赤坂憲雄『災間に生かされて』

晴。
一族家業が殺し屋の夢を見る。周到に準備をして殺すのであるが、わたしは殺すのになじめない。血が好きではないのだ。
 
資本主義のいちばんの難点は、我々の心を貧しくするということだ。それは欲望を一定方向に整流化し、消費によって単純化せしめるのであり、結果的に我々から多様性を奪う。これほど人間が世界規模で単純化した時代はない。我々の感情はあやつられている、知性は高度化・画一化した、まあ、そんな風にいってもいいのかも知れない。
 
 
朝から酷暑の中、老父母が畑や庭の草取りをしている。冷房の効いた部屋でのほほんとしているわたしは、クズみたい。しかし、さすがにもう上がるようにいう。

ブルーベリーがたくさん収穫できた。先日、ブルーベリーの木に掛けてある鳥よけの網にムクドリが引っ掛かって死んでいたそうで、色んだ実が食べたかったのだろう、バカでかわいそうだったなと思う。
 
第642回:頭脳警察・PANTAさんの訃報。の巻(雨宮処凛) | マガジン9
 
昼。
NML で音楽を聴く。■ウェーベルンの五つの楽章 op.5、交響曲 op.21、「眼の光」 op.26、管弦楽のための変奏曲 op.30、カンタータ第一番 op.29、第二番 op.31 で、指揮はピエール・ブーレーズベルリン・フィルハーモニー管弦楽団NMLCD)。
 
 
珈琲工房ひぐち北一色店。おいしいコーヒーに多少元気が出る。
藤本和子さんの『砂漠の教室』(元本1978)の続きを読む。夫とイスラエルへ、ヘブライ語の勉強に行く話。異文化体験というか、どちらかというとマジメで深刻な内容なのだが、じつにうまい文章でさらりと読ませる。このようなシリアスな話題を、こんなにうまい文章で綴っていいものだろうか、という感じがちょっとしないでもない。その間にはさまる著者自身の不妊治療において、理不尽で不愉快な体験をいっぱいするのも、あたかもあざやかな短篇小説を読んでいるかのようだ。
 
自転車用のピンクのヘルメットをかぶった少女が裏道にしゃがみ込んで、アスファルトの上をじっと覗き込んでいた。アゲハチョウか蝉か、何か昆虫が死にかけているらしかった。
前方へ伸びていく主要幹線道路の上の青空に、むくむくと夏の雲が湧き上がる。
肉屋。
 
図書館から借りてきた、赤坂憲雄『災間に生かされて』読了。

 
 
夜。
『継母の連れ子が元カノだった』(2022)第12話(最終話)まで観る。笑いつつ軽く観られる感じでつい一気観した。でも、心理の展開はちょっと説得力が乏しく、作品としてはいまひとつかも。失笑というか脱力というか、してしまうところがいくつかあった。そんなに重くないのはいい。素直じゃない結女(ゆめ)ちゃんが結構肉食系女子なのは可笑しいなあ。2期があったら観るだろうけれど、たぶんなさそうな感じ。