小林敏明『西田哲学を開く』

日曜日。晴。
小林敏明『西田哲学を開く』読了。副題「<永遠の今>をめぐって」。西田幾多郎の時間論。西田哲学の「永遠の今」というのを、アウグスティヌスの「過去についての現在」「現在についての現在」「未来についての現在」や、木村敏の「アンテ・フェストゥム」「イントラ・フェストゥム」「ポスト・フェストゥム」などと絡めて論じているのが刺激的。西田にあっては、究極的には「現在」しか存在しない。西田の「非連続の連続」と「死から生」の時間的流れ。クロノスに対するカイロス。瞬間の充溢というのは、カイロス的時間しかあり得ない。西田哲学の「無」(初期の「純粋経験」と連続する概念)というのは、無分節的であり、時間的に云えば、現在も過去も未来もアマルガムになっている。