アレクサンドル・アルチュニアンを聴く / 玄侑宗久『祈りの作法』

日曜日。晴。
 
NML で音楽を聴く。■ベートーヴェン交響曲第四番 op.60 で、指揮はヘルベルト・フォン・カラヤンベルリン・フィルハーモニー管弦楽団NML)。1962年の録音。皆んなもっと60年代のカラヤンに驚いた方がいい。

 
ヒヨドリがぴいぴいキーキーいいだした。
 
スーパー。リニューアルしてから客が少ないような気もする。
 
昼。
アルノ・ババジャニアンのピアノ作品集 ババジャニアン(1921-1983)はアルメニアの作曲家。アレクサンドル・アルチュニアンのピアノ作品集 アルチュニアン(1920-2012)はアルメニアの作曲家。こんな作曲家がいたとは。何で突き抜けるか、わからないものだな。
 
暗い部屋にだらしがなく寝転がって、うとうとしながら音楽を聴くともなく聴いているのだ。怠惰極まりなし。
 
■アルチュニアンのトランペット協奏曲で、トランペットはポール・メルケロ、指揮はハンス・グラーフ、ロシア・ナショナル管弦楽団NML)。さーて、インスタントコーヒーも飲み終わったし、また何か聴くかと思って NML の「今週の一枚」をなんとなく見たら、なんとこの曲が採り上げられているではないですか。驚いた。シンクロニシティだなあ。このトランペット協奏曲は、アルチュニアンの中でももっともよく知られた曲であるらしい。この録音は Naxos の新譜。■ミェチスワフ・ヴァインベルク(1919-1996)のトランペット協奏曲第一番 op.94 で、トランペットはポール・メルケロ、指揮はハンス・グラーフ、ロシア・ナショナル管弦楽団NML)。ヴァインベルクはポーランド出身の、ロシア・ソ連の作曲家。
 
夜。
図書館から借りてきた、玄侑宗久『祈りの作法』(2012)再読了。玄侑さんの3.11。玄侑さんは福島県の三春に住んでおられる、まさに当事者である。本書では放射能に対して科学的であることと、宗教家として感情を取り扱っていくことの両者が有機的に絡み合い、渾然一体となって存在している。国家、民主党政権の首相、東電に関する情報と判断なども、いまさらながらとても参考になった。教わることが、いまでも(ある意味では悲しいことに)とてもたくさんある。このところ考えている、日本人と政治と国家について、ますます懐疑的な方向に考えが進んでしまう。日本人は政治となると、人間として当たり前のことができなくなるというのが、昔も今もかわらない。だらしなく状況に流されてしまい、まともな知性と感性をもって行動することができない。つまりは、他人に対する想像力と、(人間としてもつべき最低限の)ポリシーというものがない。これは政治家だけの話ではない、我々ひとりひとりの問題でもあるのだ。日本の政治家・官僚・財界人・インテリは「面子」にあまりにもこだわりすぎるし、国民をみくびり、バカにしている。しかしそういう国民を見下す彼ら彼女らこそ、クズというべきなのだ。さても、問題なのは、我々が政治家・官僚・財界人・インテリになると、どうして多くがするりとそうなってしまうのか、ということ。それは、日本人の長所と表裏一体でもある。