晴。
小泉義之『デカルト哲学』読了。まったく感心しなかった。著者の文庫版あとがきに拠れば、原本の新書は好評だったらしいが、へーえという感じである。同属嫌悪かも知れないが、ハッタリの本という印象。例えば、お前本当に仏教を知ってんのかよと言いたくなった。もちろん浅はかな理解なのである。精々経典を少し読んだくらいではないか(いや、それすらもどうだろう)と思ったが、如何? とても仏教を生きているようには思えない。キリスト教に関しても同じである。頭で理解しているだけなのではないの? 自殺に関しても同様。本当に突き詰めて自殺について考えたことがあるのか。ドゥルーズの自殺に関しての噴飯物の解釈を読んでも、浅はかという印象は変らない。こんな風に理解されては、ドゥルーズが気の毒なのではないか。ドゥルーズ研究者だから、ドゥルーズは例外にしたかったのだろうな。これってデカルトについての本なのに、そこで終っているし。意味不明。
- 作者: 小泉義之
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/04/11
- メディア: 文庫
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しかし、著者が自分で書いているとおり、橋本治の小説に賞が与えられたのは、本書が初めてだというのは、殆ど信じられないような気がする。まあ、賞などというのはお遊びみたいなものだが、それでもねえ。ところで、この系列の短編、橋本治は書き続けているのだろうか。そうであれば、それらも是非読みたい。そうでしょう?
- 作者: 橋本治
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/02/20
- メディア: 文庫
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山形浩生「経済ジャーナリズム:2014年への展望」
http://cruel.org/other/econjournalism2014.pdf
じつに勉強になるまとめ。山形浩生氏は、個人的な好き嫌いは措いて(というか、正直言って、自分はあまり好きになれないのだが)、どう考えてもその頭のよさを、人のためになることに使っていると思う。エリートとは、こういう人のことを云うのだろう。我々凡人は、ここから多くを学べるし、学ぶべきだと思う。日本の言論の中心は、ちっとも勉強をしていない奴に満ちていることがわかる筈だ。まあ、これも正直言って、自分は日本経済についてなど最近は興味を失いつつあるが、この分野で何がまともかくらいは知っておきたいと思う。(なお、自分はアナクロなので、山形氏が罵倒する対象で、好きな人・ものがたくさんあるのだが。それでもである。)