識人であることは前に書いた。しかし彼の啓蒙主義はいまひとつ好きになれないな。まあ、我々一般人はバカであり、バカは啓蒙されねばならぬというのは尤もであるが(「事実を知って、自分の頭で考えよう!」)、どうもね。わたしは特にこのインターネット時代において、知性よりも深い感情が大切であることを確信している。ってのは、いつも書いているけれどね。知性と感情を同じ土俵に上げるな、といわれるかも知れないが、果たしてそうなのかな。わたしは、エーコは感情的にそれほど深い人でなかったと思う。←って、大知識人に何様!だよね💖

小林秀雄のいっていた「常識」というものの大切さも、ちょっと思い出される。この「常識」というのは、たんなる平凡な意見というような意味ではない。例えば、どうして人を殺してはいけないか。あるいは「哲学者」なら、そのテーゼを様々に分析し、理屈によってその理由を根拠づけてみせるだろう。でもそれは、一方では、我々の心のいきいきとした、現実に対する反応を固定化してしまうことになる。でも、「常識」で考えるなら、とにかく人を殺すのは「いけないに決まっている」のであり、それは無限に複雑な現実に対する「当たり前」な心の反応なのであって、このような「常識」がなければ我々は一瞬だって生きてはいけない。なのに、かしこい人は「常識」の力を否定したくなるのだよね。ま、むずかしい話だな、自分でもうまくいえたとは思わない。


日没前、30分ほど散歩。陽が落ちるのが早くなった。

このごろ高鳴きを始めたモズ。


秋明菊シュウメイギク)。


用水に水が流れなくなった。もうそういう季節なのだな。

眠い。
早寝。