上林暁『星を撒いた街』

晴。
朝一番でプール。アピタ

上林暁『星を撒いた街』読了。上林の小説は文庫で二冊読んだことがあるだけだが、山本善行氏の撰になるこのアンソロジーを読んでみて、陳腐な表現になってしまうけれども、そのすばらしさに驚かされた。一字一句、心に沁み入ってくるような文章が並んでいる。私小説にこんないいものがあるとは。目を開かれたような思いだ。
 自分は最近、変な言い方になってしまうが、何でもない「普通の」人の「普通の」ブログの面白さに気づいたのだけれども、「私小説」の面白さも、それに多少似ているかとも思う。つまらない人生などない、というか。それがすばらしい文章で書かれていれば、なおさらである。
 それから、あわてて付記しておけば、本書は「書物」としてもとてもゆかしい。つつましくも美しい本になっている。

上林暁傑作小説集『星を撒いた街』

上林暁傑作小説集『星を撒いた街』