晴。
小林敏明『<主体>のゆくえ』読了。がっちりとした学術書であるが、読み物としてとても面白い。英語でいうsubject(対応する語は、各ヨーロッパ語にある)という語が日本に入ってきてからの、訳語と用法の変遷をたどったものである。基本的には「主観」「主体」の二語ということになるのだが、例えば西田哲学においては、「主観」から「主体」への変遷が見られるというのが興味深い。それに関して「京都学派」について詳しく論ぜられ、戦後から学生運動の時代、さらには構造主義からポスト構造主義まで、射程は長い。日本語で哲学ということを考えるには、本書は必読書といってもよいくらいだろう。
現在では、この語はもちろん不人気になっている。しかし、「主体」という語を使わないというのも、やはり無理だろう。いったいこの語は、これからどうなってしまうのだろうか。
〈主体〉のゆくえ-日本近代思想史への一視角 (講談社選書メチエ)
- 作者: 小林敏明
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/10/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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これには驚かされた。「地震や津波を人工的に起こすのは技術的に可能で、国際政治、軍事上で常識化されている」? こんな奴が、復興担当の総務政務官に就任していいのか? こちらも参照のこと。