こともなし

晴なれど雲多し。寒い。
 
スーパー。液体類が多くて買い物バッグが重いのなんのって。
年末の特別の活気って、あるのだろうか。そういうのは、イオンモールみたいなところへ行かないとないのかな?
 
オカタケさんの「ふくらむ読書」を読んでいて、随筆の三月書房というのを知った。三月書房というとわたしなどは(既に閉店した)京都の有名な本屋さん(でも、行ったことはない)のことを思うが、これは昔からある東京の出版社で、箱入りの随筆書専門のそれなのだという。わたしは本のことをあまり知らないので、初めて聞いた。オカタケさんも書いておられるが、そんなニッチな商売で、お金もうけができた(できる)とは思えない。志(こころざし)、というか、何か豊かなものを感じるな。
 
昼。
夕方まで長時間ごろごろぼーっとする。
 
年末の部屋掃除、めんどうなので明日にまわそう(そして結局やらない)というパターンに持ち込もうかと思っていたのだが、どうせヒマなのでやる。まあ、それほどめんどうでもなかったが、本がなければ一瞬で終わるのにな。
 片付けているうち、中井久夫さんの本が置いている一角を見て、何か中井さんのエッセイ集(みすず書房の、すべて揃っている筈である)を読み返そうと、『清陰星雨』を取り出してくる。あと、好きだった澁澤龍彦のエッセイ集(『思考の紋章学』とか)も、手に取りやすいところへ置く。そういや、これも大好きだった『胡桃の中の世界』や『夢の宇宙誌』(どれも書名がおしゃれ)がないなと思って、いろいろ探して見つける。
 
 
『清陰星雨』(2002)を読み返し始める。冒頭に置かれた「はじめに」を読むと、日本の現状に恐ろしく悲観的で、辛辣ですらある静かな文章に、ほとんど蒼然とする。中井さん、こんなことを書かれていたのか。まったく覚えておらず、驚いた。「失われた30年」を、ほぼ見通してすらいる。あとは、「そして日本は、没落した」という一文を入れて、いま出版してもいいかも知れない。
 かつてはあれほど、見通せないほど高く、深淵を感じた中井さんの文章も、いや、それにはちがいないのだが、少しはその射程が見えてきたようにも思える。わたしは、(地方在住の)大知識人でありながら、在野のアマチュアというスタイルでお書きになった中井さんが好きだ。どんなプロフェッショナルよりも広く高く深い、天才的なアマチュア。もちろん精神科医としてはプロ中のプロであり、また翻訳はすごかったが、そこはわたしのよく知るところでない。アマチュアというか、密かにどこか「魔術師」めいたところがあった。ああいう人は、いまの日本に、ただのひとりもいないと、わたしは感じている。
 
 
夜。
夕食は年に一度のすき焼き。でも、お肉をたくさん食べて、もう若くないのでちょっと胸焼けする。しょうがないなあ。
 
君に届け』第14話まで観る。なるほど、ラブストーリーとしては惹かれないけれど、女子の陰湿ないじめとか、恋敵を計算ずくで罠に嵌めたりとか、女性の嫌なところが(フィクションだから強められてはいるが)リアルすぎておっそろしい。そこに、フィクションにしかたぶん存在しない、主人公の爽子のピュアさが際立つので、泣かされる。友だちの矢野と吉田も、ヤンキー女子だけどすごくいいヤツらで、これも現実にあり得ないキャラクターかも知れない。わたしはこの作品、この(女子の)現実にはない友人関係のドラマが好きなのだと思う。
 正直いって、風早の造形は男性から見るとリアリティがなく、女子の憧れる理想の王子様というところを出ない。まあ、それがいけないとはまったく思わないけれど。
 しかし、女子向けの物語かと思っていたが、女性の嫌なところがてんこ盛りすぎて、人によっては我慢できないかも知れないし、ピュアな爽子の造形も気持ち悪く思えるということは、充分あり得るような気がする。ま、わたしのよくわかることではありませんが。
 それから、OP曲のタニザワトモフミ(谷澤智文)「きみにとどけ」は、ありがちな感じだが、映像とよく合っていていい OP になっている、いつも OP が楽しみ。
 
来年アニメ3期、12年ぶりにやるのか。でも、Netflix 独占かー、まああとで他の配信でもやるだろうけれど。